こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
私は学生の頃、就職活動のグループディスカッションが苦手でした。
私は製薬会社(MR職)を中心に就活したのですが、当時の製薬会社は2次~3次選考辺りでグループディスカッションを実施している会社が多かったように思います。
このグループディスカッションというやつが私にとっては鬼門でした。
とにかく、グループディスカッションの度に、
落ちる!落ちる!落ちる!
あまりに落ちまくるので当時はすごく凹みました。
自分はダメな就活生だな…
などと思い込み、
自暴自棄になっていた時期もあります。
しかし当時の失敗談が、逆に現役の就活生にとっては反面教師になるのでは?
…と思いまして、このような記事を書くことにしました。
今から10年ほど前の話ですし、今の就活状況にマッチしているかは分かりません。
ですが、就職活動で行き詰っている人、特にグループディスカッションで苦戦している人にとって少しでも励みになればと思い、この記事を書きました。
まあ、悪い見本だと思って読んでやってください。
なお、『グループディスカッション』では長いので、これ以降の文章では省略して『GD』と書かせてもらいます。
ヒサシがGDで落ちた製薬会社を暴露します!
私が覚えている限りのGDに参加した製薬会社を挙げてみました。
・サノフィ
・アルトラゼネカ
・ノボ・ノルディスクファーマ
・日本アルコン
・エーザイ
・塩野義製薬
・大日本住友薬品
・協和発酵キリン
・明治製菓ファルマ
・興和創薬
・日本新薬
・鳥居薬品
この中でグループディスカッションを通過できたのはエーザイくらいだったと思います。
そのエーザイですら、
GD後の個人面接で落ちましたが…。
単純なグループディスカッションの勝率で言えば1割以下というわけです。
どれだけ落ちてるんだって話ですよね。
自分にはグループディスカッションのセンスがないのか?
そもそも製薬会社(MR)が自分に合っていないから落ちるのか?
そんな負のスパイラル思考に陥っていました。
ヒサシがGDにて行っていたこと
当時の私が意識して行っていたのは、自分の意見を主張するということです。
それはなぜか?
何かの就活本で、
GDでは自分の意見を喋れない人は評価されない!
自分の意見を筋道立てて話せる人間が勝つ!
…みたいな内容を読んだからです。
当時のGD振り返って思うのは、自分の意見を主張すること自体は間違いではないです。
間違いではありませんが、ただ単に自己主張するだけではダメだということです。
おそらく、GDの試験官から評価されるポイントとは、
主張の仕方だとか話し方の方だと思います。
ですが、当時の私は、
とにかくMRの内定を獲るぞ!
と、鼻息を荒くしていましたので、その勢いで自分の意見をガンガン言っていたように思います。
『自分の意見を喋らなきゃ落ちる!』
『黙って頷いているようなヤツは落ちる!』
『何も喋らないようなヤツは意志が弱い人間だと思われる!』
こんな強迫観念というか、根拠のない思考ループに囚われていました。
場合によっては、同じグループの就活生の意見を否定してまで自分の主張を通そうとしたこともありました。
あくまで経験談ですが、GDで出しゃばっても良いことはありません。
つまり、自分だけが話し過ぎてはならないのです。
自分の意見を話せば話すほど、それは他者の発言の機会を奪うことにも繋がります。
ましてや、GDの時間は予め数十分と決められています。
そのような制限時間がある中で1人だけが長々と話すのは良いことではありません。
このことは、現役MRとして働いている中でも感じる場面があります。
職場の会議でも、上司や同僚が1人で延々と喋ってばかりだと闊達な議論はしにくいものです。
ある特定の人物だけが話してばかりだと、他の人間にとっては、
何となく発言しにくい空気になってしまうんですよね。
もちろん、司会進行役みたいな感じで1人で話しつつ、適切なタイミングで他の人間に話を振れるタイプの人もいます。
ですが、少なくとも就活時の私そのような芸当は無理でした。
とにかく、就活当時は自分の意見を話すことに意識が向きすぎていて、周りの話に耳を傾けることが出来ていなかったように思えます。
自分でも自覚があるくらいですから、第三者から見たら尚更でしょう。
GDの試験官目線だと、
『コイツは協調性のない自己中野郎だな…。』
…みたいに見えていたのでは?と思っています。
ただし、協調性を重視するかどうかは試験官、あるいは会社によって異なるでしょう。
GD中に自己主張が激しいことによって、
『コイツは弁が立つ良い学生だ!』
…みたいに評価されるかも知れません。
ある人にとっては短所に見える部分も、別の人にとっては長所に見えるわけです。
ただ、繰り返しになりますが、自分の経験上GD(特にMRの選考)においては、
自己主張は抑え気味にした方が無難では?
