MRにとっても他人事ではない!?旭川医科大学への建造物侵入容疑で逮捕された新聞記者について思うこと

MRの仕事

こんにちは、アラサーMRのヒサシです。

2021年の6月、旭川医科大学に侵入した新聞記者が現行犯逮捕されたとのニュースが流れました。

その翌月(7月)の時点では一旦釈放されたものの、警察署による捜査は続いていると報じられています。

 

旭川医大に記者侵入、北海道新聞が調査報告掲載…「先輩の指示で立ち入り」

 

どうやら旭川医大側はコロナ感染の拡大防止のため、関係者以外は構内への立ち入りを禁じていたようです。

医薬品業界的には珍しくとも何ともない、いわゆる訪問規制が厳しい病院という印象を受けますね。

そんな旭川医大の意向に反して、6月22日に大学関係者ではない外部業者(新聞記者)が構内に入り込み、建造物侵入の容疑で逮捕されてしまったわけです。

訪問禁止の施設に対して、何かしらの理由をつけて直接訪問をしているMRにとっては肝が冷えるニュースですよね。

ちなみに、逮捕された新聞記者は6月24日に釈放され、現在は在宅での捜査を受けているとされています。

極端に悪質な犯行というわけではないとの意見もあり、不起訴になる可能性が高いとも囁かれています。

ですが、最終的には果たしてどうなるでしょうか…。

(※逮捕されたからとって、そのまま起訴されるとは限らない。)

このニュースを見て、私はMRにとっても他人事ではないと感じたんですよね。

詳しくは後述しますが、刑法130条に記載されている『建造物侵入罪』は私たちMRにとっても無視できない存在です。

MRも下手をしたら、現行犯で逮捕された今回の新聞記者の二の舞になりかねません。

病院などを含む建造物の所有者側がその気になれば、外部業者のことを正当な理由なくして侵入してきたとして、警察に突き出せるワケですからね。

そこで、本日はMRと建造物侵入罪の関係性について記事を書いていました。

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旭川医科大学での新聞記者逮捕の概要

今回の逮捕劇は色々なニュース・媒体で報道されています。

そこで、新聞記者が逮捕されるに至った経緯について、自分なりに要点をまとめてみました。

【要点】

・逮捕されたのは北海道新聞社に勤めている22歳の女性記者である

・新聞記者は看護学科棟4階に侵入した

・旭川医大側は外部の人間による構内への立入りを禁じていた

・看護学科棟4階の会議室にて学長選考会議が行われており、新聞記者はその内容を廊下側から録音していた

・旭川医大側が新聞記者を問い質した結果、『学外者が侵入してきた』と判断して警察に通報した

【建造物侵入罪とは?】

正当な理由なしに、他人が所有している建造物や艦船に入り込む犯罪のこと。

もし建造物侵入罪が適用される場合、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処される。

ただし、住居に侵入した場合は『住居侵入罪』となる。

(刑法130条より)

参考:ベリーベスト法律事務所

いかがでしょうか?

建造物侵入罪とは、簡単に言うと『不法侵入』のことです。

この罪状の怖いところは、建物そのものだけでなく、その建物に付随する敷地(病院であれば駐車場やロータリーなど)に侵入した場合も犯罪として成立してしまうという点です。

例えばですが、病院にとっての部外者が正当な理由なくして駐車場をウロウロしていてる場合、法律的には犯罪要件を満たす可能性があります。

さて、以上の内容を踏まえて、旭川医大の新聞記者逮捕について感想を述べていこうと思います。

これって多分ですけど『無断で侵入したこと』よりも『無断で録音していた』ということの方がマズかったのではないでしょうか?

そのことが、旭川医大側の逆鱗に触れてしまった印象を受けます。

逆の見方をすれば、無許可で旭川医大の建物に入った程度なら、ここまで大事にはならなかったという気もします。

新聞社やジャーナリストの常識はともかく、おそらく旭川医大側にとっては『自分たちに無断で録音した』という新聞記者の行為に怒り、警察に通報したのではないでしょうか。

まあ、法律の観点から考えてみると、無断で侵入した時点で建造物侵入罪の要件は満たしています。

結局のところ、新聞記者は録音云々ではなく、建造物侵入容疑で逮捕されているワケですからね。

ヒサシ
ヒサシ

それにしても、わざわざ警察を呼ぶなんて旭川医大も容赦ないな…

何れにせよ、理由はどうであれ建造物の所有者側がその気になれば(=警察に通報すれば)、外部から侵入してきた人間は簡単に逮捕されるということが分かりました。

全く、恐ろしい話です。

詳しくは後述しますが、これはMRにとっても他人事ではない一件だと思っています。

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今回の逮捕事例はMRがアポイントなしで病院内を徘徊するのと似ている?

