こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
MS時代に数々の施策(…という名の詰め込み販売)で苦しんだ私ですが、これまでブログ内でも色々な“詰め”について記事を書いてきました。
医薬品卸のMSを苦しめる『詰め込み販売』とは?元MSが業界内の悪習を暴露します!
1月は毎年『パタノール点眼液』の詰め込み販売で苦しんだ体験談
その中でも、今回は私がMSだった頃に最も大変だったと断言できる大正製薬の施策『鷲友会』について書かせていただきます。
(※私がMSだった頃は『大正富山医薬品』と呼ばれていましたが、後に『大正製薬』と改称されたため、この記事では現在の呼称である『大正製薬』と記載しています。)
現役MSであれば、知らない人はいないほど有名な鷲友会。
“鷲のマーク”でお馴染みのアレです。
かつて私も1人のMSとして、この鷲友会には大いに苦しめられました。
いや、苦しめられたというレベルを通り越して、過敏性腸症候群や不眠症の症状が出るなどして、当時は心身共に大ダメージを受けました。(汗)
この記事を書いているのは2021年の1月ですが、おそらく鷲友会のために現在進行形で苦しんでいるMSも多いことでしょう。
毎年1月~2月中旬の1ヶ月半にも渡って行われる鷲友会。
この超ヘビー級の施策によってどれほどのMSが疲弊し、そして鷲友会そのものに嫌気が差してしまったか見当も付きません。
まさにMSにとって『年初の風物詩』とも呼ぶべき施策なのです。
もちろん悪い意味で…だけどな!
ちなみに私はMSだった頃、営業所内で大正製薬のプロモーターをやっていました。
そのせいか、鷲友会については格別の思い入れがあります。(汗)
MSとして働いた約5年間を振り返ってみても、施策の難易度という意味では鷲友会が最もキツかった気がしてなりません。
毎年のようにMSを苦しめ、そして大正製薬のMRをも苦しませる鷲友会。
そんな鷲友会について、MS時代の体験談を語っていこうと思います。
大正製薬の『鷲友会』とは何なのか?
鷲友会について語っていく前に、MS未経験の人に向けて『鷲友会』について簡単にですが紹介します。
鷲友会とは大正製薬という製薬会社による販売促進施策の一種です。
平たく言うと『大正製薬の薬をたくさん売ってくれれば、医薬品卸さんにアローアンス(報酬)を支払いますよ!』…という企画ですね。
製薬会社が医薬品卸に支払う『アローアンス』とは?医薬品業界の真実をお伝えします!
この施策は毎年の1月~2月中旬に、医薬品卸各社に対して一斉に行われます。
広域卸だろうが、地場卸だろうが、医薬品卸の会社としての規模なんて一切関係ナシ。
その関係で、全国のMSたちが大正製薬の医薬品の詰め込み販売(通称:詰め)を行うことになるのです。
まあ、詰め自体はMSにとっていつものことです。
では、この鷲友会という施策の何がヤバいのか?
…ということについて、要点を下記の通りまとめてみました。
・尋常ではない軒数&金額の詰めを強要される
・未達成は絶対に許されない
・施策のデッドラインは2月中旬だが、早期達成を求められる
・詰めた薬剤が2月下旬くらいに返品されるとアウト
・鷲友会の終了後に行われる大正製薬+医薬品卸の会合にて、大正製薬の役員(偉い人)の前で、鷲友会の成績順に医薬品卸の社長の座席が決まる
いかがでしょうか?
普通の施策で行う詰めとは毛色が違うことについて、何となく伝わったでしょうか?
