・今すぐMSを辞めて楽になりたい…
・MSを辞めてしばらく休んでから転職活動したい…
・でも、それって現実的なやり方なのかな?
こんにちは、元MSのヒサシです。
先日、『MSとして働きながら行う転職活動は大変である!』というテーマで記事をアップしました。
MSとして働きながら行う転職活動が大変な理由5選!元MSの実体験を語る!
この記事を読んでくれた読者さん(特に現役MS)は、もしかするとこんな風に思ったのではないでしょうか?
MSとして働きながらの転職活動が大変なら、MSを辞めてから転職活動を始めれば良いのでは?
なるほど。
確かにそれは一理ある意見です。
…と言うか、私自身がMS時代に転職活動している時にそう思ったことがあります!
ですが、私個人としては退職してから転職活動を始めるやり方には反対です。
いや、反対どころか『絶対にやるべきではない!』と断言します。
なぜかと言うと、次の職場が決まっていない状態で退職すると、その後の転職活動で不利になるからです。
転職先を決めずに退職するということは、一時的にとはいえ『無職』になるということです。
この『無職』という2文字は、転職活動おいて大きな障害となります。
もし履歴書や職務経歴書に『現在は無職の状態である』という旨が書いてある場合、採用する側はとても厳しい目で見てきます。
加えて、収入が途絶えた状態で行う転職活動は、経済的にも精神的にも過酷を極めます。
ハッキリ言って、大変さで言えばMSとして働きながら行う転職活動の比ではありません!
これはMSに限ったことではないのですが…
現職を辞めた後で転職活動を始めた場合、求職者は何かと不利益を被りがちです。
その理由について、今から詳しくお伝えしていこうと思います。
MSを辞めてからの転職活動は上手くいかない理由3選
どうしてMSを辞めてから(=無職になってから)の転職活動がダメなのか?
その最大の理由とは、採用する側から『この転職希望者は問題のある人物なのでは?』と疑われるからです。
これは私が今までMS・MRとして生きてきた中で、中途入社の採用経験のある人たち(上司・人事・転職エージェントなど)が断言したことなので100%間違いないです。
採用する側にとって、転職希望者は未知の人物です。
未知の人物だけに、自社にとって善玉なのか、悪玉なのかを判定しないといけない。
そのため、あの手この手で転職希望者のことを疑い、少しでも怪しいと感じた人から次々と篩にかけていきます。
変な人間が入社したら後処理が大変ですからね…
転職活動の際、何かと“疑われる”のはマイナスにしかなりません。
もっと具体的に言うと、『疑われる』=『落選する可能性がアップ』するということです。
このとき、直近の状態が無職だと、必要以上に疑われる(=マイナス評価される)可能性が極めて大です。
転職を希望する側にとっては不本意なことですが、これが転職市場の現実です。
他には、無職期間中は“焦りの感情”が湧きやすいというのも大きな問題です。
もし失業給付金に頼るとしても、収入が途絶えた状態では生活していくにも限界がありますからね。
それでは、これら1つ1つについて掘り下げていきます。
1.心身が健康ではないと疑われる
繰り返しになりますが、採用する側にとって転職希望者は未知の人物です。
未知だからこそ、採用時には警戒する必要がある。
とりわけ、直近で無職の期間があるとしたら、その裏には何か後ろ暗い事情があるのではないか?
もしかしたら、何らかの病気や怪我で働けなくなっていた可能性があるのではないか?
採用担当者としては、そんなことを考えながら書類選考や面接を行っているそうです。
ある意味では“疑うことが仕事”なんですかね…
ちなみにですが、私が新人MRだった頃に世話になった上司なんかは、中途入社の採用についてこんなことを言っていました。
なるほど確かに、採用する側としては理に適っているように思えます。
実際、履歴書・職務経歴書などに『自分はうつ病のため退職して現在は無職です』などと馬鹿正直に書く人は稀でしょうし。
健康面について書類の上ではいくらでも誤魔化せますからね…
だからこそ、採用する側は『無職』=『うつ病を患っている可能性がある』という可能性を念頭に置きつつ審査するということですね。
転職希望者にとっては酷な話ですが、このように判断する採用担当者もいるということです。
2.不祥事を起こして退職したと疑われる
何らかの事情により、転職活動をする間もなく退職へと追い込まれた。
その結果として、現在は無職に甘んじている人間もいる。
数としては少数ですが、そういった人たちも転職市場には存在するそうです。
何らかの事情とは、具体的に言うと不祥事ですね。
例えば、犯罪行為をやらかして懲戒解雇になったとか。
…ということで、これも新人MR時代にお世話になった上司曰くですが、こんなことを漏らしていたことがあります。
個人的には、無職期間と犯罪歴を結び付けて考えるのは、少しばかり論理が飛躍しているとも思うのですが…
採用する側としては、こういった可能性も頭の隅で考えているということなのでしょうね。
無職という2文字の言葉から、そこに何らかの疚しい事情が隠されていないかを推し測る。
こういった事情があるからこそ、企業側はリファレンスチェックを行っているという側面もありそうです。
転職するならリファレンスチェックに要注意!内定取り消しもあり得る!?
