製薬会社でMR(営業)として働いているヒサシと申します。
皆さんはどのような『働き方』が自分に合っているとお考えですか?
この記事を読んでいるのは現役のMRまたはMS、あるいは医薬品業界への就職・転職を考えている方がほとんどだと思います。
MRもMSも、仕事内容こそ違いますが同じ営業職です。
そして営業職とは成果(数字)を出すために存在している職業です。
その成果の出し方について、皆さんはどのようにお考えでしょうか?
『自分自身』が努力して成果を出すのが楽しい!
…というような人もいれば、
『チーム』で頑張って成果を出し、皆で喜びを分かち合いたい!
…というような人もいるでしょう。
これらの考え方に優劣はありません。
しかし、個人的な意見ですが、
先述した『成果の出し方』については、
『向き・不向き』や、
『好き・嫌い』が分かれやすい部分だとも思います。
自分がどう思うか?
自分がどう感じるか?
MRまたはMSとして長く働き続けていくのなら、
こういった『主観』の部分はとても大切です。
そこで、本日はMRまたはMSに向いている
『性格的な特徴』というテーマで記事を書いてみました。
MRは単独でも成果を出しやすい職業である
あくまでMSと比較した場合ですが、
個人の実力が成果(数字)に直結しやすいのは間違いなくMRの方です。
私自身が現役のMRだから余計にそう思う部分もあるのでしょうが、
MRとしての能力を磨けば磨くほど、
成果(数字)が目に見えてアップしていきます。
これは私の持論ですが、
MRは『個人の力』が求められる職業です。
製薬会社によって多少の違いはあるでしょうが、MRは基本的に単独で行動します。
そういった単独行動時にこそ、『個人の力』が問われるのです。
最適なターゲット医師への面会。
電話やメールでのアポイント依頼。
反響のある説明会の実施。
車での効率的な移動。
製品知識・病態知識の習得。
上記の行為はどれも1人でできることです。
上司や他部署、さらに他社の人間も絡む機会もあるでしょうが、ベースとなるのは個人の行動なのです。
そして、『個人の力』とは自分の努力によって伸ばすことができます。
むしろ『個人の力』の伸びしろは無限にあるのでは?と思います。
例えば、製品知識を身に付けたいのなら、まず会社の作成しているパンフレットや文献を隅々まで読み込んでみる。
もし分からない言葉があれば、その都度調べて勉強する。
それだけで相当な知識が身に付くと思います。
ビジネスマナーや営業テクニックだったら、本屋に並んでいる営業職向けの本を片っ端から読んでみる。
そうしているうちに、様々なノウハウが身に付きます。
電話ひとつ、メールひとつ、プレゼンひとつとっても、MR(営業)として実践するべきテクニックは山ほどあるのです。
私自身もMR活動に役立ちそうな知識は貪欲に吸収することを意識しています。
そうすることで、
成果(数字)がアップし、
なおかつ自分が成長している手応えに繋がります。
そして、そのことが『楽しい』『嬉しい』と感じるのです。
MRにとって大切なのは個人プレイである
MRだって製薬会社の一員ですから、自分一人で薬を売っているわけではありません。
上司、先輩以外にも、
学術担当者、
マーケティング部の本社スタッフ、
PMSに関わる部署のメンバーなど、
MRは様々な人たちに支えられて働いています。
しかし、上記の人たちはあくまでサポート役です。
MR活動の主役はMR本人であり、
成果(数字)を出すために最も必要なのはMRとしての実力です。
では、その実力を伸ばすためにはどうすれば良いのか?
とにかく『勉強』あるのみです。
MRにとって、製品知識・医学・営業テクニックなどの勉強は必須です。
これはつまり、『個人の力』を高めるための行為です。
そして、努力して身に付けた力を単独行動する中で発揮する。
こういった自己研鑽&単独行動に対して、
『楽しい』『嬉しい』と思えるような人はMRに向いています。
一言でまとめると、個人プレイが好きな人間ですね。
MRは『自分の努力』と『成果(数字)』が比例する職業です。
自分一人の力で成果を出してやるぞ!
周りの人間を頼ることなく、自分の実力で戦ってやるぜ!
辛いときでも、自分自身が努力することで挽回してやるぜ!
こんな考え方の持ち主であれば、MRとして成功しやすいのでは?と思います。
この辺りが、人によって向き・不向きが大きく分かれる部分ですね。
MSは単独では成果を出しにくい職業である
元MSとしての意見ですが、MSは『個人の力』よりも『周囲との連携』の方が求められる職業です。
それはなぜか?
MSは常に『他の誰か』との『連携』を求められる(強いられる)からです。
医薬品の配送に関しては、配送職との連携が欠かせません。
事務処理的な仕事に関しては、事務職との連携が必要です。
医薬品の在庫調整などについては、MSだけでなく倉庫係の意見も大きく絡んできます。
これら1つ1つの連携の積み重ねが、MSの成果(数字)へと繋がっていきます。
こういった『他の誰か』との連携、
言い換えれば『一体感』を味わえるのがMSの醍醐味でもあります。
しかし、これは裏を返せば、MS(営業)個人の実力がいくら優れていても、
『他の誰か』との連携が上手くいかなければ仕事に支障が出るということです。
もし、配送職が医薬品の配送コースを順序良く回れなかったとしたら?
