こんにちは、元MSのヒサシです。
先日、家の中の片づけをしていたら、何とMS時代の源泉徴収票が出てきました!
しかも、新卒で医薬品卸に入社してからMSとして働いた5年間分です!
こんなものが我が家にあったのかと自分でも驚きました!
当然、源泉徴収票ですから年収・所得額もキッチリ載っています。
ちなみに、入社1年目~5年目の年収(支払い金額)がこちらです。
初年度の年収は約220万。
そして、MSを辞める直前(入社5年目)の年収は約420万。
『これまた懐かしいものが出てきたなぁ…』などと思いながら、しばらく見入ってしまいました。
さて、こんな風にMS時代の源泉徴収票が出てきたのも何かの縁。
そして何より、私はブログという媒体を通じて普段から情報発信を行っている。
…ということで、ブログ内で当時の年収推移について徹底的に分析&公開することに決めました!
この記事では年収だけでなく、所得控除額・源泉徴収額・社会保険料についても、思い切って1円単位まで誤差なく公開しています。
MSを辞めてから相当な年月が経っていることですし、源泉徴収票の記載内容に基づいて、忖度なしでリアルなMSの待遇についてお伝えします。
多分ですけど、MSの年収についてここまで正確に公開している人は他にいないと思います。
MSの年収に興味がある人は、是非ともご一読ください!
MS時代の年収・所得額・社会保険料などの推移
源泉徴収票には支払金額(年収)以外にも色々な項目がありますよね。
具体的には、年収・所得金額だけではなく、所得控除額・源泉徴収税額・社会保険料などですね。
…ということで、せっかくの機会なので源泉徴収票に載っている主な内容についてまとめてみました。
年数 | 支払い金額 (年収) |
給与所得控除後の金額 (所得額) |
所得控除の合計額 | 源泉徴収税額 | 社会保険料等の金額 |
1年目 | 2,238,404 | 1,385,200 | 711,952 | 33,600 | 264,854 |
2年目 | 3,842,289 | 2,532,000 | 1,622,779 | 45,400 | 509,148 |
3年目 | 3,785,967 | 2,487,200 | 1,020,650 | 74,800 | 556,969 |
4年目 | 4,028,234 | 2,682,400 | 1,010,368 | 85,300 | 546,673 |
5年目 | 4,195,575 | 2,813,600 | 1,058,826 | 89,500 | 595,310 |
これがMSとして新卒で入社してから1年目~5年目のリアルです。
いかがでしょうか?
若手MSの年収について、多少なりとも参考になったでしょうか?
医薬品卸は典型的な年功序列体制なので、若手のMSほど給料が安いのです。(汗)
年功序列の給与体系に不満を持っている若手MSは多いのだ…!
…とはいえ、首都圏はともかくとして、物価が安い地方であれば十分に生活していけるだけの金額かと思います。
実際、当時私が住んでいた地域(田舎)では、普通に生活する分には困りませんでしたからね。
加えて、MSとして4年目の時期には年収400万円を超えていたので、一般的な20代の営業職と比べて大幅に年収が劣っているワケではありませんでした。
医薬品卸によって給与体系は異なりますが、世間で言われているほどMSという職業は薄給ではないのです。
年収の推移について解説
先ほどの年収の推移グラフを見れば、一応、右肩上がりで私の年収はアップしています。
その一方で、2年目~3年目にかけては年収が若干ですけどダウンしています。
そんな年収の変化について、簡単にまとめた表がこちらです。
(※端数は切り捨てて記載しています。)
年数 | 支払金額(年収) | 前年からの増減金額 |
1年目 | 223万 | なし |
2年目 | 384万 | +161万 |
3年目 | 378万 | -6万 |
4年目 | 402万 | +24万 |
5年目 | 419万 | +17万 |
さて、この記事を読者さんにとって気になるのは『なぜ年収が変化したのか?』という部分だと思います。
そこで、筆者の年収アップ&ダウンの理由や背景について、当時の心境と併せて解説していきます。
①:1年目~2年目に年収がアップした理由
社会人経験のある人はご存知の通り、1年目の年収は低くなります。
これまでお伝えしてきた通り、私は新卒で医薬品卸に入社した人間です。
医薬品卸のMS(営業職)として内定が出たときエピソードを紹介します!
