こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
先日、MS時代に一緒に仕事したことがある某後発品メーカーのMRさんに偶然会う機会がありました。
ちなみに、当時はそのMRさんと特別仲が良いというほどの関係ではありませんでした。
しかし、そこはお互いに社会人です。
久々に会ったので、まずは挨拶をしつつ名刺交換。
その流れで会話しているうちに、色々と興味深い話を聞くことができました。
そのMRさんの会社はバイオシミラー(通称BS)を扱っており、
その点が他の後発品メーカーと比べてアドバンテージとなっているようです。
国も医療費削減のためにBS製剤を使うことを強く望んでいます。
ですから、BS製剤を扱っている会社が今後も生き残っていくのは間違いなくなのでしょう。
そこで、今回は後発品メーカーのBS製剤、さらに転職という側面にも踏み込んで記事を書いてみました。
BS製剤を扱っている後発品メーカーは少ない!
今回お話を聞かせてくれたMRさんのことは、この場ではSさんと書かせていただきます。
Sさんに関する情報はこんな感じです。
・年齢:40歳くらい
・職業:某後発品メーカーのMR
・性格:よく知らないけど多分優しい人
情報が少なすぎてすいません。(汗)
記事の冒頭で書いた通り、元々詳しく知っている相手ではないので、このくらいの情報しかないのです。
さて、Sさんと会話している中で印象的な発言がいくつかありました。
その発言内容がこちらです。
・今後、低分子医薬品の後発品を売るだけでは生き残れない時代になる。
・ウチ(Sさんの会社)は低分子医薬品のビジネスに限界を感じたのでBS製剤で勝負する方向にシフトした。
・以前からウチはBS製剤を造ることに投資してきた。
・BS製剤に投資している後発品メーカーは少ない。
・BS製剤がある分、まだウチは業界内で食っていける見込みがある。
私自身は後発品MRとして働いた経験はありませんが、何かと考えさせられる発言ばかりでした。
国策で後発品の使用促進がされているとはいえ、後発品メーカーも今後は厳しくなっていくという話はよく聞きます。
しかし、今回お話を伺ったSさんは特に悲観しているような様子はありませんでした。
むしろ、
今後はBS製剤を軸として自社が生き残っていくんだ!
…というような自信みたいなものが感じられました。
低分子医薬品の時代が終わり、それに伴って低分子医薬品の後発品の時代も終わろうとしている。
一方で、BS製剤の時代はまだまだこれからである。
そんな印象を受けたお話でした。
バイオシミラーとは何か?
そもそもBS製剤って何なの?
バイオシミラーってどういう意味なの?
…と疑問に思う方もいるでしょうから、まずはバイオシミラーについて見ていきましょう。
以下にバイオシミラーの要点を簡単にまとめてみました。
・バイオシミラーは『バイオ医薬品』の一種であり『バイオ後続品』とも呼ばれている
・バイオシミラーは既に承認されている『先行バイオ医薬品(通称:先行品)』と同等性が証明されている
・『シミラー』の語源は『similar』であり『似ている』という意味である
・バイオ医薬品とは遺伝子組み換え技術などを使って造られた薬剤である
・バイオ医薬品は低分子医薬品よりも複雑な構造なので造るのが難しい
・バイオシミラーは先行品よりも薬価が安いので医療費削減ができる
早い話、低分子の後発医薬品と同じようなものです。
ただし、低分子後発品とBS製剤との決定的な違いの1つとして、
製造コストが格段に高いという点があります。
そう、BS製剤は簡単に造れるような薬剤ではないのです!
BS製剤を造るためには細胞培養・伝子組み換えといった高度な技術が必要です。
さらに、それらの技術を駆使するための研究所・工場も必要なのです。
Sさんのお話の中にあった『ウチはBS製剤に投資している』という部分はまさにこの点です。
お金を投じなければBS製剤を造るための研究所・工場を揃えることはできないのです。
後発品メーカーにとって、BS製剤を扱うことで大きなリターンが見込めます。
その反面、一部の後発品メーカーしかBS製剤に手を出さない、または出せない。
その最大の理由は設備投資にお金が掛かるからです。
言い換えれば、BS製剤のために設備投資した後発品メーカーは日の目を見ることができる。
設備投資してこなかった後発品メーカーを横目に、時代の波に乗ってBS製剤を利益の要とすることができる。
Sさんの発言を深読みすると、このような現実が見えてきます。
後発品MRに転職するならBS製剤を扱っている会社を選ぶべき?
最近、Sさんと同じく『低分子医薬品の時代は終わる』と言っていた人がいました。
下の記事で書いた50代の後発品MRさんです。
50代の後発品MRにとって転職は絶望的?興味深い『生の話』を聞いてきました!
低分子医薬品かつ特許が切れていない、それでいて売上額が大きい薬剤は多くありません。
そのことを踏まえて未来を予想するとどうなるでしょうか?
まずゼチーア、セレコックス、リリカなどの後発品が出てくる。
その後はDPP4阻害薬の後発品が出てくる。
では、さらにその後はどうなるか?
後発品MR日くですが、売上的に『旨味』が大きい低分子医薬品はほとんど無いそうです。
詰まるところ、これが『低分子医薬品の時代が終わる』ということですね。
そうなれば当然、後発品メーカーも経営が厳しくなるでしょう。
その先にMRを待ち受けているのは早期退職(リストラ)です。
何だが暗い話ですね…。
ですが、BS製剤の市場はまだまだ伸びしろがあります。
よって、BS製剤を扱っている後発品メーカーなら今後も生き残っていけるでしょう。
そう考えると、Sさんが言った『ウチは業界内で食っていける』という意見は的を射ています。
もし後発品MRへの転職を考えるなら、BS製剤を扱っている会社であれば将来は明るいのではないでしようか?
いくらMR個人が優秀でも、会社が傾いてしまったらどうしようもありません。
製品力で転職先を選ぶのなら、BS製剤を扱っている後発品メーカーに行くことは手堅い選択かも知れません。
まとめ:今後はBS製剤の時代が来る!
今回はSさんの話をもとに、他の後発品MRから聞いた話も交えて未来予想してみました。
BS製剤のことを含めて、後発品メーカーも会社ごとにカラーがあります。
昔のように後発品メーカーが一斉に低分子医薬品の後発品を発売し、
熾烈な価格競争が繰り広げられる…というような時代ではなくなってきているようです。
これもまた、後発品メーカーによる『差別化戦略』の1つなのでしょう。
ただでさえバイオ医薬品は高薬価のものが多いですから、医療費削減のためにもBS製剤にどんどん切替わっていくはずです。
そのとき、自分の会社がBS製剤を扱っているかどうかが将来の分かれ目になりそうですね。
ちなみに、転職市場でも『バイオ医薬品の経験者歓迎!』みたいなMR 求人は結構多いです。
そう考えると、先発・後発を問わず低分子医薬品からバイオ医薬品の時代になってきたのは間違いありません。
転職にせよ新卒入社にせよ、今後はバイオ医薬品、そしてBS製剤を意識した選択をする必要がありそうです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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