こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
今この記事を読んでいるのが現役の就活生であれば、製薬会社のMR(営業職)について、多少なりとも興味があることと思います。
そんな皆さんに、1つ問いたいことがあります。
就活生の皆さんは “転勤”という2文字ついて、どのように思いますか?
キャリアアップに繋がると、前向きに捉えているでしょうか。
人生プランを妨げると、後ろ向きに捉えているでしょうか。
もし後者だとしたら、下記のような悩みを抱えていませんか?
転勤を嫌う理由については、学生さんによって様々かと思います。
それ自体は決して変なことではありませんし、むしろ自分の将来について真剣に考えている証拠だと思います。
だからこそ、転勤への嫌悪感を拭えない学生さんは、MRを目指すことを考え直した方が良いかもしれません。
なぜなら、製薬会社のMRとは全国各地への転勤を強いられる職業だからです。
どれだけ足掻こうと、MRとして働く以上は転勤の可能性が付きまといます。
早い話、転勤する確率を0%にするのは不可能なのです!!
しかしながら、就活生はこの事実について、意外と知らなかったりします。
そのせいか、転勤(=全国各地への配属)によって後悔する新卒MRが毎年一定数います。
そこで、就活生の皆さんに対して警鐘を鳴らすべく“MRの転勤”というテーマで記事を執筆しました。
本記事では、MRの転勤に伴うリスク&デメリットについて、就活生にとってもイメージしやすい内容を取り上げています。
MRという職業を研究するにあたって、本記事がお役に立てば幸いです!
大前提:MRは転勤から逃げられない!
昔と違って、現在のMRは全国転勤せずとも働けるようになった。
だから、MRへの就職を目指すにあたって、転勤を不安視する必要はない。
…なんて風に思っている学生さんはいないでしょうか?
ハッキリ言って、そのような考え方をするのは危険ですよ。
本記事の冒頭でお伝えした通り、MRとして働く以上、転勤からは逃げられません。
どれだけMRが転勤したくないと願っても、悲しいかな、会社は容赦なく転勤を命じてきます。
なぜかと言うと、会社にとってMRとは“駒”に過ぎないからです。
組織を運営する上で、どの“駒”をどこに置けば、業務の効率がアップするか。
会社とは常にこういったことを考えながら、MRの勤務地について決定しています。
そして当然ながら、ただの“駒”であるMRに転勤命令への拒否権などありません。
就活生の皆さんにとってはショックな話かもしれませんが、これは紛れもない事実です。
不本意な転勤によって苦汁を舐めさせられたMRなんて、この業界には掃いて捨てるほどいます。
かくいう私自身も、過去に転勤の苦しさを味わった経験があります…(汗)
…ということで、このブログではMRのリアルな姿を発信することを心掛けている手前、誤解を恐れずに真実を言わせてもらいます。
製薬会社のMRとは“転勤ありき”の職業です。
何をどう頑張ったところで、転勤する確率を0%にするのは不可能なのです。
後述する勤務地関連の制度が整っている製薬会社に就職したとしても、100%確実に転勤を回避できるワケではありません。
それ程までに、MRとして働く上で転勤は付きものだと言えます。
確かに、コロナ禍以降はオンライン技術を駆使して働く“リモートMR”と呼ばれる職種も増えてきました。
そのようなリモート専任のMRは、自分が希望する地域に住みながら働いています。
実際のところ、彼らは転勤しなくてもOKな環境に身を置いているワケです。
しかし、そのような特殊な勤務形態のMRなんて、MR全体の1%未満です。
ましてや、新卒でリモートMRの仕事をゲットできる可能性は限りなくゼロです。
なぜなら、リモートMRとして働ける人間というのは、営業現場で経験を積んだMRが抜擢されることが多いからです。
つまり、新卒入社のMRとして働くならば、原則として全国各地への配属を覚悟しなければなりません。
詳しくは後述しますが、勤務地について過度な期待をするのは禁物ですよ!
東京出身の新卒MRが、九州に配属されるかもしれない。
大阪出身の新卒MRが、北海道に配属されるかもしれない。
東北で働いている中堅MRが、四国への転勤を命じられるかもしれない。
山陰・山陽で働いているベテランMRが、北陸への転勤を命じられるかもしれない。
これが、MRという職業の実態です。
MRとして長く働くほど、結婚・育児・介護といったプライベートの各方面で【転勤に伴うデメリット】が重くのしかかってきます。
もしそれが絶対にイヤだと言うのならば、MRを目指すための就活は即刻中止するべきです。
今すぐにこのページを閉じて、別の職業を目指して就活することをお勧めします。
しかし!!!