大正製薬と医薬品卸の偉い人たちが関わっている時点で、何かもうヤバい匂いが漂っていますよね。(汗)
つまり、鷲友会とは医薬品卸の面子を懸けた施策、いや、“死闘”なのです。
未達成が許されないとは、まさにそういう意味です。
その弊害により、営業所として鷲友会のノルマ未達成なんてことになったら、会社が総力を挙げてその営業所を吊し上げしてきます。
よって、医薬品卸の本社は現場に対して『何としても鷲友会を早期達成せよ!!』などとプレッシャーを掛けてきます。
特に、大正製薬のプロモーターに対するプレッシャーは異次元レベルです…
ちなみにですけど…
医薬品卸では『必ず達成するべき施策』のことを略して『必達施策』などと呼んだりします。
しかし、鷲友会はあらゆる施策の中でも特に重要度が高いです。
どのくらい重要かと言うと、必達という表現すら生温いくらいです。
そのせいか、私が働いていた医薬品卸では鷲友会のことを『絶対に達成しなければならない施策』…
これを略して『絶達の施策』なんて呼び方をしていました。(汗)
今思い返してみても奇妙な造語だったように思える…
色々と前置きが長くなってしましましたが、要するに鷲友会とは失敗が許されないプロジェクトだということです。
その影響もあり、私が働いていたエリアでは大正プロモーターによる鷲友会対策の会議までありましたからね。(汗)
毎年12月は『鷲友会』のために開催される大正製薬とのプロモーター会議が苦痛で仕方なかった体験談
上記のプロモーター会議を含めて、私にとっては鷲友会そのものが苦痛でしかありませんでした。
今でこそ、こういった軽いノリで鷲友会の記事を書いている私ですが…
大正プロモーターとして働いていたMS時代は、全然笑えないレベルのプレッシャーで苦しんでいました。
卸の成績順位が社長の座席に影響する!
先ほど、鷲友会では卸ごとの成績順によって、大正製薬+医薬品卸の会合における座席が変わると書きました。
これは医薬品業界の中でも、ちょっとした都市伝説というか、正直言って眉唾な部分もあります。
しかし、私自身が体験したMS時代の出来事や、大正MRからの話を聞く限り、あながち嘘というワケでもなさそうです。
例えばですが、4大卸であるアルフレッサ・メディセオ・スズケン・東邦の4社がいたとします。
その4社のうち、これまた例えばですが、鷲友会の成績が①スズケン・②東邦・③アルフレッサ・④メディセオの順だったとします。
こうなった場合、大正製薬の役員(偉い人)たちの前に、医薬品卸の社長たちが、①スズケン・②東邦・③アルフレッサ・④メディセオの順に並ばされる(座らされる)のです!
この場合は当然、スズケンの社長は鼻が高いでしょう。
その一方で、メディセオの社長にとっては屈辱以外の何物でもない。
つまり、鷲友会という施策の根底には、医薬品卸の社長の面子が懸かっているのです。
だからこそ、各医薬品卸は必死こいて鷲友会のノルマを達成させ、自社の社長に恥をかかせまいと奮闘するのです。
実際には自社の社長の面子なんて、正直どうでも良いと思っているMSが大半ですけどね!
しかし、MSとてサラリーマンです。
鷲友会に限らずですが、会社からの指示には従うしかありません。
よって、鷲友会のノルマを詰めろと言われたら、とにかく詰めるしかない。
だから辛いのです!!
MSは鷲友会からは絶対に逃げられない!
医薬品卸の社長の面子。
それに伴う医薬品卸の本社から現場(MS)への強いプレッシャー。
ご丁寧にこんな条件を揃えてくれたもんだから、もはやMSにとって逃げる術などありません。
そもそも鷲友会では、普通の販売額では100%達成不可能なレベルのノルマが降ってきます。
でも、鷲友会は『絶達』の施策です。
『達成できませんでした』などという言い訳は許されません。
よって、MSは大正製薬の薬について、いずれ返品になるのも辞さない覚悟で詰めるしかないです。
そうしなければMSのみならず、上司(所長や部長)までもが社内での吊し上げに遭いますからね。
返品前提でも良いから、とにかく詰める。
取引先に頭を下げてでも、ひたすら詰める。
まさに、『鷲友会』=『詰め込み販売』の典型です。
医薬品卸のMSを苦しめる『詰め込み販売』とは?元MSが業界内の悪習を暴露します!
鷲友会には医薬品業界の悪しき商習慣が凝縮されているような気がしてなりません。
そもそも、上司やプロモーターからの指示からして『薬を売ってこい!』とかではない。
『(詰めを)やってこい!』『(薬を取引先に)置いてこい!』…みたいな感じですからね。
繰り返しになりますが、鷲友会では販売額・販売軒数ともに尋常ではないノルマを課せられます。
そのため、最終的にはこんな感じの“力技の指示”が飛び交うのです。
とにかく、現場のMSにとっては苦行でしかない…!!
