医薬品卸にて行われる『起伝(きでん)』の意味とは?元MSが解説します!

MSと業界用語

こんにちは、元MSのヒサシです。

私は医薬品卸に入社した後、数々の業界用語に苦しめられました。

MS見習いの実習生として某地方の営業所に配属された際、とにかく右往左往した記憶があります。

何と言っても、1つ1つに用語について全く意味が分からない。

今回紹介する起伝きでんも、当時は理解できなかった言葉の1つです。

私が医薬品卸の営業所で初めて『キデン』という言葉を聞いたときは、サッパリ意味が分からなかったんですよ。

ヒサシ
ヒサシ

もしかして“貴殿”のことかな?

…などと本気で思ったりしましたからね。(汗)

この『起伝』に限ったことではありませんが、実習生として現場に配属された最初の週は、営業所内にて飛び交っている言葉の意味が全く理解できなかったんですよね。

おかげ様で、新人ながらにオロオロと困惑したことを覚えています。

しかも、意地の悪いオッサン&オバサン社員は業界用語の意味を教えるわけでもなく、ネチネチと罵ってきます。

お局
お局

はぁ?

新入社員の研修で習わなかったの?

…みたいな感じでね。

よくTVのドラマで出てくるようなつぼねの社員って、マジで現実世界にもいるんですよ。

相手が新人だからといって、一切の容赦ナシ。

でも、こちら(新人)の側としては、そんなことは関係ない。

うるせーよ!!

習ってねーよ!!

…と言いたいところです。

ですが、そこは新人らしく反抗的な態度は取らず、あくまで謙虚な態度を心掛けました。

ヒサシ
ヒサシ

今思えば、中々の屈辱でしたけどね…(汗)

しかし!!!

前途有望な新人MSたちには、私のような苦い思いをしてほしくありません。

…というワケで、今回は業界未経験の新人MSに向けて記事を書いてみました。

5分くらいでサクッと読める記事なので、『起伝』について知りたい人は是非ご一読ください!

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起伝(きでん)の意味とは?

さて、医薬品卸における『起伝きでん』とは、一体どういった意味なのでしょうか?

簡単に言うと医薬品の名前・個数・納入金額などが記載されている伝票を作ることです。

医薬品卸では医薬品を取引先に納品する際、必ず伝票にハンコを押してもらいます。

返品】などで取引先から医薬品を引き上げた際も同様です。

他には、値引・値増といった金額操作についても、必ず伝票が発生します。

これらの伝票が新しく作られるときに起伝きでんという表現がされるのです。

そのため、医薬品卸では以下のようなフレーズが飛び交っています。


【①事務からMSに対して】

新薬の○○だけど、起伝を済ませたからいつでも納品OKだよ!

【②MSから事務に対して】

おーい、○○病院に持っていく伝票の起伝まだー?


上記はあくまで一例ですが、イメージとしてはこんな感じです。

起伝という作業自体は、基本的に【事務職の人たち】が行う仕事です。

ただし、場合によってはMSが自ら起伝の仕事をすることもあります。

(※例えば、事務さんが不在だけど【急配の対応】をしないといけないときなど。)

ここで1つ補足しますが、伝票を作ると言っても、手書きをするワケではありません。

起伝の際に行う作業としては、具体的ににはPCを用いて社内システムにアクセスし、必要項目を入力⇒印刷ような感じです。

決して難しい作業ではありませんので、慣れれば誰でも簡単にできます。

なお、似たような意味合いとして伝票を起こすという言い回しもあります。

伝票を起こす…という表現は、日本語的には少しばかり違和感がありますよね。

個人的に私は好きではない表現なのですが、業界内ではこういった言い方をする人もいます。

ヒサシ
ヒサシ

もっとシンプルに“伝票を作る”とかって言えば良いような気がするんですけどね…(汗)

ちなみに、医薬品卸の社員によっては起伝きでんではなく起票きひょうという言い方をしたりするみたいです。

ですが、少なくとも私がMS時代に働いていた営業所では『起伝』という言い方のみが使われていました。

余談ですが、『起伝』あるいは『起票』という表現は医薬品業界以外でも使われています。

(※他業界で販売の仕事をしていたウチの妻から教えてもらいました。)

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起伝に関する嫌な思い出

記事の冒頭、新人時代に起伝の意味が分からず罵られたことがあると書きました。

せっかくの機会ですので、そのときのイヤ~なエピソードについて、もう少し具体的にご紹介します。

私が実習生として配属された医薬品卸の営業所には新人潰しで有名なオバサン事務員(正社員)がいました。

ドラマや漫画に出てくるような、まさに典型的なお局社員です。

取りあえず、この場ではそのオバサン社員をAと書かせていただきます。

Aはとにかく嫌味ったらしい上に、何かにつけてヒステリーを起こすようなオバサンでして、営業所の所長も手を焼いていたような人です。

ヒサシ
ヒサシ

ちなみに、当時40歳くらいの独身オバサンです!