もう少しばかり、MRへの理解を深めたいと考えている学生さんは、この先の文章を読み進めて頂ければと思います。
なぜ、MRは転勤から逃げられないのか?
…というシビアな現実について、今からお伝えしていきます!
MRにとって勤務地の“枠”は限られている
単刀直入に言うと、勤務地の“枠”には上限があります。
大都市にせよ、地方にせよ、その土地で働けるMRの人数には“定員”が存在するのです。
例えばですが、新卒のMRたちが現場に配属される際、ある製薬会社では東京で10人分の枠があるとします。
こんな時、もし20人の新卒MRが『東京で働きたいです!』と希望を出したら、一体どうなるでしょうか?
この場合、20人いる新卒MRのうち、10人は希望が叶うでしょう。
その一方で、残りの10人は希望が通らないという展開になります。
それこそ、東京近郊の埼玉・千葉・神奈川に配属されるどころか、北海道や九州といった地方に配属される可能性だってあります。
つまり、勤務地の“枠”が限られている以上、新卒MRのうち全員の勤務地希望が叶うことは、原則としてあり得ないのです。
これは新卒のMRのみならず、中堅やベテランのMRに関しても同様です!
東京出身で、ずっと前から東京で働きたいと希望しているのに、地方での勤務を何年も強いられているMRたち。
そのようなMRは業界内に沢山います。
こういった事情により、製薬会社の内部では“勤務地の希望が叶わないMR”が溢れているのです。
この勤務地決定の裏側には、製薬会社ごとの勤務地制度、MRとしての実力、さらには上司の好き嫌いなど、様々な要素が存在しています。
それでは、各々の要素について注意するべきポイントをお伝えしていきます。
① 勤務地に関する社内制度を過信してはダメだ!
数としては多くありませんが、業界内ではMRの勤務地に関して柔軟な対応をしている製薬会社もあります。
具体的には、下記のような感じです。
(※詳細について知りたい人は、青色のリンク先をご参照ください!)
こういった制度がある製薬会社であれば、他の製薬会社と比べて勤務地についての融通が利きやすいのは間違いありません。
しかし、だからといって安心してはいけません。
どれだけ勤務地関連の制度が充実していたとしても、100%の確率でMRの勤務地について保証してくれるワケではないのです。
先ほどからお伝えしている通り、MRの勤務地希望が確実に叶うなんて有り得ません。
実際のところ、上司や人事部に対して勤務地に関する希望を申し出たとしても、何らかの理由を付けて見送られるケースは後を絶ちませんからね。
要するに、勤務地の“確約”と“考慮”は全くの別物なのです。
~その数日後~
正味な話、業界内では上記のような事例が溢れています。
いくら勤務地関連の制度が整っていても、MR全員の勤務地希望を担保してくれるワケではないのです。
だって、社内にいる全てのMRに対して勤務地希望を叶えようとしたら、組織として収拾がつかなくなりますからね。
冷静になって考えてほしいのですが、全国転勤ありの仕事とは、誰かが割を食うからこそ成り立っています。
希望が叶うMRがいれば、希望が叶わないMRもいる。
前者にとっては万々歳ですが、後者にとっては意気消沈もいいところです。
でも、これこそがMRを取り巻いている現実でもあります。
極端なことを言えば、組織を運営するには“犠牲者”が必要なんですよ…
企業とは、就活生の皆さんが思っている以上に合理的かつ冷酷です。
MRが勤務地に関する制度を利用したところで、会社側は組織内での業務効率を考えた上で、異動の是非を判断するだけです。
よって、MR個人の希望が却下されるなんて展開は、珍しくとも何ともありません。
結局のところ、勤務地に関する社内制度を“過信”しては駄目なんですよ。
勤務地の制度云々について“参考”にする程度ならば問題ありません。
ですが、過度な期待を膨らませて“鵜吞み”にするのは絶対に駄目です。
“自分だけは、勤務地の希望が叶うだろうから大丈夫。”
そんな甘い考え方をしていると、MRとして就職してから後悔する可能性大です。
② 勤務地の“奪い合い”は部活のレギュラー争いと同じ
今この記事を読んでいる学生さんは、部活動の経験はあるでしょうか?