よって、会社員としての給料が発生し始めたのは4月以降からです。
(※当然、3月以前の給料は発生していない。)
付け加えると、就業実績がない新入社員ということもあり、夏のボーナスは微々たる金額でした。
こういった事情により、1年目の年収は220万円ほどという結果になったのです。
②:2年目~3年目に年収がダウンした理由
実はMSとして3年目の時期って、色々と理由を付けて休日当番をやらないようにしていたんですよね。
理由は単純でして、休日当番がイヤだったからです。(汗)
では、なぜ休日当番がイヤなのか?
それはプライベートの時間が削られるだけでなく、休日当番の手当金額にも不満があったからです。
休日当番とは、具体的には医薬品の配送業務ですね。
これは社会的なインフラであるが故の使命でもあります。
…が、私個人としてはこの休日当番への労働対価について、当時はマジで不満タラタラだったんですよね。(汗)
何だかんだ言って【医薬品卸の休日当番】って大変なんですよ。
GWだろうが、お盆だろうが、年末年始だろうが、容赦なく注文が入りますので。
これだけ働いて、この程度の賃金じゃ割に合ねぇ…などと幾度となく思いました!
さらに酷だったのが、私が働いていた医薬品卸では、休日当番の手当金額は“MSごとの基本給”をベースとした計算方式だったという点です。
繰り返しになりますが、医薬品卸は年功序列の風潮があります。
よって、勤続年数が短い若手MSほど基本給が安く、勤続年数が長いベテランMSほど基本給が高い。
その結果として、同じ休日当番であっても、若手MSほど手当金額が低くなるという現象が起こります。
これは休日当番の手当を時給に換算してみると分かりやすいです。
極端な話、若手MSが時給1000円であるのに対して、ベテランMSは時給2000円だったりするのです。
こういった仕組みが、当時の私にとってはメチャクチャ不満でした。(汗)
そんなこんなで、親戚の用事だとか、友人知人の結婚式だとか、体調不良だとか、色々な嘘を吐いて休日当番を避けるようにしていたのです。
今思えば、モラルに欠けるMSだったと反省しています…
このような事情があり、休日当番を殆どやらない(=当番時の手当が発生しない)反動として、前年よりも年収が下がることになったのです。
完全に余談ですが、私のこういった態度は上司・先輩から目を付けることにもなりました。
結果だけを見れば職場の人間関係が悪化する呼び水にもなったので、若手MSの皆さんは私の真似はしないようにしてください。(汗)
③:3年目~4年目に年収がアップした理由
これは入社4年目の4月に、社員としての階級が1つ上がったことが影響しています!
出世という程ではないですが、MSとして働いた約3年間の営業実績が評価されたという感じですね。
これに伴って、基本給や外勤手当ての金額がアップしました。
(※加えて、ボーナスも今まで以上に沢山もらえる立場になった)
さらに!
基本給がアップしたことにより、休日当番の手当金額もアップしたのです!
おかげさまで、年収面にも好影響が現れました。
このときは素直に嬉しいと感じましたね。
④:4年目~5年目に年収がアップした理由
入社3年目の時期に休日当番から逃げ回っていた私ですが…
そこから心機一転、5年目はこれでもかというくらい休日当番を頑張りました。
年末年始、GW、お盆、その他諸々。
今思い返してみると、自分でも不思議なくらい猛烈に働きましたね。(汗)
おかげさまで、休日当番手当によって年収面でもそれなりに大きな影響が現れました。
ところで、なぜ筆者は休日当番を頑張ろうと思い立ったのか?
実はMSとして5年目くらいの頃は、医薬品卸の社会的使命である『医薬品の安定供給』を全うしようと思い、自分なりに頑張っていた時期でもあるのです。
ちなみに、MS3年目の時期に休日当番を蔑ろにしていたことを反省しての行為でもあります。
医薬品卸とは、社会にとって必要な存在である。
医薬品の安定供給のために、誰かが体を張る必要がある。
だったら、自分がやってやる。
あの頃はそんな風に思っていたのです。
医薬品卸がなくなると困る人間は大勢いるぞ!業界内における卸の必要性を再考する!
