こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
2021年の8月25日、4大卸の一角であるスズケンがリストラを行うと発表しました。
スズケン 連結子会社3社を含む希望退職者の募集開始 投資原資の創出に卸売事業の構造改革が必要と判断
『希望退職者の募集』などと銘打ってはいますが、実際には強烈な退職勧奨が行われることでしょう。
人員・年齢の適正化を図るためと言いつつ、実際には高給取りの高齢社員に辞めてもらいたいのが本音でしょうね。
リストラ対象としては、スズケン本体のみならず、グループ会社であるサンキ、アスティス、翔薬といった卸も含まれています。
メディセオグループの大規模なリストラに続いて、今度はスズケングループときた。
でも、スズケンがリストラを発表したにも関わらず、それほど驚いていない自分がいます。
それはなぜか?
2021年2月に【メディセオが560人ものリストラ】を行った時点で、いずれ他の医薬品卸もリストラに踏み切るだろうと予想していたからです。
とりわけ、スズケンは4大卸の中でも、特に利益面において苦戦を強いられている会社です。
実際、2021年3月期の決算にてスズケンの営業利益率は4大卸の中では最下位の0.20%でしたからね。
(※一足早くリストラを行ったメディセオですら、営業利益率は0.50%だった。)
大手医薬品卸4社における2021年3月期の決算内容(特に営業利益)がエグすぎる…!!
多かれ少なかれ、2021年3月期の決算結果が今回のリストラに影響していることは間違いないでしょう。
個人的には、スズケンはスペシャリティ医薬品の流通戦略が上手くいっている印象を持っていました。
ですが、案外そうでもなかったのかもしれません。
仕事柄、スズケンのMSにはお世話になることが多い私としては胸が苦しくなります。
そして2021年の11月11日、リストラの合計人数は601人であることが公表されました。
まさか、ここまでの大人数とは思わなかった…
この大規模なリストラによって、スズケングループは今後どうなっていくのでしょうか?
そこで、今回のリストラ劇について思ったことを記事にしてみました。
2021年版:スズケングループのリストラ概要
取りあえず、ミクスなどの業界誌で報じられた内容について要約してみました。
・希望退職者には割増の退職金を支給する
・希望者には再就職の支援を行う
・募集期間は2021年10月18日~10月29日
・退職日は2021年12月31日
・グループ会社であるスズケンビジネスアソシエ(SBA)への転籍もあり得る
・転籍者には転籍一時金も支払われる
ご覧の通り、希望退職者の人数は特に定めていないようです。
しかし、2017年にスズケングループが行ったリストラを鑑みると、300人~400人くらいは辞める流れになるのでしょうか?
スズケン 希望退職者は423人に 当初募集人員上回る 約半数は営業
取りあえず大まかな内容としては、転籍云々を除けばメディセオグループが行ったリストラ内容と似通っているという印象です。
むしろ、メディセオのリストラ内容を参考にしたんじゃないかと思える節もあります。
いつの時代も、45歳以上がターゲットにされるんですね…(汗)
さて、今回のスズケングループのリストラにおいて特徴的なのは、スズケンビジネスアソシエ(以下、SBAと記載)への転籍です。
SBAとは、2021年3月に新しく設立されたスズケングループ傘下の会社です。
スズケングループ各社における人事・総務・経理・情報システムに関する業務を行っているみたいですね。
事業内容については、ちょっと漠然としているイメージがあります。(汗)
個人的なイメージですけど、スズケングループ各社のシステム面について、統合したり、調整したりすることが主な仕事なのでしょうか。
方向性は違えど、スズケンの傘下にあるという意味では“株式会社エス・ディ・ロジ”みたいな感じか?
そんなSBAへの“転籍”について、今回のリストラ対象者には勧められているのだとか。
転籍ということは、スズケン本体からは除籍されるということであり、完全なるSBA社員という扱いになることを意味しています。
出向であればスズケン本体に戻れる見込みもあるでしょうけど、転籍ということは、詰まるところ片道切符です。
悪い言い方をするなら、実態としては“島流し”に近いのではないでしょうか?
それでも、再就職先を確保できるという意味では良いことなのかも知れませんが…。
スズケン社内では一波乱ありそうな予感がしますね。
45歳未満の社員もリストラされる?