もし部活をやっている人であれば、そして特に運動部で活動している人であれば、多かれ少なかれレギュラー争いの経験があると思います。
野球ならば9人。
サッカーならば11人。
バスケットボールならば5人。
…といった具合に、レギュラーとして試合に出られる人数には制限があります。
では、チーム内で試合に出られるのは、一体どういった人間でしょうか?
これは言うまでも無いことですが、その競技において実力がある者が選ばれるのが普通ですよね。
だからこそ、試合に出るための“枠”を巡って、チーム内でレギュラー争いが発生するのです。
この“レギュラー争い”に関してですが、実はMRの転勤事情にも通じる要素があります。
勤務地の希望が通りやすいMRの特徴としては、まず何よりもMRとして優秀であるという点が挙げられます。
MRとしての実力に秀でている。
そんなMRだからこそ、会社側も優遇してくれるというワケです。
それは勤務地のみならず、給与や昇格といった各方面にまで影響が及びます。
優秀な人材には、好待遇で報いるようにする。
これは企業として当然のことです。
こういった形で褒賞を与えないと、優秀なMRはすぐに同業他社へと転職してしまいますからね!
先ほどは勤務地の“枠”についてお伝えしましたが、早い話、この“枠”とは部活のレギュラーみたいなものです。
上限が決まっている以上、奪い合いが生じるのは当然のこと。
MR同士で競争が起これば、必ず“優劣”という形で決着がつく。
そして、その“優劣”を判断するのは会社側に他ならない。
詰まるところ、そういった話です。
要するに、勤務地の奪い合いとは、部活のレギュラー争いと同じなんですよね。
優秀なMRであるほど、希望が通りやすい。
その逆に、実力が乏しいMRの希望は通りにくい。
部活とは異なり、表沙汰になる機会こそ少ないですが、勤務地について実力主義的な風潮は確実にあります。
自分が希望する勤務地で働きたいのなら、それ相応の実力を会社に示す必要があるのです。
③ 上司から嫌われているMRは転勤させられる
先ほどは部活のレギュラー争いに例えて、勤務地の争奪戦についてお伝えしました。
では、MRとして優秀であれば希望の勤務地をゲットできるのか?
MRとしての実力さえあれば、会社側は融通を利かせてくれるのか?
…と言うと、これもまた少し違います。
結論から言うと、いくらMRとして優秀であったとしても、勤務地の希望が叶わないパターンは多々あります。
なぜかと言うと、MRの転勤には上司の意向が関わってくるからです。
そして、この点こそが部活のレギュラー争いとは大きく異なる部分でもあります。
…というワケで、ここでも就活生の皆さんにとっては耳が痛くなる話をしようと思います。
学生と社会人との、決定的な違い。
それは“上司からの評価に左右される”という点です。
会社員として生活する以上、この鉄のルールからは絶対に逃げられません。
MRに関して言えば、勤務地だけでなく、様々な査定にも大きく関わってきます。
つまり、ただMRとしての実力があれば良いという単純な話ではないのです。
そのくらい、MRにとって上司の存在は重要です。
上司と言えども、所詮は人間です。
好き嫌いの感情を排し、合理的な判断に基づいて、MRごとの勤務地を考慮する。
そのような思考が出来るタイプの人物は、ハッキリ言って多くありません。
大抵は上司の主観(=好き嫌い)が入り込んでしまうものです!
MRの側からすれば、これが凄まじく厄介なポイントなんですよね。
どれだけ実力があるMRでも、上司から嫌われていたら勤務地云々の希望が通らなくなるからです。
極端なことを言えば、上司の胸先三寸で勤務地が決まってしまうのです。
繰り返し強調させて頂きますが、上司といえども、所詮は人間です。
人間である以上、客観的な視点で部下(=MR)を評価するのは難しいのです。
機械のように、冷静に、淡々と、そして合理的に物事を考えられるとは限りません。
MRの勤務地について考慮する際も、そこに“上司の私情”が入り込む余地は十分にあります。
不本意な転勤を強いられてきた、幾人ものMRたち。
その背後事情を読み解いていくと、そこには転勤を決定づけた要因の1つとして“上司の私情”が見え隠れするワケです。
東京で順風満々なキャリアを歩んでいたMRが、突如として北海道に転勤させられたり。
大阪への転勤を望んでいたMRが、なぜか九州に異動することになったり。
今のまま名古屋で働き続けたいと思っていたMRが、東京都内の激戦区域へと駆り出されたり。
上司の考え方ひとつで、上記のような目に遭うMRもいるのです。
MRという職業を目指すならば、こういった不可抗力に振り回される一面があることについて、どうか心に留めておいて下さい。
MRの転勤に伴う具体的なリスク&デメリット
MRのリアルな転勤事情について、何となくイメージが湧いてきたでしょうか?
