こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
医薬品業界にてパイオニアとの呼び声も高いGSKが、またもや前代未聞の方策を打ち出しました。
RISFAXの記事によると、何と医薬品卸との販促協業を廃止するとのこと。
具体的には、MRとMSが協力して行う薬剤のプロモーション活動などですね。
以前から“MSとの協業一時停止”を謳っていたGSKですが、今度は完全なる“協業廃止”です。
これは実質的に『ウチにとって医薬品卸(MS)の営業的な協力は不要である!』と宣言したのと同じです。
GSKほどの大きな製薬メーカーがこのような大胆な決断を行うなど、業界史上の中でも前例がないかと思います。
…とはいえ、個人的にはあまり驚いていません。
ハッキリ言って、GSKが“協業の一時停止”を公表したときから、いつかこうなると予想していたからです。
まあ、思ったよりも早かったですけどね…
思い返してみれば、GSKが行ってきたメディセオとの取引中止も、MSとの協業一時停止も、この日のための布石だったのかも知れません。
GSKが“MSとの協業一時停止”を発表!医薬品卸にとっては修羅場の始まりか?
GSKがメディセオ&地方卸との取引を打ち切る理由について考えてみる
GSKのMRはメディセオ&地場卸との取引中止についてどう思っているのか?
詳しくは後述しますが、GSKとしては協業に伴うコスト(アローアンス)を削減したくて仕方なかったのでしょう。
コストカットという観点から考えれば、確かにGSKの経営面に好影響がありそうです。
その反面、GSK製品への売上についてはどうなるでしょうか?
大体にして、医薬品卸が今の状況に納得するでしょうか?
いやいや、少なくとも私個人としては、医薬品卸がこのまま黙っているワケがないと思っています。
その辺りの事情や考察について、今からお伝えしていこうと思います。
GSKの目的はコストカットである!
これについては過去の記事で散々書いてきましたが、改めて確認です。
GSKは医薬品卸に支払うアローアンスを削減したい。
つまり流通に要するコストをカットしたい。
そのための手段として、アローアンスが発生する医薬品卸との営業的な協業を打ち切ることを選択した。
これが今回GSKが協業廃止に踏み切った最大の理由だと思っています。
経営陣にとってはお金が絡むことなので、シビアな判断が必要なのでしょう…
GSKのみならず、外資系製薬メーカーの経営陣は以前から医薬品卸の存在そのものを疑問視していましたからね。
ノボノルディスクの取引卸削減について「プラス影響」と評したベック社長の真意を考察する!
医薬品卸とは、果たしてアローアンスを支払ってでも協業するべき相手なのか?
医薬品卸と協業することで、本当に自社にとってメリットがあるのか?
こういった命題について、少なくともGSKの経営陣は否定的な結論を出したということなのでしょう。
まさに『卸不要論』の最先鋒メーカーであり、自らの考えを有言実行したという感じですね。
ところで今回のGSKによる医薬品卸との協業停止ですが、果たしてアローアンスを削減するだけで終わりますかね?
この調子だとさらなるコストカットを目指して、リベートの削減にも取り組んできそうな気がします。
(※医薬品卸における利益のうち、2次利益がリベート、3次利益がアローアンスと呼ばれています。)
GSKとしては、医薬品卸に支払うお金は完全にゼロにしたい、または極限まで削りたいのが本音でしょう。
アローアンスの削減が一段落したら、今度はリベートの削減に着手する可能性は十分にあります。
…と言うか、既にリベートの見直しを行っているかも?
…とはいえ、流石にリベートまで削ったら医薬品卸側の負担が大きくなり過ぎます。
医薬品というモノは、在庫管理や配送にもお金がかかりますからね。
そもそも、リベートとは医薬品卸の物流機能を評価して支払われるものです。
つまり、GSKが医薬品卸との取引を続ける以上、多かれ少なかれ発生し続ける類のお金なのです。
よって、リベートを完全にゼロにするなんてことの実現は容易ではないと思いますが…
前例に囚われないGSKであれば、可能性が0%とも言い切れません。
医薬品卸にとっては、まさに戦々恐々といったところでしょうか。
GSKが医薬品卸に望む“安定供給”とは何か?