このご時世、MRへの訪問規制を行っている病院は山のようにあります。

完全アポイント制で、なおかつ入館時に厳しいチェックをMRに強いる病院。

アポイント云々とは関係なく、例外なくMRの訪問自体を禁止している病院。

こういった病院は元々多かったかと思いますが、2020年のコロナ禍以降はさらにMRへの訪問規制が加速しました。

しかし、こういった施設においても“強引に”直接訪問しているMRは存在します。

ヒサシ
ヒサシ

勇敢”と言うべきか、“無謀”と言うべきか難しいところです…

アポイントがないのに医局前で出待ちするMR。

入館禁止にも関わらず、外来付近で医師を待ち伏せするMR。

院内の敷地内にある駐車場にて、帰宅しようとしている医師に声を掛けるMR。

こういった行為に及んでいるMRが一定数いるのも事実です。

極端なことを言えば、病院側から『来ないでください』と言われているにも関わらず、その意向を無視しているようなものです。

訪問規制先への強引な直接訪問はMRの独断なのか?

それとも上司からの指示なのか?

あるいは、組織(会社)ぐるみでの活動なのか?

この辺りの事情は様々ですが、少なくとも、病院側からは歓迎されない行為であることは間違いありません。

こういった訪問規制先での活動についてはMR同士でも賛否が分かれるテーマであり、ハッキリ言って正解はありません。

ヒサシ
ヒサシ

一応、私自身はリスクを負ってまで訪問規制先に突撃することについては反対派です!

以上の内容を踏まえて、旭川医大での新聞記者逮捕の一件について考えてみましょう。

仮に完全訪問禁止先にMRが直接訪問して、何らかのやり方で院内に立ち入ったとする。

客観的に考えると、建造物(病院)の意思に反して、部外者(MR)が侵入しているという状態です。

もうこの時点で、建造物侵入罪の要件は満たしていると考えられます。

これってメチャクチャ怖くないですか?

極端な話、病院側の人間が『この人は部外者だから警察に通報しよう』とでも思い立ったら一発でアウトです。

法律上は建造物侵入罪が成立しているであろう状態ですから、警察が来たらほぼ間違いなく逮捕は避けられないでしょう。

逮捕されれば当然、取調べ・拘留されることにもなり、外部への連絡すらも不可能な状態になります。

まあ、逮捕される=起訴される(有罪となる)とは限りません。

そのため、逮捕だけであれば大したことは無いという意見もあるかもですが…

普通のMR、いやサラリーマンにとって、逮捕されて警察署に連行されるだけで社会的・精神的ダメージは甚大ではないでしょうか?

ヒサシ
ヒサシ

自分が逮捕されるなんて考えたくもない…!!

たとえ自分に悪意がなくとも、病院側が温情的な対応をしてくれるかどうかは分からないのです。

考えようによっては、訪問ルール違反で病院から出禁を食らったり、本社にクレームを入れられる程度なら、まだ可愛いものだとさえ思えます。

 

不要不急のMR訪問によって基幹病院の薬局長がブチ切れた!この機会に製薬会社の裏側を知って欲しい!

病院でのMR訪問規制は、実はMRの自業自得である!と思った話

 

もし警察沙汰となり、逮捕⇒拘留⇒起訴⇒有罪判決とでもなったら笑い話にもなりません。

少なくともMRとしてはクビでしょうし、その後の社会生活にも支障が出ます。

逮捕歴があることで転職も上手くいかず、世間からは後ろ指を指され、家族にも迷惑を掛ける。

ハッキリ言って、良いことなんて1つもありません。

そう考えると、訪問規制先(特に完全訪問禁止先)への直接訪問とは、とんでもなくリスクの大きい行為だということがよく分かります。

もし建造物侵入容疑で逮捕されたら製薬会社はMRを守ってくれない!?

あくまで仮定の話ですが、完全訪問禁止先にてMRが直接訪問し、その結果、MRが警察に通報されて逮捕されたとします。

付け加えて、上司(会社)はMRによる完全訪問禁止先への訪問活動について、ある程度は知っていたとします。

こういった場合、会社は逮捕されたMRのことを守ってくれるでしょうか?

そして、上司は逮捕されたMRのことを助けてくれるでしょうか?

これまた私の勝手な意見ですが…

おそらく、会社も上司もMRを見捨てる可能性が高いのではないでしょうか?