ここからは、就活生の皆さんにとって気になるであろう、より具体的な転勤のリスク&デメリットについて解説します。
さてさて、今さらながらですが、就活生の皆さんに改めて尋ねたいことがあります。
一体なぜ、転勤をイヤだと思うのですか?
自分の胸に手を当てて、よく考えてみて下さい。
必ず、何か理由があるはずです。
地元で働きたいからでしょうか?
将来設計の邪魔になるからでしょうか?
親や恋人から反対されているからでしょうか?
おそらく、転勤に関わる悩みの正体は十人十色かと思います。
そして、その悩みの度合いも千差万別かと思います。
就活でMRを目指すのなら、一度そういった悩みについて深く考えてみるべきです。
…が、自分の中にある“転勤への不安”について、冷静に見つめられない人たちも多いことと思います。
そこで、老婆心ながら就活生の皆さんにアドバイスをさせて頂きます。
さて、私はこのブログを2018年に解説して以来、何人かの学生さんから【問い合わせフォーム】を通じて就活相談に応じたことがあります。
その経験上、就活生がMRの転勤について不安視するポイントとしては、大まかに3種類あると思っています。
その内訳がこちらです。
② 地方(田舎)に配属される可能性がある
③ 結婚後も転勤族でいられる自信が無い
①~③まで、どれもこれも人生を左右するだけの影響力があります。
だからこそ、就活生の皆さんが尻込みしてしまうのも理解できます。
…と言うか、これら①~③への認識が甘いまま就職した場合、いつか後悔すること待ったナシです。
MRという職業への理解が不足していると、いざMRとして働き始めてから自分の首を絞める可能性があるのです。
そこで、ここから先は私自身の実体験を交えながら、就活生の皆さんに知ってほしい“負の側面”について話をしようと思います。
就活生の皆さんが“MRとして働く自分”をイメージする際に、参考にして頂けたら幸いです!
① 現在付き合っているパートナーと遠距離恋愛になる覚悟はありますか?
就活を頑張っている学生さんの中には、現在付き合っている彼氏・彼女との将来について考えている人も多いかと思います。
いつくらいの時期に結婚するか?
結婚資金をどのくらい貯めるか?
結婚後、どんな土地に住むか?
こういった未来に思いを馳せるのは、決して悪いことではありません。
しかし、そこまでお互いの将来について真剣に考えているのであれば、MRという職業を目指すのは考え直した方が良いかもしれません。
…と言うのも、もう何度目になるか分かりませんが、改めてお伝えします。
MRとは“転勤ありき”の職業です。
それは即ち、日本全国のどこに赴任するか分からないことを意味しています。
そのため、MRとして就職するならば、パートナーと遠距離恋愛になる覚悟を持った方が良いです。
付け加えると、MRとして働きながら遠距離恋愛をするのは、中々ハードであることを付記させて頂きます。
もし彼氏・彼女がいない学生さんは、このパートは読み飛ばしてください!(汗)
大原則として、新卒MRの場合は初任地がどこになるか全く分かりません。
その後も、大体5年くらいの間隔で転勤を命じられます。
(※転勤の頻度に関しては、製薬会社によって多少異なりますけど。)
悪く言うならば“根無し草”のような生活を強いられるワケです。
要するに、現在付き合っているパートナーとの関係を続けるためには、遠距離恋愛を余儀なくされる可能性が極めて高いのです。
そのような労働環境の中で、学生時代のパートナーと結婚まで漕ぎ着けるのは、そう簡単な話ではありません。
第一に、初任地の場所次第では頻繁に会うことが不可能になります。
第二に、MRの仕事というのは決して生易しいものではありません。
とりわけ後者の事情についてですが、新人MRのうちは業務に慣れることだけで精一杯なはずです。
このブログでも幾度となく記事化してきましたが、MRの仕事って楽じゃないですからね。
まず、MR認定試験を含めて【とにかく勉強が大変です】。
他には、顧客である医師や薬剤師との関係を構築するにも骨が折れます。
理不尽なクレームを叩き付けてくる医療従事者なんて、この業界内には大勢いますからね。
(※完全に余談ですが、ここ最近だと個人的には【薬剤師からの嫌味っぽいクレーム】が結構キツかったです。)
正味な話、自分は悪くなくても、MRとして頭を下げないといけない場面は多々あります。
そんな状況の中、遠方にいるパートナーを気遣うだけの精神的余裕が残るかと問われたら、おそらく難しいのかなと。
“MRとして就職した彼氏・彼女から、連絡が途絶えがちになった。”
ネット上の掲示板などを覗いてみると、そのような書き込みが大量にあります。
実例として、そのうちのいくつかをご紹介します。
いかがでしょうか?