RISFAXの記事を読んで、個人的に違和感があったのがこの部分です。
GSKが医薬品卸に期待する役割として『安定供給』というキーワードを挙げていましたが、GSKは何を以って安定供給と考えているのでしょうか?
もし医療機関に万遍なく医薬品が供給することを安定供給と考え、その責任が医薬品卸側にあると考えているとしたら、お門違いもいいところではないでしょうか。
現場で働く医薬品卸の社員たちは、特定の取引先に供給過多とならないように、常日頃から在庫管理や配送の体制などを整えています。
そもそも、製薬メーカーが医薬品を通常通り出荷してくれれば、その医薬品を仕入れた卸はGSKに言われずとも各取引先に十分量の医薬品を必要に応じて届けます。
もし医薬品卸が市場に薬を安定供給できなくなるとしたら、それは製薬メーカー側の都合で出荷停止・出荷調整などを行ったときです。
医薬品とは【製薬メーカー】⇒【医薬品卸】⇒【医療機関】という経路で供給されている商品ですからね。
大元である製薬メーカーにトラブルが生じれば、医薬品卸以降の流通環境が全て狂います。
つまり、安定供給が上手くいかない場合の責任は医薬品卸側にあるのではなく、製薬メーカー側にあるのです。
2020年以降、後発品メーカーの不祥事を皮切りにして、一般人までもが『薬の安定供給』という言葉に注目するようになりました。
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この『安定供給』とは目立たないながらも大変な仕事です。
そして、医薬品卸の現場社員たちは今日も安定供給のために頑張っています。
供給不可な薬の代替品を探し、取引先からクレームに対応し、それでもなお安定供給のために奔走しています。
こういった医薬品卸の努力について、GSK側はどのくらい知っているのでしょうか?
GSKがどういった意図でRISFAXからの取材時に安定供給云々といった返答をしたのかは分かりません。
ですが、真に安定供給に努めるべきは医薬品卸ではなく、GSKを含む製薬メーカー側です。
その辺りを事情について、GSKの経営陣または広報部はどのくらい理解しているのでしょうか。
あるいは、RISFAX誌面での安定供給云々という件は単なる“建前”であり、本音では医薬品卸に対して何の期待もしていないということなのでしょうか。
もしかして“卸は薬の債権を引き受けてくれさえすれば良い”という意思表示か?
取って付けたような言い回しなので、何だか腑に落ちません。(汗)
個人的には、ちょっとモヤモヤする部分でした。
医薬品卸が経営難に陥れば“安定供給”どころではない!
GSKがコストカットを目的としている。
そのための手段として医薬品卸との協業を廃止し、彼らに支払うアローアンス削減を断行した。
それ自体は決して悪いことではないですし、むしろ企業判断として理に適っていると思います。
しかし、そのような製薬メーカー都合のコストカットが頻発した結果として、医薬品卸の身に何が起こるでしょうか?
当然ながら、医薬品卸の経営状態が悪化します。
2021年3月の決算を見る限り、広域卸・地場卸ともに利益状況はボロボロです。
大手医薬品卸4社における2021年3月期の決算内容(特に営業利益)がエグすぎる…!!
地場の医薬品卸における2021年3月期の決算内容を徹底分析!営業利益が厳しすぎる…!!
ここまで来ると“経営難”と言っても差し支えありません。
このような状態でさらに製薬メーカーからのアローアンス、さらにはリベートまで削られたらどうなるでしょうか?