もし、取引先からの注文を受けた事務職が間違った薬を手配したとしたら?
もし、倉庫係が在庫しておくべき薬を在庫し忘れてしまったら?
こういったとき、取引先に行って謝罪するのはMSです。
自分はいくら完璧な仕事をしたつもりでも、『他の誰か』がミスをしてしまったら、最終的に割を食う立場なのです。
『(ウチの配送職のせいで)ご迷惑をお掛けして申し訳ございません!』
『(ウチの事務職のせいで)深くお詫び申し上げます!』
『(ウチの倉庫係のせいで)本当にすいませんでした!』
私自身、このような形で何度も取引先に頭を下げた経験があります。
その度に、釈然としない気持ちになりました。
誰かがミスをしたら、その度に俺が謝罪しないとダメなのか?
俺がいくらMS(営業)としての実力を付けても意味ないのか?
自分が頑張るだけじゃダメなのか?
くそっ…面白くねぇ…。
MS時代のことを振り返ると、何かと苦しんだ思い出ばかりが甦ります。
『自分の努力』と『成果(数字)』が全く比例しないどころか、取引先に謝ってばかりいたからです。
MSにとって大切なのはチームプレイである
私は決して優秀なMSではありませんでした。
理由としては、1人の営業職として未熟だったことに加えて、
自分の性格がMSに向いていなかったからだと考えています。
私自身、MSとしてミスを犯したことも一度や二度ではありません。
上司や内勤の人たちに迷惑を掛けてしまった経験もあります。
しかし、その度にミスを反省し、そして再発しないように最大限の努力をしてきました。
私はそんな性格だからこそ、他人のミスに対しても厳しい目で見てしまっていたのかも知れません。
とにかく、私にとっては『他の誰か』と『連携』することが苦手で仕方ありませんでした。
いくら自分が頑張っても、『他の誰か』が頑張らなかったら意味がない。
それどころか、『他の誰か』がミスする度に取引先に頭を下げなければならない。
MSとは何て理不尽な職業なんだ。
毎日毎日、そんなことを考えて腐っていた時期もありました。
よく周りから言われるのですが、
私は行動力に長けている反面、
協調性は乏しい人間のようです。
そのことは学生時代から自覚していましたし、
実際に医薬品卸への内定が出たときにも、
人事部の方からそのようなフィードバックをいただいた経験があります。
医薬品卸のMS(営業職)として内定が出たときエピソードを紹介します!
私の場合は先述した『協調性の乏しさ』が仇となり、
MSとして『周囲との連携が上手くいかない』という事態に繋がっていたように思えます。
MSにとって、
『連携』とは『チームプレイ』と言い換えることもできます。
医薬品卸においてMS・配送・事務・倉庫はチームであり、互いにサポートし合う必要があるのです。
誰かがミスをしたら、誰かがカバーする。
常に皆(チーム)を思い遣る。
皆(チーム)で成果を獲りに行く。
そして、成果が出たら皆(チーム)で喜びを分かち合う。
これがMSの実態であり、さらに言うなら医薬品卸の根底にある考え方です。
この辺りが人によって向き・不向きが大きく分かれる部分だと思います。
…で、私自身はMSには向いていませんでした(汗)。
MRとして『個人プレイ』が性に合っている私だからこそ、
MSのような『チームプレイ』には向いていなかったのだと分析しています。
しかし、私とは逆のタイプの人はMSに向いていると思います。
行動力よりも協調性に秀でている!
常に皆(チーム)への気遣いができる!
皆(チーム)で成果を出し、喜びを分かち合いたい!
このような考え方の人はMSに向いているでしょう。
まとめ:個人プレイ派にMR、チームプレイ派にMSをお勧めしたい!
今回はMR・MSに対する『向き・不向き』について書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?
私は『チームプレイ』が嫌いというワケではないのですが、少なくとも得意ではありません。
『チーム』を気遣うよりも、
『個人の力』を高めることの方が燃えますし、何より充実感があります。
だからこそ、私はMRという職業に向いており、
なおかつMRの仕事を楽しめているのだと思います。
一方で、MS時代を振り返ってみると、自分がMSに向いていない人間だったとつくづく思います。
連携、協力、思い遣り、助け合い、気遣い…etc
このような言葉を医薬品卸内では何度も聞きました。
実際、先述した言葉の大切さをMSとして肌で感じる場面もたくさんありました。
そして、その度にモヤモヤとした気持ちになったものです。
MRもMSも『営業職』という括りでは同じですが、
それぞれの職業に向いている性格的な特徴は大きく異なります。
似たような名前の職業なのに、何とも不思議なものです。
業界内ではMS⇒MRという転職パターンは結構ありますが、MR⇒MSというパターンは全くと言っていいほど聞きません。
それは、給料や休みに関してはMRの方が好待遇だからです。
しかし、チームプレイが得意な人だったらむしろMSの方が向いている可能性もあります。
業界内ではMRの早期退職(リストラ)が相次いでいますから、人によってはMRを辞めてMSとして働くといのも選択肢の1つかも知れません。
以上、現役MRかつ元MSの個人的な意見でした。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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