こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
先日、4大卸の2020年上期(4月~9月)の記事についてアップしました。
大手医薬品卸4社の営業利益率がヤバい!コロナ禍・仕切価上昇・価格競争の影響が深刻すぎる!
今でこそ決算書の内容について一通り読めるようになっている私ですが、最初から決算書に載っているキーワード1つ1つを理解していたわけではありません。
恥ずかしい話ですが、私がまだMSとして医薬品卸に勤めていた頃、 実は決算書の読み方がまるで分かりませんでした。
特に、25歳くらいまでの時期は売上総利益・営業利益・経常利益の違いすらよく分かっていないような状態でした。
ついでに言うと、損益計算書と貸借対照表の違いも分かりませんでした。
今思えば、どんな社会人だよって感じですね。(汗)
ちなみに、私自身は決算書の読み方について会社の研修で教えてもらった記憶は全くありませんし、先輩MSや上司から指導らしい指導を受けたこともありません。
むしろ、先輩MSから『決算書を読む暇があったらMSとしての仕事に励め!』と言われたことすらあります。(汗)
でも、20代後半くらいからは『ウチの会社の経営状態って実際どうなの?』と思うことが増えまして、自分で本を買って勉強するようになりました。
ちょうど医薬品卸の将来性について疑問を持つようになった時期であり、転職も視野に入れて自分自身の身の振り方を考えるようになったからです。
そして今、決算書を読めるようになって良かったと心底思っています。
そこで、この記事では私が決算書について勉強したときの書籍を紹介したいと思います。
5分くらいでサクッと読める内容なので、興味がある人はご一読ください!
MSが決算書を読めるようになった方が良い理由
この記事を読んでいる人は現役のMSさんが多いと思います。
さて、MSは取引先と日頃から価格交渉を行っている職種ですから、当然ながら医薬品の販売金額に対して利益計算を行うのも仕事のうちです。
その一方で、自社や取引先の経営状態には無頓着なMSが案外多いような気もします。
少なくとも、私がMS時代に所属していた営業所ではそういった傾向があったように思います。
このようなことを公言している先輩MSもいました。
(※もちろん、全ての先輩MSが決算関係に無頓着なわけではありませんでしたけどね。)
確かにMSは忙しいです。
決算書なんかを読む暇があったら、別のことをしたいと考えるの無理ないです。
MSとして日々の業務で精一杯で、自社・取引先の経営状態を把握するほどの余裕なんてないよ!
…という声が聞こえてきそうですね。(汗)
実際、私もMSだった頃はそうでした。
先輩MSのように、自社や取引先の決算書なんて目もくれず、ひたすら目の前の業務をこなしていました。
ただ、そんな馬鹿なMSだった私だからこそ、若い世代のMSに伝えたいことがあります。
自社や取引先の経営状態を把握するためにも、決算書は読めるようになっておいた方が絶対に良いです。
それはなぜか?
決算書を読むことで、その会社の状況が分かるからです。
こういったことを決算書から読み取ることが出来ます。
逆に、自社や取引先の経営状態が分からないと大変危険です。
取引先はともかくとして、最低でも自社の経営状態くらいは知っておいた方が良いです。
もし仮に自社の経営状態がヤバかったとして、それをアナタに教えてくれる人がどのくらいいるでしょうか?
あるいは、自分たちの会社が傾いていることについて、社内で口にすること自体がタブー的な雰囲気があったらどうしますか?
会社とは、自社の経営状態を社員1人1人に丁寧に教えてくれたりはしません。
もし教えてくれたとしても、それは希望的観測を多分に含んでいたり、真実を曲解しているような情報かも知れませんよ?
結局のところ、自分の会社の状態は、自分の目で見極めるのが一番です。
上司・先輩・同僚による主観混じりの情報よりも、決算書に載っている数字こそが最も信頼できるってもんです。
薄利多売、業績低迷、人員削減。
色々なマイナスワードが社内で囁かれてたときも、そんな抽象的な言葉ではなく、私は決算書に基づいた数字で会社を判断することを心掛けてきました。
他には、取引先の財務状態を知る際にも決算書関係の知識が役立ちます。
例えばチェーン調剤を担当していたとして、その会社の財務状態などを考えたりしたことはあるでしょうか?
実は取引先のチェーン調剤などが経営赤字で、今後の取引に差し支えてくる…なんて可能性もあるかも知れません。
それに、こういった決算書に関する知識は転職の際にも役立ちます。
MSから取引先(病院・調剤薬局)などに転職する人もいますが、そういった場合でも転職先の経営状態を把握するのに越したことはないです。
転職を抜きにしても、やはり決算書を読めるようになっておいて損はないと思います。
とはいえ、決算書を読めるようにと言っても、何から勉強したら良いか分からない。
そのように感じているMSさんも多いことでしょう。
…というワケで前置きが長くなってしまいましたが、私が自信を持ってお勧めしたい書籍を2冊紹介していきます!
中古ならAmazonでワンコインほどで買えるので、お財布的にも結構お勧めですよ!