しかしながら…
その結果、MSとして働くことに疲れてしまったのも事実です。
滅私奉公と言えば大袈裟かも知れませんが、使命感だけで働くには限界があることを感じた時期でもあります。
長期休暇を犠牲にして働いた結果として、肉体的にも精神的にも疲弊したのは間違ないです。
極めつけに、休日当番を頑張りすぎた反動で、MSを辞める方向に思考が傾いてしまいましたからね。
実は【MSとして働きながらの転職活動】を始めたのもこの時期であり、MS以外の職に就こうとして試行錯誤する日々が続きました。
医薬品卸(MS)の使命を全うした結果として、MSを辞めるという決断をした筆者。
そう考えてみると皮肉なものですね。(汗)
もし筆者がMSを辞めなかった場合の年収予想
ここまで紹介してきた通り、私がMSとして働いたのは20代の頃までです。
ちょっと待て!
20代の年収情報だけでは物足りない!
30代や40代のMSの年収はどのくらいなんだ!?
…と思っている読者さんもいることでしょう。
…ということを踏まえて、もし私がMSを辞めることなく働き続けていた場合の年収を予想してみようと思います。
大前提として、年収の推移は医薬品卸によって異なります。
ザックリ言うと、広域卸か地場卸なのかで変わってきます。
(※広域卸と地場卸の違いについて知りたい人は【こちらの記事】をご覧ください!)
医薬品卸の年収は会社の規模に比例しますので、一般的には広域卸の方が高年収です。
参考までに、大手医薬品卸4社の平均年収についてお示しします。
引用:2020年の有価証券報告書より作成(千円以下は切り捨て)
※あくまでホールディングス(持株会社)から引用したデータですので、実際に現場で働いている医薬品卸の社員年収とは異なる場合があります。
さて、私がMSを辞める直前の年収は419万であり、当時の私は27歳でした。
そんな私がMSを辞めずに30歳、あるいは40歳となった場合の年収について予想した結果がこちらです。
(※MS時代の先輩・同期の証言をもとに算出しています。)
30歳:450万前後
35歳:550万~600万くらい
40歳:600万~650万くらい
MS時代の先輩や同期たちの証言を整理してみると、大体こんな感じです。
こういった金額を高いと思うか、低いと思うかは人それぞれかと思いますが…
私個人としては、生活に不自由するほどの薄給ではないように思います。
贅沢な生活は難しいかも知れませんが、もし家庭を持ったとしても十分に生活してける金額です。
業界内では年収面でMRと比較されがちなMSですが…
ハッキリ言うと、MSが薄給なのではなく、MRが高給であるというのが“真実”です。
確かに、MRとMSとの間には【埋めがたい年収の差】が存在しています。
しかしながら、世間一般の営業職と比べた場合、MSの年収は決して劣っているワケではないのです。
最後に:医薬品卸の年収はそれほど悪くはないぞ!
この記事では私自身の源泉徴収票に基づいて“MSの年収”について紹介させてもらいました。
MSの年収について、皆さんはどのように感じたでしょうか。
ネット上でよく言われている通り、安いと感じましたか?
それとも、意外と高いと感じましたか?
あるいは、平均的かつ並程度の年収だと感じましたか?
私個人としては、医薬品卸のMSの年収はそれほど悪くないと思っています!
…が、年収についての感じ方は人それぞれです。
正味な話、正解なんてありません。
実際のところ、医薬品卸で働くMSの年収について『安すぎる』と断言する人もいれば、『医薬品を扱っているだけあって高給だ』という人もいます。
もちろん、私のように『高給ではないが薄給でもない』と言う人もいます。
MSへの就職・転職を考えている人にとって、この記事がお役に立てば幸いです。
もしMSの年収についてもっと詳しく知りたい人は【問い合わせフォーム】からご連絡ください!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
コメント投稿はこちら
ヒサシさん、ブログ大変面白く拝見しました。ところで大手卸会社の平均給与として、アルフレッサホールディングズの平均給与を出されていますが、ホールディングズは卸会社ではなく、グループ全体を統括する会社なのです。つまりグループ会社の本社部門的な役割なので、給与水準は卸である「アルフレッサ株式会社」よりかなり高いです。その事情は、メディパルや東邦、スズケンに関してもホールディングズと卸会社の給与水準の違いは同じはずです。いくら大手でも卸のMSさんの平均が700万円を超えるとは、思えません。
Hirappaさん
コメントありがとうございます!
ご指摘の通り、ホールディングスの給与と現場社員の給与とでは差異があります。
大手の医薬品卸であっても、MSの平均年収が700万円を超えるなんてことはあり得ません。
その点については私も理解した上で記事を書いていたのですが、この業界のことを全く知らない人間(たとえば就活生など)にとっては誤解を招くような書き方だったかもしれませんね。
後ほど記事内容について修正しておきます!(汗)