という気がします。
MRの営業活動にて自己主張が激しいとどうなるのか?
さて、ここからは現役MRとしての考察です。
製薬会社におけるGDの目的とは何でしょうか?
それは、将来戦力になりそうなMRを発掘すること、良いMR候補の学生を見極めることです。
言い換えれば、良いMRになりそうにない学生、もっと極端な言い方をするなら、
MRの素質がないダメ学生をさっさと落としてしまうことです。
そのようなことを考えたときに、自己主張が激しいというのは少しばかり厄介です。
それはなぜか?
まず、MRのメインとなる顧客は医者です。
医者とは社会的地位が高く、頭脳も優れていることから、
プライドが高い人間が多い職業です。
そのようなプライドが高い人間相手に、MRは自社の薬を紹介し、処方を提案し、売上をアップさせなければなりません。
こんな前提の中、自己主張が激しいMRが医者に対して強引な処方提案、あるいは処方依頼をしたらどうなるでしょうか?
とは言っても、学生の人は中々イメージが湧かないかと思います。
そこで、悪い会話例を用意してみました。
MR『先生!ウチの薬Aは○○ガイドラインでも推奨されていますし、著名な△△先生も使っている有効性に優れた薬剤ですよ!』
医者『うーん、○○ガイドラインや△△先生のことはわかるけど、私は薬Bを気に入って使っているんだ。』
MR『薬Bなんてガイドラインでも推奨されていませんよね?どう考えてもウチの薬Aの方が良いですよ?薬Bを全てウチの薬Aに切り替えてください!』
医者『薬Aの有効性は認めるけど、薬Bにも副作用が少ないという良いところがあるんだ。特に、私が診ている患者には薬Aよりも、より副作用が少ない薬Bの方が適していると思うんだけどね。』
MR『いやいや、先生!そこはどう考えても薬Aを使うべきですよ!○○ガイドラインで推奨されていて、しかも、著名な△△先生も使っている薬ですよ?』
医者『そうは言ってもね、私にとっては薬Bの良さも捨てがたいんだよ。』
MR『だから、先生!さっきから言っているじゃないですか!薬Aの方が断然良い薬ですよ!』
医者『…さっきから聞いていれば、君はそんなに私の治療方針が気に入らないのかい?私は自分なりの理由があって薬Bを使っているんだ。もういい。今日は帰ってくれ。』
MR『えっ!?先生、どうしてですか!?』
医者『いいから、今日はもう帰ってくれ!!』
こんな具合に、医者はMRに自分の治療方針を否定されると怒ります。
怒るまではいかなくても、不機嫌になる可能性は高いです。
少なくとも、良い気分になるような医者は圧倒的少数派でしょう。
こんな風に、医者相手に論破まがいの売り込みをすると、
モンスターMRのレッテルを貼られます。
そもそも、医者以上に知識豊富なMRなど、まず存在しません。
よって、医者目線だとMRにドヤ顔で情報提供されたり、処方依頼されたりするのは面白くないわけです。
MRのくせに偉そうに何言ってやがるんだ!!
…と、思われてしまうわけです。
とはいえ、先ほどの会話文は極端に悪い例ですし、こんな愚かな情提提供をするようなモンスターMRは業界内でもまずいません。
しかしながら、自己主張が激しい学生は先述のようなモンスターMRになる可能性があります。
個人的な意見ですが、このような、
モンスターMR候補の学生を落とすのがGDの目的ではないか?
と考えています。
傾聴する姿勢を大切にしよう!