こういった事情により、新卒MRが遠距離恋愛の末に破局してしまったという事例は、業界内で後を絶ちません。
もし現在付き合っているパートナーとの将来設計を優先するのであれば、悪いことは言いませんので、MRを目指すのは止めた方が良いかと思います。
② 地方(田舎)に配属される覚悟はありますか?
東京や大阪などの大都市出身の新卒MRほど、地方への配属を嫌がる傾向があります。
何だったら、札幌・仙台・新潟・広島・福岡といった各地方にある政令指定都市ですら、根っからの都会人MRは“田舎”として認識しています。
まあ、生まれも育ちも都会である以上、田舎への忌避感が強いのは無理からぬ話です。
私自身は田舎出身のMRですので、頭ごなしに田舎を否定されると悲しい気持ちになってしまいますが…
都会出身の人ほど、田舎に対してネガティブな感情を抱いてしまうのは、ぶっちゃけ仕方ないと思っています。
実際のところ、田舎特有の不便さが存在するのは事実ですからね。
加えて言うと、若い人ほど田舎の悪点には敏感なものです。
20歳前後であろう就活生の皆さんにとっては、尚更かもしれません。
…で、案の定とでも言うべきか、いざ地方(田舎)へと配属されたら『田舎過ぎて無理』『今すぐに僻地から脱出したい』などと嘆く新卒MRが後を絶ちません。
今まで筆者がMRとして働いてきた経験上、そのような新卒MRを何人も見てきました。
友人もいないし、知人もいない。
都会と比べて、娯楽施設も圧倒的に少ない。
地域によっては、同年代の異性と知り合うことすら難しい。
東京や大阪などの大都市へと行くだけで、新幹線または飛行機で何時間も要する。
そんな縁も所縁も無いような土地で、何年間も働くことを強いられる。
まだ20代の若者にとって、これは想像以上にキツいものです。
平気な人は平気だけど、無理な人には無理。
それが地方配属の実態です。
元から地方(田舎)に慣れている人間でないと、この苦しみには耐えられないかと…(汗)
繰り返しお伝えしたいのは、札幌や福岡のような政令指定都市レベルの街ですら、文句を言う新卒MRがいる…という点です。
SNSなどを覗いてみると、自分の初任地をボロクソに叩いている新卒MRが毎年のように現れます。
田舎を嫌うのは個人の価値観ですから、それ自体は否定しないのですが…
長年MRとして働いている自分にとしては『そこまで田舎に配属されるのがイヤなら、最初からMRを目指すべきではなかったのに…』などと思ってしまいます。
確かに、年齢を重ねるにつれて勤務地への価値観が変化することはあります。
人間の価値観とは、決して不変ではありませんからね。
かくいう私自身、20代の頃は勤務地について特に拘りはありませんでした。
結婚して30代となった今だからこそ、勤務地を重視するようになってきた…という感じですので。(汗)
結婚に伴う心境の変化については、後ほど詳しく述べます!
しかしながら、です。
ここで私が問題視しているのは“初任地が決まった段階で不満を漏らす新卒MRがいる”という点です。
再三のことで恐縮ですが、MRとは“転勤ありき”の職業です!!