私もこういったブログを運営している手前、色々な読者さんから【問い合わせフォーム】を通じて連絡をもらうことがあります。
2020年に【メディセオグループのリストラ記事】を書いたときも、一部の読者さんからメッセージを頂戴したことがあったのですが…
実はそのとき、ちょっと気になる情報を小耳にはさみました。
ある筋からの情報によると、メディセオは45歳以上の社員をリストラ対象としていましたが、実際には44歳や43歳の社員にも退職勧奨が行われていたそうです。
(※実際に43歳~44歳の社員がどの程度退職したのかは不明ですけど)
まあ、これはメディセオに限った話ではないです。
リストラを行うような会社において、こういった手口は珍しくありません。
寧ろ、よくあることです。
さて、リストラの対象者が“原則”として45歳以上であれば、その“原則”から外れた年齢層はどうなるのか?
そもそも、原則とは『特別の例外が起こり得ることを念頭において、一般に適用されるものとする基本的な考え方』という意味合いを持つ言葉です。
つまり、言葉尻を捉えていくと“45歳未満であってもリストラ対象とする可能性がある”との見方もできます。
嫌らしい日本語の使い方ですね…
まあ、スズケンという会社が45歳という年齢にどのくらい拘るか、実際のところは不明です。
ですが、メディセオを含む世間一般でのリストラ事例を踏まえて考えてみると、45歳未満だからといって安心するのは早計な気がしてなりません。
スズケンビジネスアソシエ(SBA)への転籍に伴う功罪
このコロナ禍のご時世、再就職先を確保するのは容易ではありません。
ましてや、45歳以上の再就職ともなると、ハッキリ言って想像を絶する厳しさでしょう。
会社による再就職支援と言っても、どの程度サポートしてくれるかは怪しいところです。
…と言うか、あまり期待しない方が良いと思います!
リストラの際、会社が用意した再就職支援によって、満足度が高い職場に移っていく人って殆どいない気がします。
下手をしたら、自分自身で転職サイトに登録して転職活動をする方がまだマシなレベルかもしれません。
MS時代に活用していた転職サービス5選!各々のメリット・デメリットも一緒に解説します!
では、リストラ対象として肩叩きされた人はどうすれば良いのか?
退職勧奨された人間が、せめて正社員として働けるような職場がどのくらいあるのか?
こういったとき、仕事を選ばなければ働き口はいくらでもあると言うような人もいます。
ですが、何だかんだ言って仕事は選びたいと思うのが人の常です。
スズケンのような大企業で正社員として働き続けてきた人にとっては尚更でしょう。
こういった状況を踏まえて、スズケンはSBAへの転籍も選択肢の1つとして提示してきたのではないでしょうか?
リストラの受け皿として、SBAへの転籍はそれほど悪くない話であるような気がします。
少なくとも、どこの馬の骨とも知れない会社へと再就職するよりは、遥かにマシだと思う社員さんも多いのではないでしょうか?
全く知らない会社(環境)に飛び込むには勇気が要りますからね…
多少なりとも面識のある同僚たちと共に、これまたスズケングループと所縁のある会社(SBA)にて再スタートする。
実際には、転籍に伴って大変こと、困難なことも沢山あるでしょう。
しかしながら、確実に食いっぱぐれないという意味では、かなり温情的な選択肢ではないかと思うのです。
ただし、転籍についてデメリットがあるとすれば、それは“転籍一時金”の存在でしょうか。
スズケンから別の会社へと再就職する際に発生する割増退職金。
スズケンの息がかかったSBAに転籍する際に発生する転籍一時金。
この両者について考えたときに、前者の方が高額ではないかと私なんかは思うのです。
これは特に根拠があるワケではないですし、個人的な予想でしかないのですが…
ハッキリ言って、割増退職金が転籍一時金よりも少ないなんてことがありますかね?
割増退職金とは再就職の成否に関わらず、それなりにまとまった金額が支払われると相場が決まっているものです。
リストラされた退職者のうち、再就職先が中々決まらず、家族もろとも生活面で苦しむであろう人たち。
残念ながら、リストラ時にはこういった経済的弱者が一定数出てくるものです。
このように会社都合によって経済的に困窮する可能性を強いてしまうからこそ、そのリスクを補填するために退職金が“割増”で支払われるのです。
一方で、転籍一時金はそれほど高額にはならないと思っています。
この場合、転籍とはいえ切れ目なく働ける再就職先を提供したということにもなりますからね。
会社側からすれば、転籍者には必要以上のお金を支払う義務はないと判断するかも知れません。
よって、金額的には割増退職金>転籍一時金になるような気がするのです。
まあ、実際にはわからんけど…
“残される側”のMSも辛い!!