長い目で見れば医薬品卸という業種の衰退を招き、取引先への物流機能も弱体化します。
例えばですが、配送コースの縮小や、あるいは配送の便数減少。
人手が減ることによる急配の困難化。
夜間や休日における緊急配送の対応不可。
ザっと思い浮かんだだけでもこれくらいあります。
詰まるところ、医薬品卸という業種が弱れば弱るほど、安定供給という社会的使命を全うするのが難しくなるのです。
特に、緊急配送の依頼にさえ応えられないレベルまで医薬品卸が衰退してしまったら、それこそ製薬メーカー・医療機関・患者といった各方面の人間が困ります。
医薬品卸がなくなると困る人間は大勢いるぞ!業界内における卸の必要性を再考する!
医薬品卸における薬の安定供給とは、十分な人員、十分な在庫管理スペース、十分な流通経費(例:ガソリン代や高速道路代など)があって初めて可能になる仕事です。
確かに、GSKのようにコストカットに励む製薬メーカー側の事情は理解できます。
その一方で、製薬メーカーが医薬品卸への各種支払いを減らした結果として、安定供給を実現するための手段や環境が危ぶまれることも事実なのです。
医薬品卸は総力を挙げてGSK製品を潰しにかかる!?
今回の発表を機に、GSKは医薬品卸にアローアンスを支払うことは辞めると宣言したも同然です。
そんなGSKの製品について、医薬品卸側が快く市場に流通させようなどと思うでしょうか?
いやいや、決してそんなことはないと思います。
それこそGSKの薬剤に見切りをつけて、競合他社の薬剤への切替工作に励むに決まっています。
少なくと、私がMSだったそうしています!
GSKが“MSとの協業一時停止”を発表した時点で、GSK製品を他社製品に切り替えるべく活動していた卸・MSの話もチラホラ聞いています。
例えばですが、GSKの『テリルジー』をアストラゼネカの『ビレーズトリ』に切り替えたりとか。
でも、これはあくまで局地的な話です。
もっと大局的に見た場合、医薬品卸としては会社としての総力を挙げてGSK製品を潰しにいくと予想しています。
医薬品卸にとっては、卸と手を切ったGSKのやり方が上手くいっては困るのです。
では、それはなぜか?
もしGSKが医薬品卸の力を借りずとも自社製品の売上を伸ばすなり、シェアをアップさせるなりしたら、他の製薬メーカー(特に外資系)が追随する可能性があるからです。
今回のGSKの決断について、果たして吉と出るか?
それとも、凶とで出るか?
今後の展開について、他の製薬メーカーも注意深く見ているはずです。
GSKが医薬品卸との協業を辞めて以降、もし業績が順調であれば、他社メーカーはどう思うでしょうか?
多分ですが『ウチもGSKを見習って医薬品卸との協業は辞めよう!』などと思い立つのではないでしょうか?
GSK単独で売上をアップまたは維持できることが証明されてしまったら、医薬品卸の面子は丸潰れですからね。
つまり、医薬品卸にとっては最も憂慮すべき事態です。
だからこそ、医薬品卸はGSKのビジネスが成功することを食い止めないといけない。
自分たちが他の製薬メーカーから見限られないように、何としてでもGSKの業績にダメージを与えないといけない。
GSKの製品を徹底的に叩き、自社が強い医療機関であればGSKを締め出すように仕向けないといけない。
医薬品卸の立場からしたら、そのように考えるのが自然な流れかと思います。
もちろん、会社としてGSKに一泡吹かせたいという感情もあるでしょう。
しかしそれ以上に、他の製薬メーカーに医薬品卸の存在感をアピールすることが急務ではないでしょうか?
そのためには、GSKの製品を潰しにかかるのが手っ取り早いということです。
この医薬品業界において、医薬品卸の協力なしで業績好調などというエビデンスをGSKに作らせたくない。
そのために、会社が一丸となってGSKの活動を妨害する。
…ということを踏まえて考えてみると、配送・返品・自主回収などの場面でGSK製品についてだけ非協力的な態度を取るMSや営業所が続出するのではないでしょうか?