先ほどの会話例の中で、MRが改善するべき部分は2点あります。
1つ目は、相手の話をしっかりと聞くこと。
2つ目は、相手の意見を否定しないこと。
この2点はGDにも通じる要素です。
では、その2点を改善した場合の会話例をご覧ください。
MR『先生!ウチの薬Aは○○ガイドラインでも推奨されていますし、著名な△△先生も使っている有効性に優れた薬剤ですよ!』
医者『うーん、○○ガイドラインや△△先生のことはわかるけど、私は薬Bを気に入って使っているんだ。』
MR『薬Bもメリットがある良い薬ですよね!差し支えなければ、先生が薬Bを気に入っている理由を教えて頂けませんか?』
医者『理由かい?私が診ている患者には副作用が少ない薬Bの方が適していると思っていてね。まあ、薬Aの良さも理解はできるけどね。』
MR『先生は患者さんのことを考えて薬Bを使っているのですね。それでしたら、薬Bで効果不十分の場合は、どのような治療法をお考えですか?』
医者『薬Bで効果不十分?うーん、あまり考えたことは無かったけど、その場合は薬Aが治療の選択肢になるかな?』
MR『それでしたら先生!まずは患者さんに対して薬Bで治療して頂き、もし薬Bで効果不十分な場合には、ウチの薬Aを試して頂けないでしょうか?』
医者『まあ、薬Aは○○ガイドラインでも推奨されているしね。わかった。では今まで通り、主に薬Bで治療しつつ、場合によっては薬Aを試しに処方してみようかな。』
MR『では、私の方でも薬Bで効果不十分だった場合に薬Aを使用したデータについてお調べしてみます。調べた結果については、次回の訪問時にご紹介させてください!』
医者『うん。そういったデータがあると助かるよ。薬Aと薬Bの使い分けの参考になりそうだからね。じゃあ、期待して待っているよ。』
こんな具合に、傾聴する姿勢はMRにとって必要な要素です。
医者の頭の中には、医者なりの治療方針があります。
その治療方針とは、医者自身の経験や、最新の医学的知見から導き出されたものです。
MRはそういった医者ごとの治療方針を踏まえて営業活動を行います。
つまり、医者の意見を否定せず、
なおかつ、
『自社の医薬品』という治療選択肢を提案する能力が求められるのです。
よって、MR選考のGDでは、このようなMR活動の素質があるかどうか?
もっと簡単に言うと、傾聴する姿勢が身に付いているのか?
…ということについてジャッジされている気がします。
これでは学生時代の自分がGDで落とされまくったのも納得です。
現役MRとして当時を振り返る度に、
自分は落ちるべくして落ちたということを痛感しています…。
【余談】ヒサシが唯一内定をゲットした医薬品卸(MS)の場合は?
内定が出た医薬品卸のMS(営業職)の選考でもGDは受けました。
しかし、このGDは自分でも拍子抜けするほどアッサリ通過しました。
実は医薬品卸でのGDのとき、
私は激しい腹痛のため殆ど発言していませんでした。
その頃は就職活動が上手くいかないストレスで体調を崩し気味で、選考の度に腹を壊していたのです。
…というわけで、GD中はずっと、
早くこのGD終わってくれ!!
だとか、
俺をトイレに行かせてくれ!!
…などということを考えていました。
正直言って、相槌を打つのがやっとの状態でした。
GDが終わった後、すぐにトイレに駆け込んだこともよく覚えています。
ロクに発言することが出来なかったため、そのときは100%落ちたと思っていましたが、
GDの翌日くらいに合格の通知が来たのでメチャクチャ驚きました。
結果論ですが、自己主張できないような状態だったのが幸いしたのだと思います。
GDでは自己主張したときほど落ちて、腹痛で黙っていたときに合格したことを考えると、まあ不思議なものです。
こんな経験をしたからこそ、自己主張の良し悪しというものについて教訓を得ることができました。
学生の皆さん、MRを目指すならGDでの自己主張は程々にしておきましょう。
最後に、就活中の学生さんに伝えたいこと
MR志望かどうかに関係なく、就活は学生にとっての試練です。
そして、私は就活で散々苦しんだ人間です。
アッサリと内定が獲れる学生もいる反面、私は全然内定が獲れず、就活生としては劣等生そのものでした。
ですが、劣等生ならではの意見でも誰かの役に立つのでは?と思って、この記事を書きました。
この記事を見てくれている読者さんの中には、当時の私と同じく、就活で苦戦中の人もいるのではないでしょうか?
就活が上手くいかないと焦ります。
筆記試験、GD、面接、それらで落とされる度に自分の人格を否定されたような気持ちになるでしょう。
しかも、自分の周りの人間が内定ゲットしているのを見ていると余計に焦ります。
なぜ自分は落とされるのだろうか?
自分と周りとで何が違うというのか?
自分の将来はどうなるのか?
自分の人生はどうなるのか?
内定が出ないまま大学卒業したらどうしよう?
ヤバい、ヤバい、ヤバい。
まさに、昔の自分がこんな精神状態でした。
ですが、そんな私も今では元々の希望職だったMRとして働いています。
確かに、私は新卒でMRにはなれなかった人間ですが、後々MRになる方法はいくらでもあります。
就活は大変ですが、その就活が死ぬまで続くわけではありません。
就活なんて、長い人生の中ではあくまで一時的なものです。
どうか学生の皆さんには、焦らず、腐らず、前向きに、就活という試練に立ち向かってほしいです。
GDを以外の就活対策については、下の記事に詳しく書いてあります。
現役MRがおすすめしたい就活方法3選!知っておいて損はないですよ!
以上、現役MRかつ就活劣等生の意見でした。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
コメント投稿はこちら