こんにちは、元MSのヒサシです。
皆さんはどのようにお盆期間を過ごす予定でしょうか?
この記事を書いているのは2019年の夏ですが、全国のMRは8月10日(土)~8月19日(日)まで、9連休だという人も多いのではないでしょうか。
かくいう私自身も、その中の1人です。
そんな傍らで、医薬品卸のMSは今日もどこかで“休日当番”を頑張っています。
医薬品卸の使命として、薬の物流を滞らせることは許されませんからね。
医薬品卸がなくなると困る人間は大勢いるぞ!業界内における卸の必要性を再考する!
これは社会的意義がある仕事である反面、現場の人間は疲弊しているのも事実です。
ましてや、お盆期間は事務員・配送職・倉庫係も休んでいることが多いです。
ですから、もし病院などから医薬品の緊急配送依頼が来た場合、休日当番のMSが対応せざるを得ないのです。
特に、ここ最近の夏は猛暑日が続いていますから、休日当番のMSは大変です。
今回はその辺りの事情について元MSの視点から記事を書いてみました。
MSが長期間休むのは難しい
このブログ内では『MRとMSとの違い』という観点から、幾つも記事を書いてきました。
その中には『休み』というものに焦点を当てた記事も含まれています。
GWの時期になるとMS時代に休日当番で苦しんでいたことを思い出す
MRは休めるけど、MSは休めない。
その代表的なタイミングとしては下記の3点です。
・GW
・お盆
旅行に行ったり、家族と過ごしたり、家でゴロゴロしたり、長期休暇の過ごし方は様々です。
しかし、MSは長期間休むという行為そのものが難しい職業でもあります。
なぜなら、曜日や時間帯を問わず、医療機関から薬の注文が入るからです。
とはいえ、長期休暇シーズンは医療機関も休んでいる先が多いです。
ですから“注文が来る”と言っても、その頻度は1日平均2~3件ほどです。
何だよ、大したことないじゃん!
…と思っている方は、この機会に認識を改めてください!
1日平均2~3件の注文だからこそ、医薬品卸の事務員・配送職・倉庫係はここぞとばかりに休みます。
MS以外の人間にとっては、それが当たり前なのです。
『休日当番はMS仕事だ!』
『注文量も大したことないから自分たちは出勤する必要なし!』
…と思っているのです。
ただし、これは社員個人の考えではなく、会社の方針です。
『休日当番のMSが1人で回せるレベルの仕事でしょ?』
『わざわざ事務員・配送職・倉庫係を出勤させる必要はないよね?』
こんなことを会社は考えているのです。
その結果、休日当番のMSに全ての仕事が回ってきます。
注文の電話を取り、在庫を確認し、出庫作業を行い、伝票を作成し、車に運転して医療機関まで行き、薬を納品する。
1つ1つは簡単ですが、MS単独で行うと結構時間がかかるものです。
こういった業務があるからこそ、MSは長期休暇を取りにくいのです。
すごく悪い方をすると、社内の“貧乏クジ”を引かされているとの見方もできます!
医療機関からの注文は突然やってくる
MSが行う休日当番とは、一言でまとめると“イレギュラー対応”です。
医療機関からの注文はいつ来るか分かりません。
そのため、MSが自分のペースで仕事を組み立てることは不可能です。
医療機関だって患者ありきで働いていますから、患者の容体が急変すれば、それ相応の対応が必要になります。
医療機関目線で考えると、もし薬の在庫が底を尽いてしまったら、医薬品卸に頼んで新しい薬を届けてもらうしかありません。
ですから、医療機関からのイレギュラー注文は仕方がないことなのです。
そのため、休日当番のMSは来るかどうかも分からない注文に備えて、常にスタンバイしておく必要があります。
ハッキリ言って、これは精神衛生的にも良いものではありません。
だから休日当番の仕事は厄介なのです。
もし仮に注文が入らなくても、拘束されている時間が長いことに変わりはない!
お盆期間の暑さがMSの心身を蝕む
毎日感じていることですが、今年の暑さは半端ではありません。
(※…と言うか、毎年少しずつ暑さが増している気がする。)
去年も暑かったですが、今年はさらに暑い気がします。
このような猛暑日の中、休日当番を喜んで引き受けるMSが何人いるでしょうか?
私自身、MS時代に休日当番を何度も行った経験があります。
お盆だけでなく、年末年始、GWにも休日当番をやりました。
でも、本当は休日当番なんて嫌でした。
心の底から、嫌で嫌で仕方なかったです。
ましてや、お盆期間は暑いので、特に休日当番をやりたくない時期でもありました。
…が、医薬品卸のような縦社会においては、若手からの意見なんて黙殺されるのが常です。
そんなこんなで、私は渋々ながらも毎年のようにお盆の休日当番を頑張っていました。
若手MSはお盆の当番出勤が当たり前!?医薬品卸に存在する縦社会の実態を語る!
暑いし、帰省もできないし、友人知人との予定も合わない。
それでも休日当番の度に『医療機関(顧客)のため、患者のため、会社のため』などと自分に言い聞かせていた時期もあります。
しかし、それも長くは続きませんでした。
社会的な使命感だけで休日当番をこなせるほど、私は立派な人間ではなかったのです。
特にお盆期間は暑さで身体が弱っているせいで、気分や思考もネガティブになりがちだった気がします。
そしてMSとして5年目の夏に出した結論が『もうMSは辞めよう…』というものでした。
元MSの本音!医薬品卸のMSを辞めたいと思った理由について語る!
MSの仕事そのものを辞めようと思わせるほど、お盆期間の休日当番はハードです。
余談ですが、今でも交流がある現役MSに話を聞くと『お盆期間の休日当番はやっぱり面倒だ』と言う人間が多いです。
”辞めたい”というレベルではないが、“出勤したくない”と思うくらいには億劫なようです。
普段は活き活きと働いているMSでも、これだけ暑い日に休日当番をやるのは遠慮したいようですね。
まとめ:お盆期間にMSを辞めたくなっても不思議ではない
1年で何度かある長期休暇シーズンの中でも、MSにとって特にキツいのがお盆期間中の休日当番です。
周りの人間が休んでいる中で、自分は帰省することもままならない。
そして、医療機関からは容赦のないイレギュラー注文が入る。
皆さんはこのような労働環境についてどう思いますか?
これが1年や2年くらいなら、まだ何とか耐えられるかも知れません。
しかし、こういった行為を10年や20年も繰り返すとなるとどうでしょうか?
そのような長期間、お盆に帰省できず、実家の家族と会う機会が減る。
少なくとも、私には無理ですし、到底耐えられません。
そう思ったからこそ、MSを辞めました。
休日当番というハードワークに勤しむMSには頭が下がるし、尊敬もしています。
その一方で、休日当番が嫌という理由でMSを辞める人の気持ちも理解できます。
私自身がMSとして働くことに挫折した人間だから余計に思うのかもしれませんが、やっぱりMSの仕事ってキツいじゃないですか。
…というワケで、もし本当にMSとして働くのが嫌だったら、MSを辞める選択をするのも全然アリだと思います。
医薬品卸のMS(営業職)はどのような転職をしている?元MSが実体験を語ります!
MS時代に活用していた転職サービス5選!各々のメリット・デメリットも一緒に解説します!
MSを辞めることが、人生において100%正しい選択とは限りません。
しかし、MSとして文句を言いながら惰性で働くのも考えものです。
人生は一度きりですし、失った時間はどう足掻いても取り戻せません。
何が正解かはともかく、後々振り返ったときに後悔だけはしたくないものですね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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