ともすれば、MSが取引先のキーマンと面談する際、印象操作してGSKを悪者に仕立て上げることすら予想されます。
実力派のMSにとって、特定のMRを悪者に仕立て上げるなんてことは朝飯前ですからね…
現場のMRとMSは混乱必至
ぶっちゃけた話、GSKのMRにとっては相当大変だと思うんですよね。
いくらGSKの本社が医薬品卸との協業廃止を命じてきたとはいえ、現場には現場なりの事情がありますからね。
GSKのMRとして、MSと仲良くしているような人だって一定数いるはずです。
既に“MSとの協業一時停止”に踏み切っていたとはいえ、混乱は必至ではないでしょうか。
GSKが“MSとの協業一時停止”を発表!医薬品卸にとっては修羅場の始まりか?
例えばですが、MSが強い開業医にて一切協力してもらえなくなったりとか。
あるいは、MSしか出入りできないような病院にて、薬審の情報を全く教えてもらえなくなったりとか。
それ以外だと、性格の悪いMSから嫌がらせまがいのクレーム電話を連発されたりとか。
MRの立場からしたら、まさに面倒くさいことの目白押し。
これらの影響によって、心身共に消耗するGSKのMRがいても不思議じゃないです。
私自身が現役のMRだから余計にそう思うのかも…
それに、MS側としても混乱は避けられないでしょう。
先述した通り、医薬品卸という会社目線で考えれば、GSKのビジネス成功は到底受け入れられないものです。
よって、各地の営業現場には鬼のような指示が飛ぶことでしょう。
GSKの製品を何としてでも潰せ!!
…などという圧力を掛けられる展開が目に浮かびます。
しかし、MSとて生身の人間です。
ただでさえ出荷調整に関する業務で疲れているのに、GSK製品をどうこうする余力なんて、ハッキリ言って無いと思います。
医薬品の出荷調整・出荷停止の度にMSは苦しんでいる!自主回収後の地獄を語る!
出荷調整に嫌気が差した若手MSが急増中!彼らは医薬品卸を辞めたがっている!?
時間的な制約があり、なおかつ肉体的・精神的にも疲弊している中、もし打倒GSKのような仕事を課されるとしたらMSが気の毒過ぎます…。
ある意味、メディセオは“勝ち組”か?
現時点において、最もGSKと縁がない医薬品卸であるメディセオグループ。
同社は2020年10月にGSKから“取引中止”を宣告され、2021年4月からはGSK製品を取扱いできない状況へと追い込まれました。
GSKがメディセオ&地方卸との取引を打ち切る理由について考えてみる
売上・利益の減少もさることながら、業界内での面子も潰されるという体たらく。
メディセオからすれば、さぞかし不本意な展開だったことでしょう。
ですが、GSKが他の医薬品卸とも距離を置くことが決定した今であれば、当時とは違った見方が出来るかと思います。
4大卸という意味でメディセオと同格とされる3社、つまりアルフレッサ・スズケン・東邦はアローアンスが発生しないにも関わらず、GSK製品を卸し続けなければなりません。
これら3社からすれば『アローアンスを出さないメーカーの製品になんて関わりたくない』というのが本音ではないでしょうか?
少なくとも、GSKのために協業廃止の前と同じくらいのリソースを割こうとは思わないはずです。
アローアンスを含めて利益率が高い薬剤と、利益率が低い薬剤。
この2択であれば、医薬品卸としては前者に注力したいと思うのは当然のことです。
そして何より、利益が薄い薬剤であっても、急配や返品といった仕事は発生します。
急配や返品の面倒臭さは、MS経験のある人なら知っての通りです。
全国のMSを苦しめる『急配(きゅうはい)』とは?元MSが経験談を交えて解説します!
医薬品卸のMSが返品を嫌うのはなぜ?それは再販するのが大変だからです!