応募者の中には、もしかしたら犯罪歴がある人物が紛れ込んでいるかもしれない。
その可能性が0%ではない以上、無職期間がある人物のことは疑うくらいが丁度良い。
採用担当者にとっては、こういった視点で物事を考えることも必要なのかもしれません。
3.すぐに転職先が決まらないと経済的・精神的にキツい
これは採用する側ではなく、転職希望者側の事情ですね。
もし現在の仕事がイヤだからという理由で辞めるとしたら、それは法律的には『自己都合退職』に分類されます。
この自己都合退職の場合、失業給付金に関してはハンデを負うことになります。
要点だけまとめると、自己都合退職だと『失業給付金をもらえる日数が短く、しかも給付が始まるまでの期間も長い』ということです。
当然、仕事を辞めていることから収入も途絶えています。
つまり、経済的には決して恵まれているとは言えない状態です。
こういった場合、転職活動が上手くいかないと“焦りの感情”が湧きやすくなります。
好待遇の転職先がすぐに決まれば御の字ですが、そう簡単にはいかないのが転職活動です。
転職活動が長期化すれば、その分だけ生活も苦しくなっていきます。
そうなれば当然、多くの人は徐々にですが焦るのではないでしょうか?
その“焦り”こそが、転職希望者の冷静さを奪い、妥協的な転職を促してしまうと言われています。
こういった状態だと、どうしても仕事選びについて妥協的になること間違いナシです。
もっと端的に言うと、内定をゲットすること自体が“目的化”してしまうんですよね。
これは言い換えると、転職の質が下がるとの見方もできます。
冷静さや平常心を欠いている状態ですから、まあ無理もない話です…
入社後の仕事内容や待遇は二の次、あるいは三の次。
目の前にある少ないチャンスに縋り、とにかく現在の苦境から脱することしか考えられなくなってしまう。
転職活動をじっくり行い、自分が納得できる仕事を探すなんてことは夢のまた夢。
もしそんな状況で内定が出ようものなら、労働条件などを度外視して入社することを即決する。
その結果、新しく入社した会社で『自分が望んでいた仕事と違う…』という現実に直面し、またすぐに辞めたくなるという悪循環に陥るのです。
これではジョブホッパーの入口に立っているようなものです!
ただ、たとえ仕事内容や待遇面がイマイチでも、次に働ける会社が短期間で決まるのならまだマシです。
一番最悪なのは、転職先が半年あるいは1年以上も決まらないことです。
これは即ち、無職あるいはフリーターのような状態で長期間過ごし続けるということです。
経済的な苦しさは言わずもがなですが、家族からのプレッシャーも並大抵ではないでしょう。
計画性もなく前職を辞めたことに対する“自責の念”もヤバいことになりそうです。
余程の貯蓄がある場合は別として、状況次第では精神的に病むところまで追い込まれる可能性すらあります。
当然、そこまでメンタルが弱っている状態では、転職活動に全力投球できるはずもありません。
その結果、ますます内定が獲れずに、延々ともがき苦しむことになる。
こういった悪循環にハマらないように、私は転職エージェントから『無職となった状態で転職活動を行うべきではない』幾度となくアドバイスされました。
世間は“無職の人間”に冷たい!