私はMS時代に大正プロモーターをやっていたのですが、こういった指示を各MSに出すのって凄くイヤでした。
ついでに言うと、プロモーターは営業所全体の進捗を管理したり、詰めた薬剤がすぐに返品されないように詰める施設のバランスを考慮したり、色々と面倒な仕事も多かったです。
第一、私自身が“詰め”をメチャクチャ嫌っていましたからね。
そんな忌むべき“詰め”という行為を先輩・後輩に強制することのストレスといったら、もうマジでヤバかったです。
こんな体たらくでしたから、私にとって1月~2月はただの地獄でした。(汗)
鷲友会では大正製薬のMRも辛い!
今までMS目線での辛さばかり語ってきましたが、その一方で大正MRも立場的に辛いものがあります。
大正MRにとっても、鷲友会は絶達です。
自分が担当しているエリアにて、もし鷲友会を未達成で終えるような卸が出てしまった場合、MRである彼らも上司からメチャクチャ怒られるらしいです。
そういった事情もあり、大正MRも色々な医薬品卸の営業所で朝礼を行い、卸の所長やMSに鷲友会を達成してくれるように頭を下げ、MSと同行したりして取引先への詰め依頼をするのです。
当然、MSの中には気難しい人間もいます。
もっと端的に言うと『イヤな奴』ですね。
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ですから、そんなイヤなMSにまで頭を下げる大正MRの心労たるや計り知れません。
私は大正プロモーターという立場上、大正MRと関わる機会が特に多かったのですが、鷲友会の期間中の大正MRはマジで大変そうでした。
いつもより口数が少なくなるMR。
愚痴ばかりをこぼすMR。
死んだ魚のような目をしているMR。
こんな具合に、本当に様々な大正MRがいました。
その中には『鷲友会なんて施策を行うウチの会社はおかしい!』とまで言い切る大正MRもいました。
今では私もMRをやっていますので、大正MRの気持ちがよく分かります。
鷲友会レベルの超ヘビー級施策ともなれば、現場のMRにとっても凄まじい重荷となるのです。
鷲友会で詰める薬剤の変遷
ここからは鷲友会で詰める薬剤について、私の体験談を交えてお伝えしていきます。
私がMSとして働いていた間に鷲友会を通じて詰めを経験した薬剤は、【クラリス】【エディロール】【ボンビバ】【ルセフィ】【ロコアテープ】の5種類です。
ちなみに、私がMSとして働いたのは5年ほどです。
その5年の間に、大正製薬では注力品目がクラリス⇒エディロール⇒ボンビバ⇒ルセフィ⇒ロコアテープと移り変わっていきました。
その関係で、鷲友会でノルマを課される薬剤も変わっていきました。
MSであればご存知の通り、どれもこれも一癖ある薬剤です。
クラリスは後発品に侵食されて先発品を詰めるどころではありませんでしたし、エディロール・ボンビバは中外製薬との住み分けによって詰められる施設が限られていましたし。
ルセフィは同じSGLT2阻害剤の競合品が多過ぎますし、ロコアテープは外用薬なので取引先目線だとスペースを食うとの理由で煙たがられますし。
どの薬剤も詰めのときに苦しみましたし、とにかくイヤな思い出がたくさんあります。(汗)
では、そんなイヤな思い出について、各々の薬剤ごとに語っていきます。
1.クラリス(マクロライド系抗生物質製剤)
私がMSになりたての頃、クラリス錠は既に後発品が出ていました。
その影響で、開業医や調剤薬局ではクラリスを詰めようとしても断られる始末。
しかも、当時のクラリスは1軒につき500錠も詰めることで、ようやく1軒分のノルマ達成としてカウントされる…という縛りがありました。
もう完全に無理ゲーって感じでした!!
