こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
5月9日の日刊薬業にて後発品メーカーの新卒採用人数について特集されてましたね。
これまで国策によって後発品使用が促進されてきましたが、
いよいよ後発品の市場が飽和状態になってきたのかな?
と感じさせるような特集でした。
その辺りのことについて、自分が思ったことを記事にしてみました。
後発品最大手である沢井薬品が大幅に採用を絞った
沢井薬品は2018年度に73人も新卒採用したものの、今年の採用数は10人だけとのこと。
少し前の武田薬品が大幅に採用人数を絞ったことを思い出させるような内容でした。
日刊薬業には、あくまで『採用人数』という書き方がされていました。
そのため、この10人中の何人がMRなのか?
何人が生産部門(工場)の人間なのか?
…ということはまでは分かりません。
ちなみに、沢井薬品は2016年度に99人、2017年度には101人を新卒採用しています。
明らかな右肩下がりですが、これは何を意味しているのか?
沢井薬品としては、
『国内の後発品市場を鑑みた判断』
『これまで生産部門の人員を増やしてきたが、増産の準備が整った』
『今は体制を強固にしていく段階に入った』
との声明を発表していますが、これらはどこまで真実なのでしょうか。
純粋に今後の業界での流れをを先読みした結果なのか?
ARBの特許切れがひと段落して、今後は収益化が難しい意味なのか?
競合の後発品メーカーに競り負けてるという意味なのか?
個人的には、何だか建前の意味合いが強いコメントのように感じました。
一方、同じく後発品王手の日医工の新卒採用数も去年36人だったのに対して、今年は19人採用と発表しています。
沢井薬品と同じく減少傾向であり、守りの姿勢を表しているように思えます。
ただし、こちらの場合はエルメッドエーザイとの統合で、エルメッドMRが40人加わったことも影響しているみたいです。
とにかく、業界内の大手企業が採用人数を絞っているので、何かと波紋が広がりそうな気がします。
東和薬品は前年度比38人増だった!
黒柳徹子さんのCMでお馴染みの東和薬品ですが、こちらは去年から38人増の96人を新卒採用しています。
工場に新棟を建設したことによる生産部門を強化することが目的みたいですね。
後発品メーカーが生産部門を強化するということは、つまり自社で造る後発品の量と種類を増やすということです。
ここだけ見ると、沢井薬品や日医工とは逆に攻めの姿勢が伝わってきます。
下の記事で書いた通り、東和薬品は後発品の直販メーカーです。
東和薬品のような直販メーカーが増えると卸(MS)は不要になるかも?
MS時代の経験上、彼らは直販という強みを活かして価格攻勢を仕掛けてきます。
既存の医薬品卸から納入されている沢井薬品や日医工の後発品などは、東和薬品から見れば恰好のターゲットでしょう。
他社から高額で納入されている後発品を狙い、価格攻勢で自社の後発品に切り替える。
とてもシンプルですが、シンプルだからこそ強力な戦略でもあります。
薬価差益を重視している病院にとっては歓迎されることでしょう。
いよいよ本腰を入れて他社の後発品シェアを奪っていくつもりなのでしょうか?
そもそも、これだけ業界内でリストラが吹き荒れているのに、新卒で96人も採用するということは、それ相応の理由があるはずです。
もちろん、流通も自社で行う体制であることから、新卒96人のうち何人かは物流部門のような部署に配属されるでしょう。
その点を考えれば、一概に他の後発品メーカーと比較できるわけではないです。
しかし、その点を差し引いても、東和薬品は今後ビジネスを大きく展開していく構想があるのかな?
という風に考えてしまします。
まとめ:後発品メーカーでは東和薬品がノッている!
沢井薬品や日医工は『守りの姿勢』。
逆に、東和薬品は『攻めの姿勢』。
中々興味深い構図です。
新卒人数だけで会社を判断することはできませんが、1つの指標になることは間違いないでしょう。
後発品メーカーへの新卒での就職、または、競合他社からの転職なら東和薬品が良いのかも?
と考えさえられた特集でした。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
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