MRが行う新年の卸(MS)訪問について

MRとMSの関係

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

今回はMRが1月月初(1月4日~1月6日の3日間くらい)に行う卸訪問について記事にしてみました。

何となく昔から行われているこの慣習、果たして意味はあるのか?

現役MRかつ元MSの視点から分析してみました。

 

ぶっちゃけ、意味がない慣習だと思う


MRもMSも経験した身としては意味がないと感じています。

むしろ、悪習だと思うことすらあります。

月初は卸側も忙しいのです。

特に、1月の月初は群を抜いて忙しいです。

まず、MSは配達やら請求書の作成やらの業務に追われてます。

その他、所長クラス以上の管理職も会議やら内勤やらで忙しい。

そんな中でMRが卸訪問をしても、MSはMRの相手をする余裕がありません。

私もMS時代は、

何でこんなに忙しいときに来るんだよ…

と、内心思っていました。

確かに新年の挨拶は大切だと思います。

MRがMSの信頼関係を維持するために卸訪問する心理も理解できます。

それでも、1月の月初からそれをされると、MSとしては対応に困るものです。

一方、MRとしても、1月の月初は忙しいものです。

特に12月決算の会社は事務処理的な仕事がたくさんありますから、卸訪問をすること自体が大変なわけです。

しかも、卸にも複数の会社があります。

そして、製薬会社のオフィスと、卸のオフィスが近いとは限りません。

移動による時間や労力を考えると、生産性のある仕事だとはどうしても思えません。

少なくとも、新年の一発目にやるべき仕事ではありません。

余談ですが、私の後輩MR(20代後半)も新年早々、卸行脚をしてヘトヘトになっていました。

後輩曰く、

この仕事(卸への挨拶回り)は意味がない!!

と、ハッキリ言っていました。

 

私の上司が卸訪問しても30秒しか話せなかった


新年早々、MRの上司MSの上司に挨拶しに行くのが通例です

しかし、先ほど書いたようにMSの上司、具体的には所長や部長といった管理職クラスの人間はとても忙しい状況なわけです。

そんな中で挨拶に行っても、十分な会話が出来るはずがない。

しかも、製薬会社もたくさんあるわけです。

よって、1月の月初には卸のオフィスにて長蛇の列が出来ます

例えば、卸の部長に挨拶するためだけに、製薬会社の所長クラスの人間が列に並ぶのです。

そんな風にして列に並んでも、一言二言の挨拶だけで会話が終わってしまう。

実際、私の上司も卸への挨拶訪問から帰ってきた後、

メチャクチャ混んでいて30秒しか会話できなかった…。

と言っていました。

数十分かけて卸のオフィスに出向き、長蛇の列に並び、30秒の挨拶だけして帰ってくる。

こんな非生産的な仕事は中々ありませんよね。

まさに、医薬品業界の悪習です。

 

なぜ新年の卸訪問は無くならないのか?


これは、医薬品卸側に問題があります。

具体的なことを言うと、卸にいる面倒くさい管理職が元凶です。

「製薬会社のA社は、新年早々、俺のところに挨拶に来たな。よし、感心感心!」

「製薬会社のB社は、俺のところに挨拶に来る気配がない。けしからん!」

ご覧にように、挨拶に来る・来ないで機嫌が悪くなる卸の管理職が少なからず存在します。

そして、挨拶の来なかった製薬会社を露骨に冷遇するのです。

具体的には、何かの折に挨拶に来なかったことをネチネチと詰るなど、子供じみた嫌がらせをするのです。

そして、そのような上司を見ているからなのか、同じようにネチネチとMRを詰るMSもいます。

上司の傲慢さが部下に伝染する、というヤツです

管理職、MS共に、50代以上の人間はこのような傾向があります。

卸において、全ての50代社員がこのようなことをしているわけではないのですが、変に頭が固い人、凝り固まっている人は年配の人ほど多いです。

こういった厄介な人間がいるので、製薬会社側は気を遣って卸訪問をするというわけです。

 

私自身は1月9日に今年初めて卸訪問した


私は普段、卸訪問をしていません。

卸への訪問頻度については、多くても月1回程度です。

理由としては、まず、私は広域担当MRであることから各卸のオフィスに逐一出向くこと自体が大変であること。

加えて、オーファンやオンコロジー領域を担当している関係上、MSとの接点が少ないからです。

それ以外にも、私はMS時代に特に用事もなく顔を出すだけのMRについて疑問を感じていました。

よって、私は「用事があるときだけ卸(MS)を訪問する」スタイルで仕事をしています。

(※なお、普段お世話になっているMSには全員、電話またはメールで新年の挨拶を行いました。)

さて、1月9日は以前から攻めていた病院で自社品の採用が決まりそうだったので、その件について薬審や納入スケジュールについて担当MSと打ち合わせするために卸を訪問しました。

採用に至る経緯については、下記の記事をご覧ください。

説明会の30分前に弁当追加を依頼された話

このとき打ち合わせのため訪問したMSは30代後半の大変優秀な方であり、私も薬審状況などについては、そのMSから情報を入手しています。

つまり、新年の挨拶も兼ねて、今後の自社品採用スケジュールについて確認したわけです。

そのとき、卸の所長とも顔を合わせる機会があり、一応挨拶だけはしておきました。

「一応」だなんて失礼じゃないか!

…と、思う方もいるでしょう。

まあ、気持ちは分かります。

しかし、自社品の採用案件がなければ、私はその卸オフィスを訪問すること自体無かったでしょう。

これまた個人的な考えですが、MRは本当に信頼できるMSだけを掴まえておけば十分です。

それで十分、仕事を回すことができます。

 

まとめ


年始の卸訪問は非生産的な仕事である。

卸の管理職やMSには頭が固い変な人がいる。

MRは信頼できるMSだけを掴まえておけば十分である。

いかがでしたでしょうか?

今回はちょっと棘のある書き方になってしまいましたが、MR、MS共に多かれ少なかれ共感して頂ける部分があるのではないでしょうか。

挨拶自体は悪いことではありませんが、時と場合によるということです。

この奇妙な慣習、今後は廃れていくことを祈ります。

おわり


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