【メディセオグループのリストラ記事】でも書きましたが、リストラのときに辛いのは退職する人たちだけではないんですよね。
残される側にも、実は辛い現実が待っています。
特にMSの場合は、退職したMSが担当していた取引先を引き継ぐのは確定事項です。
2020年以降、ただでさえMSはメーカー都合の自主回収に伴う出荷停止・出荷調整といった業務に追われています。
医薬品の出荷調整・出荷停止の度にMSは苦しんでいる!自主回収後の地獄を語る!
出荷調整に嫌気が差した若手MSが急増中!彼らは医薬品卸を辞めたがっている!?
そこに加えて、退職者の分まで担当先が増えるとしたらマジでしんどいと思います。
MSに限らず営業職あるあるですが、営業の忙しさは担当先の軒数に比例しますからね。
取引先を50軒担当しているMSよりも、100軒担当しているMSの方が忙しいに決まっています。
軒数が多ければ多いほど、【急配】や【返品】だって増えるワケですからね。
あとは、新しく担当させられるエリアによっても仕事が大変になる可能性があります。
実際のところ【あまりの過酷さで病むMSが続出するエリア】も存在しますからね。
つまり、後任のMSにとっては業務面で不利益を被る可能性大なのです。
残される側にとって、まさに百害あって一利なし。
それが医薬品卸で行われるリストラの実態なのです。
今回のリストラは若手MSの離職をも招く?
スズケングループのリストラは原則45歳以上が対象ですが、こういった発表内容について20代~30代のMSはどのように思っているのでしょうか?
おそらくですが、とても他人事ではないと感じているのではないでしょうか?
10年後、あるいは20年後、自分がリストラ対象になる日が来るのでは…?
このような考えが頭の中を過ったとしても不思議じゃないです。
詳しくは後述しますが、今回のリストラでは600人以上もの社員が会社を去ることになっています。
600人ですよ!!
こんな状況では、不安を抱かない方が無理という話です。
むしろ自然な反応だと思います…
ましてや、残される側のMSは業務過多に陥ってしまう可能性が極めて高い。
このような現状では、たとえ割増退職金などがなくても転職を考える人たちが出てくるのではないでしょうか。
特に、20代前半~中盤くらいの若手MSですね。
彼らはいわゆる第二新卒といった年代ですから、転職はそれほど難しくないでしょう。
実際、MSとして働く期限を3年と定めている人も多いみたいですし。
医薬品卸にMSとして入社したら3年は働くべきか?【読者さんからの質問】
医薬品卸に新卒で入社したMSが辞めていく『4大タイミング』について勤続年数別に語る!
こういった状況ですから、新天地を求めて自主的に辞めていく若手MSも一定数現れそうです。
スズケンに限ったことではありませんが、リストラ時は若い世代ほど行動が早かったりするものなのです。
合計601人という業界随一のリストラ人数
2021年11月11日、スズケンにてリストラ(早期退職)される人数が明らかになりました。
何と、511人です!
ちなみに、先述したスズケンビジネスアソシエ(SBA)への転籍人数は90人。
これらを合計すると601人です。
転籍者を含むとはいえ、まさか600人を超えてくるとは…!!
スズケン 希望退職優遇措置に511人応募 SBAに90人転籍 卸売事業の抜本的な構造改革が必要と判断
600人と言ったら、中堅規模の会社と同じくらいの人数ですよね。
ハッキリ言って、もうこれだけで地場卸1社分くらいの人数に相当します。
製薬メーカーで例えるなら、鳥居薬品や日本ケミファの社員数よりも多い人数です。
そう考えると、いかに凄まじい規模のリストラなのかが分かりますね。
ちなみにですが、2021年2月付でリストラされたメディセオグループの人数は570人でした。
転籍者を含めると、リストラの規模としてはメディセオグループをも超え、医薬品業界史上の中でも随一です。
2017年に400人以上のリストラを行っていることを考えると、スズケンは直近の4年間で1,000人以上もリストラしたことになります。
マジで桁違いの人数だな…
さて、気になる退職金いくらほどでしょうか?
スズケンは11月11日の【ニュースリリース】で、希望退職等に伴う特別一時金の支給等に伴う特別損失として、46億6900万円を計上すると発表しています。
ここでの『特別一時金等』とは、平たく言えば『割増の退職金』のことですね。
転職者には、退職金ではなく『転籍一時金』というものが支払われる予定ですが、そのお金も『特別一時等』の中に含まれています。
今回のリストラではSBAへの転籍者が90人もいるので、一概に退職金を計算するのは難しいですが…
特別損失の46億6900万円を601人で割ると、1人当たりの金額はどうなるでしょうか?
単純計算で、1人につき770万円前後ってところですかね。
多分このくらいの金額が、本来の退職金に上乗せ(割増)という形で支払われるのでしょう。
この金額は多いと見るべきか?