つまり、初任地がどこになるかは全く分からないのです。
早い話、これは“勤務地ガチャ”であり、言ってみれば運ゲーみたいなものですからね。
初任地は、東京や大阪といった大都市かもしれない。
いやいや、札幌や福岡といった地方の政令指定都市かもしれない。
はたまた、政令指定都市よりも小規模な街かもしれない。
こういったギャンブル要素を受け入れる覚悟が無いままMRとして就職すると、取り返しがつかない事態となります。
まさに、後悔先に立たず…というヤツです。
ですから、今この文章を読んでいる就活生の皆さんには『もしかしたら地方(田舎)に配属されるかもしれない』という可能性について、よく考えてほしいのです。
初任地に拘りがある学生さんは、MRを目指すこと自体を見直すべきかもしれません!
③ 結婚しても転勤族を続ける覚悟はありますか?
どこまでもMRに付いて回る転勤事情。
そんな転勤も、もしMR本人が納得していれば大した問題ではありません。
しかし、既婚者かつ家庭人であるMRにとっては、そう単純な話ではなくなってきます。
もし仮に家庭を持っているMRであれば、転勤による影響はMR本人のみならず、その家族にも及びます。
配偶者の仕事。
子供の教育。
親の介護。
これらの物事に対して、多かれ少なかれ支障が出ることでしょう。
かくいう私自身も、転勤によって妻が仕事を辞めざるを得なくなった…という苦い過去があります。
その一件を通じて、私は“転勤が家族に及ぼす影響”について痛感しました。
私は転勤という事態に直面して初めて、転勤が家族にも負担を強いることを学んだのです。
(※詳細について興味がある人は、下の記事をご覧ください!)
MRの全国転勤が結婚時に引き起こすマイナス影響とは?現役MRの実体験をお伝えします!
まだ私が20代だった頃、正直に言うと転勤を舐めていました。
MRとしてキャリアを積むためならば“転勤上等!”とさえ思っていたんですよ。
しかし、今にして思えば、それは独身であるが故の楽観的思考でした。
家庭を持ち、30代となった今、転勤とは色々な意味で“人生の重荷”であると感じています。
一応、今のところ私はMRを辞める予定はありません。
ですが、今後ますます転勤による負荷が増大するようなら、もしかしたらMRという働き方に見切りを付ける日が来るかもしれません。
独身だった20代での“想像”と、家庭を持った30代での“実感”には、大きな隔たりがありました。
私は今、その事実について肌身で感じています。
これが嘘偽りの無い、現役MRとしての本音です!
ですから、就活生の皆さんには“後々の人生に転勤が与えるであろう影響”について、よく考えてほしいのです。
もし独身であれば、転勤云々は自分1人だけの問題だと言えます。
しかしながら、結婚し、子供が生まれ、親の介護を考える年代に差し掛かると、転勤によって家族を巻き込む可能性が生じてきます。
そして、もしそういった局面に陥った場合、MRは心身ともに苦しむ可能性大です。
なぜなら、もはや自分1人の問題ではないからです。
なおかつ都合が悪いことに、会社側はMRの家庭事情なんてお構いナシです。
会社(または上司)に転勤したくない事情を伝えたとしても、この記事の中盤でお伝えした通り、会社側がMRの事情を汲んでくれるとは限りません。
それどころか、よほど優秀なMRでもない限り、会社側が聞く耳を持ってくれるかどうかすら怪しいです。
製薬会社のMRを目指して就活するならば、後々こういった未来が待ち構えている可能性もあります。
そのことだけは、頭の片隅で覚えておいて下さい。
最後に:転勤する覚悟があるならMRの選考を受けてみよう!
私は決して、就活生の皆さんに『MRなんて目指さない方が良い!』と言いたいワケではないのです。
私が言いたいのは『MRを目指すならば、転勤を受け入れる覚悟を持つべきである!』ということです。
転勤がもたらす、生活や人生への影響。
これについて知らないままMRとして就職してしまえば、いざ転勤する場面に直面した際、後悔することになりかねません。
勤務地の制度が整っている会社に入ったはずなのに、不本意な転勤を強いられた。
そのせいで、学生時代から考えていた人生プランが破綻してしまった。
そんな展開にでもなったら、間違いなく不幸な結末だと言えるでしょう。
だからこそ、就活をしている現段階において、よくよく考えてほしいのです。
初任地が地方(田舎)であっても、自分は後悔しないだろうか?
