製薬会社でMR(営業)として働いているヒサシと申します。
2019年の9月、RISFAXにバイエル薬品の早期退職(リストラ)の記事が載りました。
しかも、早期退職の募集人数は160人です。
160人ですよ!160人!!
これが2015年頃であれば、悪い意味で業界を騒がせるニュースとなっていたことでしょう。
しかし、2018年頃から始まったリストラブームのせいで感覚が麻痺しているのか、今回バイエルがリストラ発表したことについて、全然驚いていない自分がいます。
私の同僚MRも、特に驚いている様子はありませんでした。
へぇー、またどこかの会社がリストラするんだ
…くらいの温度感です。
つまり、現役MRにとっては『製薬会社』=『リストラする会社』みたいな感覚なのでしょう。
人間は慣れる生き物ではありますが、自分がここまで『リストラ』という言葉に慣れる日が来るなんて、ぶっちゃけ思ってもいませんでした。
今日はその辺りの心情について記事にしてみました。
バイエルの早期退職はMRだけでなくMLSも対象
この記事の冒頭で、バイエルの早期退職(リストラ)の対象人数は160人だと書きました。
これはMRだけでなくMSLも対象にしているようです。
現役MRであれば知っての通り、MSLはMRのキャリアパスの1つでもあります。
そのMSLをもリストラのターゲットにしているという事は、バイエルはとにかく社内での人員削減を推し進めたいと考えているのでしょうね。
また、業界内でも話題になっている“販売情報提供ガイドライン”も大きく関係していることでしょう。
ただでさえ医療機関への訪問規制がキツい世の中なのに、情報提供のやり方にまで制限が及び始めたワケですから。
こんな環境では、MRもMSLも医師に面会することもままならない。
もし面会まで漕ぎ着けたとしても、今までのような『売上に繋げる情報提供』はやりにくくなった。
その結果、営業現場では本来業務を遂行できないMRやMSLが余っている。
だったら、現場で余っている人間を減らしてしまえ!!
…というのが、バイエル経営陣の考え方なのでしょう。
さらに、RISFAXは『今後バイエルはデジタルツールを活用していく』と報じています。
現場の人間を削る一方で、効率的かつ適正な情報提供ができるデジタルツールの方が、圧倒的にメリット大きいと。
きっと、そのように判断したのでしょうね。
バイエルが考えているデジタルツールなるものが、『WEB講演会』の配信なのか、『薬の適正使用に関する動画』なのか、その辺りの事情は分かりません。
ですが、本社監修のデジタルツールを駆使した方が、販売情報提供ガイドラインに引っ掛かるリスクは低くなりそうです。
確かに、バイエルは会社として合理的な判断をしていると思います。
でも、同業者であるMRが今以上に減ることについて、私個人としてはやっぱり寂しく感じます。
リストラなんて、何度聞いても気分が暗くなるニュースですからね…
2010年頃、バイエルは学生から大人気の超優良企業だった
私は学生時代、就活の一環でバイエルの選考を受けたことがあります。
とはいえ、アッサリと落とされましたが。(汗)
そんな私の、クソみたいな就活戦績はさて置き…
私が就活していた2009年~2010年頃、バイエル薬品は学生から断トツで人気がある会社でした。
数ある外資系の製薬会社の中も、単純な学生からの人気度で言えば、頭一つ抜けていたように思えます。
実際のところ、私の周りでもバイエル志望の学生は大勢いましたので。
ファイザーよりも、ノバルティスよりもアストラゼネカよりも、GSKよりも、ベーリンガーよりも、『やっぱりバイエルに入りたい!!』…と言っていた同級生は多かったです。
…と言うか、私も新卒でバイエルに入社したかったです(涙)
私が参加したバイエルの会社説明会では、人事の社員さんが学生ウケするようなことを喋りまくっていましたし。
具体的には、こんな感じです。
こういった話を聞いていて、心が躍った就活生は多かったことでしょう。
とりわけ『結婚』という言葉に敏感な女子大生からは、特に人気が根強かったように思います。
かくいう私自身はと言うと、さすがに会社説明会の内容が100%真実だとは思いませんでした。
しかしながら、少なくとも他の製薬会社よりはMR(社員)を大切にしていそうな印象を受けたのも事実です。
実際、MS時代はバイエルMRの方々とも一緒に仕事をさせていただいた経験がありますが、彼らが会社の悪口を言っている場面はあまり見たことがありません。
私が知らないところで、会社に対して不満を持っているバイエルMRもいたとは思いますけど…
そんな2010年頃の話はさて置き…
当時は学生たちから『超優良企業』とまで呼ばれていたバイエル薬品。
そんな企業ですら、ついに早期退職(リストラ)に踏み切ってしまった。
これは紛れもない事実です。
何と言うか、10年という時間の重さと残酷さが感じられます。
やっぱり、医薬品業界で10年先の未来を予想するなんて、ぶっちゃけ不可能なんですよね。
その事を、一介のMRとして改めて実感しました。
まとめ:自分の身は自分で守るしかない…!!
自分が学生だった頃、就活で選考を受けた製薬会社がどんどん早期退職(リストラ)を発表していく。
こんな現実を見続けていると、何とも言えない寂しい気持ちになります。
私は就活生だった頃、実は『製薬会社に入社すれば安定した人生が待っている!』などと本気で思っていました。
それは私が、無知かつ勉強不足であったせいでもあるのですが…
まさか、今日のような状況にまでなるとは考えてもみませんでした。
もはや、医薬品業界では『安定』なんて言葉は死語になりつつあります。
今回のバイエルだけじゃない。
内資も外資も問わず、あちこちでリストラが行われている。
まさに乱世と言うか、MRの戦国時代といった感じです。
就活生だった頃から憧れていたアステラス製薬の“栄衰”について語ろうと思う
ファイザーの大規模リストラを見ていると“時代の残酷さ”が身に染みる
リストラに遭ったMRは、数少ない中途採用枠に殺到する。
そして、誰も彼もが、MRとして生き残ろうと必死に藻掻いている。
自分のキャリアを潰すまいと、血眼になっているMRが世に溢れている。
しかも、そのことに対して驚かなくなった自分がいるときた。
こんな風に、各社がリストラを連発することについて、もはや不感症になっているワケです。(汗)
それと同時に、これでも一応、雇用に対する危機感は抱いています。
昨今のリストラブームが私に教えてくれたのは、『会社は社員を守ってくれない!』『自分の身は自分で守るしかない!』ということです。
その事実を教訓として、私はいざという場合に備えて、常に転職活動の準備をしています。
なぜかと言うと、いざリストラ対象としてロックオンされてから転職活動したのでは、何もかも遅すぎるからです。
現役MRとしてお世話になっている転職エージェント4選!転職への備えは万全に!
しかし、ここまで業界内でリストラが相次いでいると、転職可能なMR求人の競争率もヤバいことになっていそうです。
今後もMRとしてメシを食べていくためにも、今以上に転職活動を強化した方が良い気がしてきました。(汗)
家族ともども、路頭に迷うのは御免ですからね…
あまり景気が良いとは言えない、昨今の医薬品業界ではありますが…
MRの皆さん、頑張ってこのMR戦国時代を乗り切りましょう!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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