それとも、少ないと見るべきか?
繰り返しになりますが、今回のリストラ対象者は45歳以上です。
実際問題として、その年代の生活を考慮すると、この金額ではちょっと物足りないんじゃないですかね…。
子供の進学・親の介護などが被る年代だからなぁ…
まあ、昨今の医薬品卸は経営難に直面していることを考慮すれば、割増しの退職金があるだけでも御の字という見方もできます。
そう考えると、ある意味では温情的な措置のようにも思えます。
当事者であるスズケンの社員さんたちがどう感じてるかは分からないですけどね…。
600人以上もリストラして現場の仕事を回せるのか?
先述した601人は、2021年12月31日付で退職・転籍します。
これは元MSとしての個人的な意見なのですが…
一気に600人以上もの人員が抜けたら、現場の仕事を回せなくなるのではないでしょうか?
先述した600人の内訳は分かりませんが、大多数はMS(営業)・倉庫・配送・事務といった一般社員であるはずです。
その一方で、管理職の人々は概ね無事なのではないかと思います。
管理職は“リストラする側”ですからね…
2021年の【有価証券報告書】によると、スズケングループの医薬品卸売事業における従業員数は9,574人とされています。
(※スズケン本体だけでなく、グループの卸会社であるサンキ・アスティス・翔薬などをひっくるめた人数です。)
そのうち臨時従業員(正社員ではない人たち)は1,944人含まれているので、その人数を差し引くと7,630人。
さらにその中で管理職が全体の2割くらいだと仮定した場合、現場で働く一般社員は凡そ6,100人ほど。
今回リストラされた人数が601人ですから、単純計算で現場の社員数は約1割も減らされることになります。
10人のうち1人減る程度なら大したことなくね?
…と思っているあなた!
医薬品卸にとって、これは大変なことなんです。
スズケンに限らずですが、医薬品卸では管理職(所長)・MS(営業)・倉庫・配送・事務・管理薬剤師を含めて10人規模で仕事を回している営業所はザラにあります。
そんな状況下では、1人減るだけでも営業所としては大ダメージなのです!
もちろん、どの職種の人数が減らされるかによって事情は変わってきますが…
例えばですが、10人規模の営業所にMSが3人いたとしましょう。
その3人のMSのうち1人がリストラされたら、人員補充なしで残った2人でMSの仕事を回さないといけません。
これってメチャクチャ大変なんですよ!
急配にせよ、返品にせよ、集金にせよ、取引先絡みの業務を2人でこなさないといけない。
社内でのプロモーター業務、休日当番、会議運営なども2人でこなさないといけない。
こんな有様では、どう考えたって業務量がパンク状態になります!
下手をしたら取引先への定期訪問すら危うくなります。
売上が乏しい取引先には全く訪問できなくなり、売上が大きい先ですら週1回訪問できれば良い方かもしれません。
訪問頻度が減れば、そのことに腹を立ててクレームを叩き付けてくる取引先もいるでしょう。
実際、この業界には【クレーマー気質の悪意溢れる医療従事者】が大勢いますからね。
しかし、そういったクレーム対応さえも少ない人数で行っていく必要があります。
どう考えても、心身共にキツいこと間違いなしです!
これはあくまで、MSが減らされた場合の想定話ですが…
倉庫や事務の人員が減らされた場合であっても、事情は違えど残された社員たちには苦しい展開が待っています。
倉庫の人数が減れば、入庫・出庫・在庫点検といった業務に支障が出るでしょう。
事務の人数が減れば、電話受注・伝票作成・値引や値増の処理などが遅延しかねない。
つまり、現場の仕事が回らない(=各業務が滞る)という事態に陥ります。
…かと言って、残業して仕事をすることも許されない。
医薬品卸は社員に残業代を支払いたくないため、残業という行為自体が咎められるという風潮があります。
リストラしてコストカットするような会社なら尚更です!
確かに、リストラされて去っていく側は大変です。
しかし、残される側にもまた違った意味での苦しみがあるのです。
医薬品卸と製薬メーカーの関係悪化も影響していた?(2023年追記)
スズケンが大規模なリストラを行った件について、ここからは医薬品卸に対する製薬メーカーの意向から考察していきたいと思います。
ご存知の通り、医薬品卸とは製薬メーカーから薬を仕入れることで成り立っている業種です。
しかしながら、昨今は医薬品卸と製薬メーカーの関係悪化が目立っています。
特に、グラクソ・スミスクライン社(以下、GSK)が2023年4月から取引卸の大幅な削減を行った件については、各方面に衝撃を与えました。
そして何を隠そう、GSKから取引を切られた卸の中にスズケンも含まれているんですよね。
スズケングループのGSK製品に関する売上額は800億円以上と言われており、その影響のデカさたるや尋常じゃありません。
巷ではGSKの頭文字を取って“Gショック”などと呼ばれるくらいには、スズケンにとって不都合な展開となったワケです。
(※詳細については下記のリンク先をご覧ください!)