1.これなら読める!決算書【前代未聞のわかりやすさ。】
本のタイトルにもある通り、前代未聞レベルで分かりやすい内容に仕上がっています。
この本は専門用語をほとんど使わず、とにかくかみ砕いた表現で書かれています。
(※著者曰く、会計などの予備知識なしの人に興味を持って読んでもらうことを心掛けて執筆したそうです。)
決算書にはどういった種類があるのか?
資産・負債・純資産とでは何が違うのか?
利益にはどういった種類があるのか?
こういった内容が超分かりやすく記載されています。
例えば、先日アップした4大卸の2020年上期(4月~9月)の記事では営業利益のことを色々と書きましたが、その営業利益についても分かりやすく載っています。
営業利益とは、
【売上高】-【売上原価】-【販売費及び一般管理費(販管費)】
…という計算式で求めることが出来ます。
では、販管費の主な内訳とは何ぞや?
…といったことまで、とにかく決算関係の初心者向けの内容です。
さらに特筆すべきは、本の後半部分に小売業・製品業・建設業などの決算書について解説文が載っている点です。
その中でも、JAL(日本航空株式会社)については経営破綻~再生までの流れについて、実際の決算書10年分という実例を用いて、会社の経営状態の変化について解説されています。
(※私もこの本を読んで初めてJALが経営破綻した流れを知りました。)
まとめますと、決算関係のことが全く分からない人にとって間違いなく役立つ入門書です。
私自身、今でも決算関係の知識が曖昧になったときは、この本を読み直して知識を補強しています。
2.これだけは知っておきたい『ビジネス数字』の常識
こちらの本は決算書そのものよりも『コスト』や『収益力』に焦点を当てている本です。
本の表紙だけを見るとお堅い印象を受けるかも知れませんが、内容自体はかなりかみ砕いて書かれています。
そもそも、コストとは何か?
アウトソーシング(外注)のメリット&デメリットは?
変動費と固定費とでは何が違うか?
損益分岐点(どのくらい売れば利益が出るのかという境目)はどのように算出されるのか?
こんな具合に、MSとして知っておいて損はない知識が網羅されています。
その他にも、医薬品卸において重要な『在庫』という存在の危険性について述べられている点も見逃せません。
在庫とコストは切っても切れない関係であり、また、在庫は決算書の中では『資産』として扱われます。
在庫を多く抱えることで滞留在庫が増え、会社の資金が寝てしまい、その結果として不良在庫(売れる見込みがない在庫)になります。
正味のところ、私が新人MSだった頃は『いつでも薬の注文に対応できるように沢山在庫しておけば良いじゃん!』などと浅はかなことを考えていました。
しかし、この本を読んでからは営業所が、ひいては会社が『なるべく在庫を置きたくない』と考える理由がよく分かりました。
他には、医薬品卸が社内にて在庫量のチェックを行う『たな卸』についても、なぜそういった行為が決算前に必要なのかが理解できました。
まあ、この辺りの流れは中堅以上のMSであれば周知の内容ですが、当時新人MSだった私には会社目線での考え方が身に付いていなかったため、この本の内容は大変勉強になりました。
医薬品卸の仕組みそのものを理解するために、自信を持ってお勧めしたい1冊です!
最後に:決算書を読んで自分の未来を予測しよう!
ここまで色々と書いてきましたが、
なぜMSは決算書を読めた方が良いのか?
…ということについて、改めて整理しておきましょう。
決算書を読むことによって、その会社の状況を把握することが出来ます。
もし自社の経営状態が順調であれば、少なくとも急なリストラが起こる可能性は低いですし、しばらくの間は安定した雇用が期待できます。
逆に、もし自社の経営状態が不調であれば、近いうちにリストラの憂き目に遭う可能性もあります。
あるいは、従業員の給料を減らすことを何の前触れもなく発表するかもしれません。
自分が働いている会社に対して愛社精神を持ち、身を粉にして働くのは素晴らしいことだと思います。
しかし、どんなに優良な会社であろうと、未来永劫、この先も安泰だなんてことは100%あり得ません。
大手企業から内定が出ても安心してはダメです!安泰な会社なんて存在しません!
もし会社が窮地に陥ったとき、会社はあなたの身を守ってはくれません。
上司・先輩・同僚も、あなたの身を守ってはくれません。
よって、自分の身は自分で守るしかないのです。
だからこそ、決算書を読むための知識が必要なのです。
自社で長く働くにせよ、他社に転職するにせよ、決算書を読むことでリストラや給料ダウンの予兆を察知できますから、結局のところ自分の身を守ることに繋がります。
ましてや、今の医薬品卸は営業利益が大幅にダウンしており、まさに悪い意味で過渡期に差し掛かっています。
このまま、自社に残るか?
それとも、他社に移るか?
その判断材料の1つとして、決算書を読むことは大変重要なのです。
かつて20代だった頃の私がそうだったように、若い世代のMSさんには決算書を読むことで、自分にとって最適な人生選択をしてほしいと思っています。
人生は一度きりですので、MSを続けるにせよ、辞めるにせよ、どうか後悔しない選択をしてください!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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