利益が厚い薬剤ならともかく、何が悲しくて利益が薄い製品について面倒くさい仕事を頑張らねばならないのか。
MSのみならず、医薬品卸の経営陣だってそのように思うはずです。
その一方で、GSK製品の取り扱い自体がないメディセオにとって、今の状況は気楽なものです。
利益率云々の前に、GSKの製品について急配も返品も発生しないワケですからね。
これは4大卸の中でも、メディセオだけに許された利点(?)です。
中途半端にGSKから流通委託されている医薬品卸にとっては厄介である反面、メディセオグループの卸各社にとっては、少なくとも実務上はノーダメージなのです。
そう考えてみると、ある意味ではメディセオグループは“勝ち組”なのかも知れません。
最後に:GSKの決断は他社メーカーの目にはどう映るか?
コストカットのために医薬品卸との協業廃止に踏み切ったGSK。
このGSKの決断によって、医薬品卸の利益状況がさらに悪化することは避けられないでしょう。
ですがそれ以上に深刻なのは、他の製薬メーカーがGSKに追随する可能性があるという点です。
正味な話、各医薬品卸にとってはGSK云々よりも、こちらの方が悩ましいところでしょう。
これでもしGSKが売上アップ(あるいは売上の現状維持)に成功してしまったら、GSKの決断は正しかったということを意味します。
それはつまり、医薬品卸による協業には意味がなかったと証明されるということですからね。
その場合、他の製薬メーカーがGSKに追随するような展開は十分に考えられます。
その一方で、GSKの売上が大幅にダウンしたらどうでしょうか?
この場合だと、医薬品卸による協業には一定の効果があったと言えなくもない。
医薬品卸として望ましいのは、当然ながら後者の方です。
付け加えると、医薬品卸の存在について懐疑的な製薬メーカー(特に外資系)に対して、卸の存在感を示すことにも繋がります。
ならば医薬品卸としては、何としてでもGSKの売上がダウンするような道筋を作らないといけません。
ここからは医薬品卸の威信をかけた戦いが始まるかも?
医薬品卸との協業停止を電撃発表したGSK。
この決断と改革は、果たして英断なのか?
それとも愚断なのか?
他社メーカーの目にどう映るかに関しては、今後のGSKと医薬品卸の活動次第というワケですね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
コメント投稿はこちら
いつも興味深い話題をありがとうございます。楽しんで読ませていただいております。
今回のアローアンスを中止する件、コストカットのためもあるかもしれませんが、もしかしたら薬価引き下げを少しでも止めて貰いたいのかも…と ふと思いました。
ご存知の通り、卸間で競合すると納入価が下がり すると薬価そのものの引き下げにつながってしまいますので。卸が 利益をアローアンスに頼れなくなれば、納入時に利益を確保せざるを得ない。するとアローアンスの中止は安売り防止のように働いたりしないものでしょうか?
興味深いお話をありがとうございます。
今回のアローアンスの中止ですが、GSKはコストカットだけでなく薬価維持を狙っている面もあるのかなとふと思いました。
ご存知の通り、医薬品卸間での競合の結果 納入価格が引き下げられると 結果として薬価の引き下げに繋がってしまいます。医薬品卸がアローアンスで利益を上げられなければ、納入そのものによって利益を出さざるを得ない。そのように誘導したいのかな と。
製薬業界の新人さん
コメントありがとうございます!
仰る通り、GSKとしては価格競争の抑制(=薬価ダウンの防止)も狙っているかと思います。
コストカットに加えて薬価維持まで出来たら、GSKとしては万々歳ですからね!
ただし、GSKにとってもアローアンス廃止による薬価維持効果がどのくらい見込めるかは未知数なんですよね。
何しろ、前例がないことですから。ですが医薬品卸にとっては、まさにその部分にこそ挽回の余地があるのかなと。
MSの中には「GSK憎し」という感情の赴くまま、「思い切り納入価を下げてGSKを困らせてやる!」というやり方を試みてくる人がいるかもしれません。
あるいは会社ぐるみで「GSK品目を安売りしまくって薬価を下げ、卸を敵に回したことを後悔させてやる!」と考えているかもですし。
GSKもそのリスク自体は考えているかと思います。
その一方で、GSKの経営陣は卸の経営環境が苦しいことを見越して、GSKへの意趣返しをするほどの余裕はないと判断したのかもしれませんね。