先述したように、転職においては無職というだけで不利益を被る場面が多々あります。
心身の不調。
不祥事の有無。
こういったことについて疑われるのは、転職希望者にとって心外なことです。
でも残念ながら、世間や社会は『無職の人間』に対しては厳しいものです。
全く、世知辛い話です…
心身共に健康体。
不祥事とは縁がない立派な経歴。
社会人としての実力や意欲も申し分ない。
こういった人材価値が高そうな人物であっても、『無職』という要素が付加されるだけで、痛くもない腹を探られることは往々にしてあるのです。
無職であることがマイナスに働くことはあっても、プラスに働くことはない。
それは中途採用の選考を受けるときも然り。
家族を含む周囲からの視線についても然り。
悲しいことですが、これが転職に関する現実です。
私自身は無職となった経験はありませんが、親戚や友人知人などの中で無職として過ごしている人たちを見てきた限りでは、やはり色々な意味で辛そうでした。
きっと彼らも様々なプレッシャーと戦っていたのだと思う…
詰まるところ、無職であることが転職希望者に与える経済的・精神的ダメージは大きいです。
とんでもなく強いメンタルの持ち主でない限り、おそらく無職であることの重さに耐えきれない人の方が多数派ではないでしょうか。
MS(営業)以外の部署に異動してから転職活動するのもアリだぞ!
無職となることの恐ろしさについて、少しでも伝わりましたでしょうか?
では、一旦ここで話をMSの目線へと戻そうと思います。
ここまで読み進めてくれた読者さんが現役MSであれば、おそらくこう思っているのではないでしょうか?
無職はイヤだけど、MSとして働くのもイヤなんだ!
わかります。
その気持ちは超絶わかります。
私もMSとして働くことがイヤになって転職した人間だからこそ、その心情は理解できます。
では、現実問題としてどうすれば良いのか?
…ということについて深堀していこうと思います。
これについて私の中では結論が出ていまして、ずばり『MS(営業)以外の部署に異動してから転職活動に励む!』の一択だと思っています。
他の部署とは、例えばですが倉庫とか配送ですね。
要するにMSから降りつつも、無職(=履歴書における空白期間)だけは回避するということです。
もちろん、倉庫や配送に異動したいと申し出たところで、その希望が即日通るワケではありません。
…とはいえ、MSであることから離れて転職活動を円滑に行うという視点で考えてみると、現実的なやり方としては妥当なところではないでしょうか?
特に倉庫勤務であれば、転職活動のための時間も確保しやすいはずです。
倉庫なら定時で帰ることも出来ますからね!
ただ、医薬品卸で働いている人たちなら知っての通り、MSから降りた(降ろされた)人間は社内で肩身の狭い思いをする可能性もあります。
医薬品卸の倉庫は『MSの墓場』である…という意見について検証してみた。
MS(営業)としての仕事に疲れて倉庫へと異動したがる人間は意外と多い!?
場合によっては、上司や同僚MSから後ろ指を指されることもあるでしょう。
ですが、周囲の人たちが何を言ってきたとしても、そんな言葉に耳を貸す必要はありません。
大切なのは、自分自身の人生を豊かにすることです。
そして、転職とはそのための手段に過ぎません。
より良い人生のため、自らMSを降り、転職活動に励むことができる環境に異動するのもアリではないでしょうか?
まとめ:MSとして働くのが辛いのはわかる!でも無職の期間だけは作るな!
現在は無職ということは、きっと後ろ暗い事情があるに違いない。
採用担当者からこんな風に認識されてしまった場合、その選考では高確率で落選します。
“疑わしきは関与せず”ということですね…
転職活動において自己評価はアテになりません。
転職における人材価値とは、他者からの評価によって決まるものです。
いくら自分自身が公明正大な人物だとしても、採用する側がそのように判断してくれるとは限りません。
だからこそ、転職時にマイナスとなるであろう要素は極力排除しないといけない。
そういった意味では、退職後に無職となることは何としても回避する必要があります。
ここまで何度も述べてきた通り、無職であること自体が転職活動では足かせとなるからです。
それ程までに『無職』という2文字は転職活動において不利に働きます。
よって、MSに限った話ではありませんが、退職後に転職活動を始めることはお勧めできません。
少なくとも私個人としては、退職してから転職活動に本腰を入れることについて得策だとはどうしても思えません。
最悪の展開を避けるためには、やはり在職中に転職先を決めるのが吉です。
確かにMSとして働きながらの転職活動は大変です。
過去の私がそうだったように、自分の思うようにいかない現実に嫌気が差し、心身共に疲れてしまうこともあるでしょう。
MSとして働きながら行う転職活動が大変な理由5選!元MSの実体験を語る!
まずはMS(医薬品卸)を辞め、そこから十分に休み、リフレッシュした後で転職活動を始めたい。
ついついそんな思考になりがちなMSも多いかと思います。
わかります。
その気持ちはわかるんです。
ですが、それでもなお無職の期間だけは作るべきではないと私は思います。
現役MSで転職を考えている人は、どうか投げ遣りにならずに、転職先を決めてから退職に踏み切って欲しいです!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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