もしクラリスを500錠も消化してくれるとしたら、1年近くかかるような取引先がゴロゴロありましたからね。
つまり、普通にクラリスを詰めるだけでは、どうやったって達成不可能な状況だったのです。
…というワケで、MSにとって伝家の宝刀である『返品前提の詰め』をやる他ありませんでした。
具体的には、1月の末日にクラリスを500錠分詰めて、鷲友会のほとぼりが冷める3月になったら一気に500錠分を返品処理する…という感じです。
まあ、返品は返品で時間&労力が必要となる仕事ですので、MSとしては極力やりたくない手段ではあります。
医薬品卸のMSが返品を嫌うのはなぜ?それは再販するのが大変だからです!
しかし、現場のMSにとっては鷲友会による『絶達』というプレッシャーに抗えるはずもない。
そのため、全国各地で多くのMSがこの諸刃の剣とも呼ぶべき手段を使いました。
取引先にイヤな顔をされながら…ね。
後ほど紹介するエディロールやボンビバにも同じことが言えるのですが…
鷲友会の時期は各方面の取引先に多大なるご迷惑をお掛けしました。
でも、MSも辛い立場なんです。
このクラリス錠を詰めるために、全国のMSたちが取引先にて何度頭を下げたのか見当も付きません。(汗)
2.エディロール(骨粗鬆症治療剤)
クラリスと同じく、エディロールも500錠の軒数を追われるのが当たり前でした。
しかし、クラリスと違って当時は後発品が出ていない薬剤でもありました。
ですから、クラリスほど詰めるのが大変だったワケではありません。
ただ、エディロールに関しては詰めそのものより、中外製薬との兼ね合いの方が大変だったように思います。
当時はエディロールのプロモーションついて、大正製薬と中外製薬とでターゲットの住み分けがされていました。
例えば、Aクリニックは大正製薬のターゲット、Bクリニックは中外製薬のターゲット…といった感じです。
それらの門前薬局も同様です。
しかし、鷲友会のノルマ軒数は半端じゃありません。
しかも、とある年度においては軒数に加えてグロスまでも追われることがありました。
どう考えても、大正製薬のターゲット先に詰めるだけでは達成不可能なほどのノルマ。
それだけの売上目標がMSには課されていたのです。
そんな事情もあり、鷲友会の時期はこれらの大正・中外の住み分けを無視して、MSの独断によってエディロールの詰めが行われるという事例が頻発しました。
ちなみに、エディロールの包装は大正製薬と中外製薬とで異なります。
そんな包装違いのエディロールが1つのクリニックや調剤薬局の中で混在するのですから、どう考えても混乱必至です。
私個人に関して言えば、取引先よりも中外MRからのクレームの方がキツかったです。
なるほど、中外MRからすればご尤もな意見です。(汗)
私も今ではMRをやっていますので、当時の中外MRの怒りがよく理解できます。
もし私が中外MRだとしたら、間違いなく同じクレームをMSに対して入れていたでしょう。
MRに無断で『詰め込み販売』を行うMSの罪深さについて語る!
今さら懺悔しても遅すぎますが、中外MRに対しては本当に申し訳ないことをしてしまったと思っています。
しかし、鷲友会の尋常ではないノルマを達成するためには、多少なりとも中外ターゲット先でエディロールを詰めるしかなかったのです。
むしろ今にして思えば、鷲友会とはMS(卸)を通じて“中外エディロール”を“大正エディロール”に替えることで『大正製薬が自社シェアを伸ばすための策略だったのではないか?』とさえ思えます。
理由はどうあれ、取引先からイヤな顔をされるだけでなく、中外MRからも嫌われる。
本当にイヤな思い出ですし、当時はマジで辛かったです。
3.ボンビバ(骨粗鬆症治療剤)
ボンビバもエディロールと同じく、大正製薬と中外製薬とでターゲット先が分けられていました。
よって、エディロールと同じく中外MRからクレームを受けた記憶があります。(汗)
ただ、ボンビバにはエディロールとの明確な違いが1つありました。
私がMSだった当時、ボンビバの錠剤は存在せず、静注のみが販売されていました。
よって、ボンビバが発売して間もない2014年~2015年くらいの時期は、静注製剤を詰める必要があったのです。
当たり前の話ですが、このボンビバ静注とは調剤薬局では使われない薬剤です。
これの何が問題かと言うとですね…
クラリス・エディロールとは違って、調剤薬局で詰めて『軒数稼ぎ』をすることが出来ないのです!