独身だから人間性が歪んでいると言っては偏見かもですが、少なくともAに関しては独身である(=結婚できない)のも納得な人物だったんですよね。

あまりに性格が捻じ曲がっている人でしたので、ぶっちゃけ営業所内でも疎まれていたのですが…

なぜかA本人は自分は優秀であると勘違いしているものだから始末が悪い。

実際、私がMSとして働いていた数年ほどの間に、多くの派遣社員・パート・アルバイトの事務員さんたちがAに苛められ、次々と辞めていきました。

さて、こんな記事を書いているヒサシはと言うと、MSの実習生としてAがいる営業所にやってきた人間です。

その後、実習を終えてから同じ営業所に本配属となり、数年間に渡ってAと同じ職場で働きました。

よって、MSとして一人立ちして以降は、Aと四六時中一緒にいたワケではありません。

しかし、私の場合は新人実習の一環として、事務職の仕事を1週間ほど体験するというカリキュラムがありました。

その指導役がAだったので、それはもうムカつく指導(というかイジメ)を受けました。

ヒサシ
ヒサシ

朝から晩まで、そりゃーもうイビり倒してくれましたよ(汗)

20歳近く年下の新入社員相手に、そこまでするか?

…ってレベルで辛く当たるような人でしたからね。

こちらが無知であることに付け込んで、Aは何かとマウントを取ってくるようなタイプでしたので、もう本っ当に嫌になる1週間でした。

その1週間の中で、起伝に関してAがマウントを取ってきたことがあるので、そのときの会話をご紹介しましょう。


※Aのイメージ画像

A『ちょっとヒサシ君!』
ヒサシ『はい?』
A『さっき起伝したやつ(←伝票のこと)、早くMSに届けてきてよ!』
ヒサシ『は?えーと、キデンって何のことですか?』
A『はぁ?アンタ、起伝の意味も分からないの!?』
ヒサシ『はい、分かりません。(…ったく、癇にさわる言い方だな。)』
A『ちょっと、マジであり得ないんだけど!アンタさぁ、本社で新入社員の研修受けてきたんじゃないの!?』
ヒサシ『はい、受けましたけど。』
A『なのに何で起伝のことも分からないワケ!?』
ヒサシ『そんなこと言われましても…研修ではキデン?…というものが何なのかは習いませんでした。』
A『はあぁぁ!?そんなワケないでしょ!?どうせ昼寝とかして聞き漏らしていたとかじゃないの!?』
ヒサシ『いや、別に昼寝とかしてませんけど…。』
A『もーいいわ!とにかくソレ!ソレをMSの○○君のところに持って行って!』
ヒサシ『あの…”ソレ”ってどれですか?』
A『だからそこにある伝票よ!見りゃわかるでしょ!?』
ヒサシ『…分かりました。では、この伝票をMSの○○さんに渡せば良いんですね?』
A『そうよ!早くして頂戴!』
ヒサシ『はい。(あー、うるせぇオバサンだなー。)』

一字一句その通りではありませんが、大体こんな感じの会話をしました。

とにかく超ムカつく体験だったので、まるで昨日のことのように思い出せます。

さすがにAのようなお局オバサンは、医薬品卸の中でも特に異端なタイプだったと今では思います。

とはいえ、医薬品卸の営業所には、Aほどでなくても気性が激しいオバサン事務員が一定数います。

この辺りは配属ガチャというか、とにかく運の要素も絡んできます。

ハッキリ言って、こればかりは個人の努力で何とかなる問題ではないのですが…

新人MSの皆さんは配属先の人間関係について、どうかお気を付けください。

まとめ:起伝(または起票)の意味を覚えておいて損はない!

今回は私の体験談を交えて『起伝』の意味について書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?

私が新卒で入社した医薬品卸では、新入社員向けの研修で『起伝』の意味を教えられたりはしませんでした。

そのせいで、私は営業所のオバサン事務員にイビられる羽目になったワケですが…

この記事を読んでくれた前途有望な新人MSには、そんな思いはしてほしくありません。

起伝にせよ、起票にせよ、意味さえ分かってしまえば簡単な用語です。

ですが、何も知らない状態で現場に放り出されると、昔のヒサシのように混乱すること必至です。

新人向けの研修内容は医薬品卸によって様々かと思いますが、現場に出る前の予備知識が多いに越したことはありません。

この記事が少しでも新人MSの皆さんにとって役に立つことを祈ります!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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