GSKがメディセオ&スズケン&地方卸との取引を打ち切る理由について考察する!
医薬品卸として、医薬品を卸せない。
それは即ち、医薬品卸という業種を根底から揺るがすことに繋がります。
売上&利益への悪影響だけでなく、株価の下落だって起こり得る。
何から何まで、惨憺たる結果にしかならないワケです。
こういった観点から考えてみると、メーカー都合による“卸切り”が医薬品卸に与えるダメージはマジで計り知れません。
ある日を境に売上が何百億円も飛ぶとか、卸にとっては悪夢でしかないですからね…(汗)
ところで、このGSKによる“卸切り”について、スズケンは予測していたのでしょうか?
私が思うにですが、ある程度は予想していたのではないかと睨んでいます。
スズケンが600人規模のリストラを断行したのは2021年のことでした。
もしかしたら、その時点で“GSKとの取引停止により業績が悪化する”という見通しを立てていたと思うのは、私の考え過ぎでしょうか?
遠くない未来において、GSKの製品を扱えなくなる可能性がある。
そうなれば当然、会社としての業績も悪化する。
だったら、まだ会社として余裕があるうちにリストラを行ってしまった方が良い。
むしろ、組織再編のために大鉈を振るうべきタイミングは今しかない。
スズケンの経営陣はそのように考えた末に、600人規模のリストラを決行したのではないでしょうか?
GSKとの関係悪化をも見越してリストラという選択をしたのであれば、ある意味それは先見の明があったとも言えそうです。
最後に:医薬品卸のリストラは今後も続くだろう…
メディセオグループに続いて、今度はスズケングループによるリストラの断行。
しかも、リストラされる人数は業界随一の600人超。
医薬品卸の経営状態は各社ともに悪化の一途を辿っていますが、その事実が改めて浮き彫りになりました。
この様子では、同じ4大卸の中では大々的なリストラを行っていないアルフレッサや東邦も、もはや時間の問題という気がします。
“二度あることは三度ある”と言いますからね…
いずれリストラを行うのは確定路線。
あとは早いか遅いかというだけの話です。
いや、4大卸に限らず、地方の地場卸にとっても他人事ではないでしょう。
実際のところ【2021年3月期の決算内容】について、地場卸も4大卸に負けず劣らずといった感じでしたからね。
それにしても、医薬品卸も製薬会社に負けないくらい暗いニュースが増えていますよね…。
製薬会社の経営が苦しいことによって、医薬品卸の経営にも悪影響が及んでいるとも言えますが…
まさに負のスパイラルです。
何をどうやったところで、業界内で悪循環が起きている以上、個人の力では抗うことは出来ません。
せいぜいリストラに遭わないように仕事を頑張るか、いつでも転職できるように備えておくか、そのくらいの対策しか出来ない気がします。(汗)
会社というヤツは窮地に陥ったとき、そこで働く社員を助けてはくれません。
会社にとって、社員はあくまで“駒”でしかないのです…
つまり、切り捨てようと思えば、いつでも切り捨てれる存在なんですよね。
だからこそ、自分の身は自分で守るしかないのです。
いかなる場合であっても、自分の力で再就職先を探し、自分の力で収入を維持していくしかない。
ブログ内でこういったリストラ関係の記事を書く度に、そのことを強く実感します。(汗)
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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まさに残ったら地獄です。若いMSは見切り付けて辞めてますが、家庭持ちはなかなか踏み切れないようです。今はコロナ陽性で休んでいるMSいるんで地獄が絶え間ないのだけどみんな疲れて潰れるかもねと、なんか絶望感がただよってます!
医薬品卸1社で充分です さん
コメントありがとうございます!
「残ったら地獄」「絶望感」とはリアリティのある話ですね。(汗)
家庭を持っているMSほど、転職に関して腰が重くなってしまうのは理解できます。
もし仮に転職したとしても、新しい職場で上手くいく保証はないですし、収入が危うくなるリスクもありますからね。
残ったMSが大変な目に遭うのは間違いないですが、転職が必ずしも正しい人生選択であるとは限らないのが難しいところですね。