大正製薬の鷲友会では【GP販路】に納入されないと実績としてカウントされません。
よって、ボンビバ静注に関してはとにかく開業医で詰めるしかありません。
しかし、調剤薬局と違って詰めOKの開業医は多くありません。
私自身、ボンビバ静注の詰めをお願いした取引先の開業医にはことごとく断られました。
あのときの絶望感はヤバかったなぁ…
これも“詰め”に関する“あるある”ですが、私がいた営業所ではプロモーターが率先して行動しないと他のMSは詰めてくれない傾向がありました。
ですが、ボンビバ静注については私がむしろ営業所の足を引っ張る形になっていたので、大正プロモーターという立場上、メチャクチャ辛かったです。(汗)
そんな私個人の苦悩はさて置き…
最終的には、何とか先輩MSの取引先(開業医)にボンビバ静注をねじ込み、ギリギリで鷲友会をクリアしました。
しかしながら、あのときは達成感よりも虚無感の方が圧倒的に強かったです。
4.ルセフィ(SGLT2阻害剤)
ルセフィが発売した頃、この薬剤は大正製薬とノバルティスとでプロモーションしていました。
当然、包装も、ターゲット先も、大正製薬とノバルティスとでは異なります。
はて?これはデジャヴか?
そして、私はこう思いました。
もうマジでご愁傷様って感じですよね…。
エディロール・ボンビバの悲劇がルセフィでも繰り返されるかと思うと、憂鬱で仕方なかったです。(汗)
しかし、繰り返しになりますが鷲友会とは絶達の施策です。
最前線で働くMSに逃げ道などありません。
その一方で、不幸中の幸いと言うべきか、ルセフィが発売した頃(2014年以降)の鷲友会では、クラリスが詰めの対象から外れていました。
よって、ルセフィの詰めが行われていた時期の詰め品目はエディロール・ボンビバ静注、そしてルセフィといったラインナップだったのです。
ただ、ルセフィを詰めるにあたって、私が当時担当していたエリアではルセフィを含むSGLT2阻害剤が全く普及しておらず、ルセフィの回転先は皆無といった状態でした。
そのため、ルセフィについても『返品前提の詰め』をやるしかありませんでした(汗)
幾度となくMSに伝家の宝刀を抜かせる鷲友会の罪は重いです…。
ちなみに、このルセフィに関しては令和以降の現在も、鷲友会にて詰める対象になっています。
5.ロコアテープ(経皮吸収型鎮痛消炎剤)
ロコアテープとは、私がMSを辞める直前の鷲友会で詰めた薬剤です。
このロコアテープを通じて、私は最後の最後まで鷲友会に苦しめられました。
その名の通り、ロコアテープとは貼り薬であり、平たく言えば外用剤です。
では、なぜ外用剤の詰めは大変なのか?
ロコアテープの場合、テープという剤型であることから、当然ながらまとまった数が箱の中に入っています。
そして、その箱とは内服剤よりも格段にデカいです。
この辺りのサイズ感は、MSや外用剤メーカーMRでないとイメージが湧かないかと思いますが、少なくとも内服薬と同じ感覚で詰めることは不可能です。
外用剤は箱がデカい関係上、どうやっても保管スペースを喰います。
例えばですが、店内が狭い調剤薬局などでは、外用剤を在庫として大量に置いておくことは非常に難しいのです。
そういった事情もあり、ロコアテープを詰める際には取引先(特に調剤薬局)から凄くイヤな顔をされました。
しかも、ロコアテープと同時期に久光製薬から『モーラスパップXR』が発売されたことから、鷲友会と並行してそちらも詰める必要がありました。
そんな状況でしたから、複数の取引先から『返品前提で買わせたいなら、ロコアテープかモーラスパップXRのうち、どちらか1つにしてくれ』と言われたりしました。
どちらか1つだけ…だと?
何だ、この苦渋の選択は!?
