こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
以前、医薬品卸でMSが倉庫へと異動することについて記事を書いたことがありました。
医薬品卸の倉庫は『MSの墓場』である…という意見について検証してみた。
しかし、今回はまた違った切り口でMS&倉庫の関係性について書いてみようと思います。
つい最近、MS時代の同期や後輩と話す機会がありました。
その中にはMSから倉庫へと異動した人もいます。
そんな元MSの倉庫係たちですが、彼らは定時で帰れる倉庫の職場環境を大変気に入っているようです。
ついでに言うと、現役のMSの中でも倉庫に異動したがっている人が複数いました。
確かに今振り返ってみると、私がMSだった頃を含めて、倉庫に異動した同期・先輩・後輩たちは全員が『MSより倉庫の方が断然良いわ!』と言っていました。
現役のMS目線で見ると、『倉庫』=『MSとして使えないヤツが行くところ』みたいな認識だったりします。
(※実際、MSとして取り返しのつかないミス・交通事故・不祥事などを起こして倉庫へと左遷される人は一定数いる。)
ですが、倉庫へと異動した当人たちとしては、倉庫の労働環境を気に入っている人が多い印象があります。
少なくとも倉庫に異動した元MSたちは、
俺(私)はもうMSには戻りたくない!
…と口を揃えて言っています。
これは、倉庫の労働環境が良いという意味なのか?
それとも、MSの労働環境が悪すぎるという意味なのか?
その辺りの事情について書いていこうと思います。
MS(営業職)よりも倉庫係は恵まれている!?
まず初めに、私自身は医薬品卸の倉庫係として長年働いた経験はありません。
しかし、新入社員だった頃に社内実習の一環として倉庫にて一通りの仕事を経験させてもらいました。
そのときの経験と、他のMSや倉庫係から聞いた話などを踏まえて、まずは医薬品卸内におけるMS(営業職)と倉庫係の労働環境について整理してみましょう。
1.労働時間
2.土日や連休の過ごし方
3.給料
4.職場の人間関係
5.評価の査定
6.仕事内容
いかがでしょうか?
職場の人間関係については、ハッキリ言って運の要素が大きいので、この場合はMSと倉庫とでイーブンとします。
総合的に考えてみると、給料の安さを除けば、倉庫係の方がQOL(生活の質)は良さそうですね。
何と言っても、定時で帰れたり、カレンダー通りに休めるのはデカいですね!
MSあがりの倉庫係だと、この一点だけでも相当な恩恵に感じるのではないでしょうか。
MSは何だかんだ言ってサービス残業が多い職種です。
担当施設・担当エリアによって多少のバラつきがありますが、MSの仕事量はどう考えても業務時間内に完遂できないレベルだったりします。
…で、結局ところサービス残業(またはサービス早朝出勤)せざるを得ないことが多々あります。
さらに、休日は自宅にPCを持ち帰って仕事することもザラにあります。
少なくとも、私がMSだった頃は私自身を含めて、営業所の先輩・後輩共にそんな感じでした。
そして、MS経験がある人ならご存知の通り、GW・お盆・年末年始などの休日における配達当番は中々のストレスです。
夜中や早朝に携帯電話が鳴り、配達のために出動すること待ったなしです。
私自身もMS時代に『多少給料が下がっても良いから、休日当番が回ってこないようにして欲しい…』と何度も思いましたからね。(汗)
MSにとって、それくらい休日当番はイヤな仕事です。
医薬品卸のMS時代に最も大変だった休日当番エピソードを紹介します!
GWの時期になるとMS時代に休日当番で苦しんでいたことを思い出す
MSが『MSを辞めたい』と強く思うタイミングの1つがお盆期間である
ハッキリ言って、MSとしての使命感や責任感によって休日当番にやりがいを感じている人間を見たことがありません。
誰だって休日(特に連休)はプライベートを満喫したいに決まっています。
ましてや、家族と過ごす時間を大切にしたい人であれば尚更です。
人によっては、時間の価値はカネ(給料)よりも上なのです。
この辺りの労働環境は給料の高低だけで論じられるものではないため、MSに嫌気が差してしまう人も多いのでしょうね。
倉庫は疲れてしまったMSたちの受け皿?