地元から遠く離れた土地に配属されても、本当に大丈夫だろうか?
30代や40代になっても、転勤族として生活できるだろうか?
こういった事柄について深く考えておかないと、数年後には後悔する可能性大です。
“転勤”という2文字には、それ程までに様々なマイナス要素が付随してきます。
その一端について、少しでも就活生の皆さんに伝えられれば思い、この記事を執筆しました。
誇張でも何でもなく、マジで転勤は生活環境を激変させますよ!
ハッキリ言って、MRの転勤に伴うリスクやデメリットを挙げたらキリが無いです。
それこそ、今この場ではとても語り尽くせないくらいです。
この記事内で挙げた内容なんて、本当にごく一部に過ぎません。
よって、この記事を読んでMRを目指すことに忌避感が湧いてきた人は、就活の方針を見直すことをお勧めします。
しかし、それでもなお“MRを目指したい!”という気持ちがあるならば、是非ともMRの選考を受けてみて下さい!
むしろ、そのくらいの覚悟が固まっている就活生ならば、MRとして上手くいく可能性は高いです。
就活も、MRの仕事も、最終的には気力での勝負になります。
古くさい精神論のように聞こえるかもしれませんが、苦しい状況に陥った時ほど、精神的な強さが問われるのは間違いありません。
もちろん、知識・経験・人脈といった要素も大切ですけど、それらをフル活用するには強い意志が必要です。
転勤という要素を踏まえて、どうか自分自身の力で未来を勝ち取ってください!
陰ながら応援しております!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
コメント投稿はこちら
おっしゃる通り、そもそも転勤が嫌ならMRは止めておいた方がいいよ…としか言えないです。毎回いるんですよね、「自分は都会に配属される」という根拠のない自信を持ってる新人。そういう奴に限って地方配属になり、発表時に泣き崩れるまでがお約束です笑
そんなに地方が嫌なら、なんで全国転勤がデフォルトの会社に就職したの?と疑問でしかありません。
逆に考えれば、MRの高待遇や手厚い家賃補助はそういったリスクに対しての対価とも考えられますからね。
最終的に個人が何を優先されるかにもよるけど、お金だけなら他にも良い仕事あるし、MR以外の仕事した方がいいよ…と私ならアドバイスしますね笑
you2さん
コメントありがとうございます!
根拠なき自信は若さ故だとも思いますが、結果的に地方(田舎)に配属されて苦しんでいる新卒MRたちを見ていると、私個人としては気の毒に思えてなりません。
就活での情報収集が足りず、製薬会社への入社後に全国転勤の恐ろしさを思い知ったのでは遅過ぎる。
そのように思いまして、就活生への警鐘を鳴らす目的でこの記事を執筆しました。
確かにMRは高給取りで福利厚生も恵まれていますけど、それはyou2さんが仰る通り「勤務地を選べない」という職業特性への対価でもあります。
MR志望の学生さんには、その事実を正しく理解してもらいたいものです。
新卒だと、やっぱり社会経験の少なさから、希望勤務地制度とかリモートMRなどの社内制度をいつか自分も享受できるとどうしても思ってしまうところはあるかもしれないですよね。リモートMRなんてほんと一握りの実力者か女性か、って感じです。
勤務希望地も首都圏や政令指定都市クラスは除外だったりしますよね…
かくいう私も全国転勤は舐めてました(笑)。結婚して子供ができて転勤は苦しいし、社内の枠を勝ち取れないと判断して異業種の臨床モニターに転職しました。
amazonicsさん
コメントありがとうございます!
仰る通り、首都圏や政令指定都市は人気があるため社内での競争率も高く、勤務地についての希望が叶わないMRは後を絶ちません。
制度はあっても、自分がその制度の恩恵を享受できるとは限らない。
これは社会人として経験を積めば自然と悟る部分なのですが、学生の立場だと「制度」という2文字だけに意識が向きがちですよね。
それもまた仕方のないことだと思う反面、やはり学生の皆さんにはMRという職業の「現実」について正しく知ってほしいと思いまして、本記事を執筆しました。
それと私見ですが、全国転勤を避けるために転職されたのは英断だと思います!
かくいう私自身はと言うと、全国転勤のリスクと付き合いつつ悶々と働いています…(汗)