マジで心の中でそう叫んだことを昨日のことのように思い出せます。(汗)
詰めの願いなら”1つだけ“叶えてやろうってか?神龍かよ!!!
当然ながら『2つとも詰めさせてくれ!』…という私の願いは全く通じませんでした。
それもそのはず、詰めとは取引先に負担を掛ける行為ですからね。
むしろ、たとえ1つだけでも詰めのお願いを受け入れてくれるなら御の字というものです。
でも、何だかんだ言ってMSとしての理想は、ロコアテープ・モーラスパップXRの2種類とも詰めることではありました。
しかし、取引先の事情も相まってそれは不可能ときた。
よって、ロコアテープ・モーラスパップXRとの間で揺れる私にとっては、かなり苦しい選択となりました。(汗)
ナメック星のポルンガのように、詰めの願いを複数叶えてくれる取引先など、わたしのエリアには存在しなかったのです…。
まあ、こんな冗談はさて置き…
最終的には、私(大正プロモーター)と先輩MS(久光プロモーター)とで相談し、ノルマ軒数を考慮しながら、営業所としてバランスよくロコアテープ・モーラスパップXRの両方を詰めるという形に落ち着きました。
私自身もA薬局にはロコアテープ、B薬局にはモーラスパップXR…といった感じで詰めましたからね。
しかしまあ、今思えば本当に辛い体験でした。
板挟み感が半端じゃなかったので。
ちなみに、このロコアテープもルセフィと同じく、平成終盤~令和以降の鷲友会でも詰めの対象品目になっています。
現場で詰めているMSは絶対に辛いと思います!(汗)
最後に:鷲友会で奮闘している全てのMSとMRたちよ…頑張れ!!
ここまでMS時代の経験をもとに鷲友会のことについて語ってきましたが、思い出せば出すほど、苦しんだ記憶ばかりが蘇ります。(汗)
マジで鷲友会の時期の営業所ミーティングとか憂鬱で仕方なかったです。
加えて、進捗が悪いとすぐに上司から追及されるという始末。
鷲友会に関するストレスのせいで、当時は心身共にマジで辛かったんですよ。
過敏性腸症候群が悪化して消化器内科に通院したり。
プレッシャーのせいか不眠症に陥って睡眠薬を飲むことになったり。
とにかく、イヤな思い出のオンパレードです。
本当に、嫌で嫌で嫌で仕方なかったです。
自分が大正製薬のプロモーターをやっていたからこそ、余計にしんどかった記憶が強く残っているのかも…
…とはいえ、自分が大正プロモーターであったことを差し引いても、MSとして働いた5年間の中では鷲友会が最も辛い施策だったように思います。
付け加えると、鷲友会の直前に開催されるプロモーター会議もキツかったですし。
毎年12月は『鷲友会』のために開催される大正製薬とのプロモーター会議が苦痛で仕方なかった体験談
今はどうか分かりませんが、鷲友会ほどの高難度施策はMSとして中々お目にかかれないと思います。
毎年1月~2月は悪い意味で『MS(医薬品卸)にとっての風物詩』と化している鷲友会。
大正製薬という会社が存続する限り、鷲友会も不滅なんですかね…。
医薬品卸として【アローアンス】を得たいという事情は理解できます。
しかしながら、鷲友会レベルの施策ともなると、現場のMSの消耗度合いが半端じゃないです。
個人的には『そこまでして詰める意味あるの?』…って感じです!
…にも関わらず、鷲友会をクリアするために奮闘している全国のMSはマジで凄いと思います。
私はMSを辞めた側の人間ですが、鷲友会には『こんなに詰めで苦しむのならMSなんて辞めたい』と私に思わせるだけの威力がありました。
元MSの本音!医薬品卸のMSを辞めたいと思った理由について語る!
鷲友会が行われる1月~2月は、MSにとって色々な意味で激務な期間であり、とにかくメンタルをガッツリと削りに来ます。
MSである以上、絶対に逃げられない鷲友会。
この施策がもたらすストレスやプレッシャー日々向き合っているMSは、それだけでも本当に凄いと思います。
どうか全国各地のMSさんには、心身の健康を損なうことなく、鷲友会という試練を乗り越えていただきたいです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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