この記事の序盤で書いた通り、倉庫に異動したがっているMSは多いです。
少なくとも、私の中ではそのような印象があります。
なぜかと言うと、彼らが倉庫の労働環境に憧れているからです。
ですが、それ以上に深刻な理由があります。
MSが倉庫に異動したがる最大の理由とは『彼ら自身がMSの仕事に疲れているから』です。
簡単にまとめると、『倉庫に異動したい!』ではなく『MSを辞めたい…。』といった状態ですね。
MSとしての仕事に行き詰まり、人知れず悩んでいるMSは一定数います。
多分ですが、この傾向はどこの医薬品卸でも同じではないでしょうか?
いかがでしょうか?
ご覧のように、MSとしての仕事や労働環境に疲れているMSは意外と多いのです。
何を隠そう、MS時代の私もこのようなことばかり考えていました。
世の中に存在する他の営業職と比べてMSが激務かどうかは不明ですが、少なくともMS本人は自分の仕事について激務だと感じている人もいます。
MSとして疲れているだけならまだ良いですが、中にはMSとして行き詰り過ぎた結果、鬱病になって休職してしまう人もいます。
実際、私の同期MSや先輩MSで鬱になってしまった人も複数います。
鬱病などとは縁がなさそうな陽気で明るいMSであっても、何らかのきっかけで鬱病になってしまのだから驚きです。
『鬱病は心の風邪である』とはよく言ったものです。
さて、鬱になってしまえば当然、仕事で良いパフォーマンスを発揮することは不可能ですよね。
ついでに言うと、鬱を発症したMSが、MSとして復帰するのも難しいでしょう。
しかし、そこで救世主的な存在として登場するのが倉庫です。
倉庫であればMSほど煩雑な業務を強いられるわけではないので、メンタルが弱った元MSでも何とか働いていくことができます。
(※とはいえ、重度の鬱病だと休職期間を経ても回復せず、そのまま退職してしまう人もいますが…。)
倉庫側も鬱病に陥った元MSとの接し方は心得ているらしく、酷いイジメに遭うことも特にないそうです。
そう考えると、倉庫はメンタル不調に陥ったMSの受け皿として機能していることが分かります。
倉庫でリハビリ的な感じで働くことで社会復帰を行い、いずれMSとして返り咲く人もいます。
一方で、倉庫の方が性に合うとの理由で、倉庫での継続労働を希望する人もいます。
どちらにしても、MSとして疲れ果てた人であっても雇用を継続させてもらえるという意味で、医薬品卸内にて倉庫が果たしている役割は大きいと思うワケです。
最後に:MSの仕事に疲れたら倉庫への異動を考えると良いかも?
MSだって人間ですから、仕事に疲れてしまう人は一定数います。
こんな記事を書いている私も、数年前まではそんな疲れ果てたMSの1人でした。
明けても暮れても、急配や返品、自主回収などに振り回される日々に嫌気が差していました。
…で、結局のところ私自身はMSという職種に見切りをつけ、MR(製薬会社)へと転職した人間です。
その決断そのものは全く後悔していませんが、今にして思えば倉庫に異動することも1つのキャリアプランだったのかなぁと思うことはあります。
MSという職種に嫌気が差している人にとって、転職という選択肢は確かに魅力的でしょう。
しかしながら、転職というのは思い立ってから即日で完了できるものではありません。
履歴書を書き、職務経歴書を書き、書類選考や面接をくぐり抜け、選考結果に一喜一憂し、内定が出たら雇用条件をチェックして…といった感じで、とにかく山あり谷ありです。
何だかんだ言って、気力と体力を消耗するのが転職なのです。
ましてや、この記事を書いている2020年の11月現在、世間ではコロナ禍の影響で求人が減少しています。
もし転職できたとても、転職先の環境に上手く馴染めるかどうかも分かりません。
なので、会社を変えずに社内での配置換えを狙ってみるのも立派な人生設計だと思うワケです。
よって、MSという職種に疲れてしまったら、思い切って倉庫への異動を申し出てみるのは十分にアリです。
もしかすると、倉庫への異動希望によって現場の同僚MSや上司からは後ろ指を指されるかも知れません。
ですが、たかが異動希望ひとつで批難してくるような人種と一緒に働き続けるくらいなら、いっそMSに見切りを付けてしまっても良いと思います。
そして倉庫に異動したとして、もし倉庫の仕事が性に合わなかったら、そのときに改めてキャリアプランを考えれば良いのです。
おそらく、MSとして苦しみ続けているだけでは気付かないであろう景色が見えてくると思いますよ!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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