ヒサシ
ヒサシ

邪推しまくりでスイマセン(汗)


MRが訪問禁止先に直接訪問したことは、MRの独断でやったことだ!
上司として、法律を冒してまで訪問活動しろとは言っていない!
だから自分(上司)には責任はない!
ましてや、組織(会社)としては、こんな悪質な営業活動には関知していなかった!
だから会社にも責任は一切ない!
これは全て、逮捕されたMRが悪いんだ!

まさにトカゲの尻尾切りというか、こんな感じで逮捕されたMR“だけ”を悪者として仕立て上げてくる気がしてなりません。

刑事事件が起きた場合における会社の仕事とは、会社本体が不利益を被らないようにすることです。

その際、上司は会社からの指示に従うのが仕事です。

罪の連座を拒むために、上司も会社も知らぬ存ぜぬを決め込む。

そして、逮捕されたMRに全責任を押し付ける。

つまり、“小を捨てて大にく”ということです。

これこそが会社という組織の本質ではないでしょうか?

こんな文章を書いている私自身も、ぶっちゃけ釈然としない気持ちがありますが…

こんな具合に、会社による非情な一面を忘れてはならないと常々思っています。

MRが上司の指示に対して盲目的に従うのは危険!!

ここまで書いてきてふと思ったことがあります。

訪問規制先に病院に対して、訪問ルールを無視してでもガンガン直接訪問しろという指示を出してくるタイプの上司っているじゃないですか。

あるいは、訪問規制先での直接訪問(特にアポイントなしの場合)を成功事例として取り上げるタイプの上司。

そのような上司は、こういった建造物侵入罪の仕組みについて知っているのでしょうか?

もし知っているのなら、法律に触れるリスクについて理解した上で指示を出しているのでしょうか?

もし法律を知っていてこういった指示を出しているのなら、その上司はとんでもないクズ人間ということになりますね。

部下(MR)が法律違反する可能性があるにも関わらず、そんな指示を出すような人間は上司の風上にも置けません。

私だったら、そんな上司の下では絶対に働きたくありません。

いや、もし上司に建造物侵入罪に関する法律知識がないとしても、それはそれでタチが悪い。

理由はどうあれ、部下に法律を冒すリスクを負わせているのは事実ですからね。

警察に通報され、そして逮捕という展開にでもなったら法律について詳しく知りませんでしたでは済まされないのです。

ちょっと話は変わりますが、この記事の序盤で書いた新聞記者は22歳でした。

22歳という若さでは、建造物侵入罪や、それに関連する法律について知らなかったとしても無理はありません。

しかしながら、若いからとか、法律について疎かったとか、そういった事情とは関係なく新聞記者は逮捕されてしまった。

これは紛れもない事実です。

ヒサシ
ヒサシ

ある意味、逮捕された新聞記者は“被害者”なのかもしれない…

これをMRに置き換えて考えてみましょう。

もしかすると20代前半くらいのMRだったら、上司から指示されたことについて、疑うことなく忠実に実行してしまうかも知れません。

若いMRほど、良くも悪くも素直な傾向がありますからね。

もし完全訪問禁止先があったとしても、上司から『つべこべ言わずに直接訪問しろ!』と指示されたら、その通りに行動する若手MRも少なくないでしょう。

しかし、そこに大きな落とし穴が潜んでいる。

しかも、人生において取り返しがつかないほどのダメージを受けるであろう落とし穴。

そう考えてみると、上司の指示だからいって盲目的に従うのは危険と言わざるを得ません。

上司とて、所詮は会社員に過ぎません。

有事の際、部下(MR)の人生のために何らかの責任をとってくれるかどうかは怪しいものです。

何れにせよ、MRは上司の言葉を鵜吞みにせず、自分の頭で考えて判断することが大切です。

もし上司からの指示に違和感があるのなら尚更です。

ましてや法律に触れる可能性のある行為を強いられたときは、上司に従うのではなく、自分の良心に従うようにしましょう。

まとめ:MRにとっても建造物侵入罪は他人事ではない!

今回、旭川医大での新聞記者逮捕のニュースを見て、こんな記事を書いてみましたが…

法律ってやつはマジで恐ろしいですね!!

冗談抜きで、知らなかったでは済まされない。

私は別に法学部の出身でもなければ、知り合いに法律関係者がいるわけでもありません。

ですが、この記事を書くにあたって、自分なりに色々な法律・判例・刑罰について調べてみました。

その過程で、法律について知っておくことは大切なんだなぁと心底思ったんですよね。

ヒサシ
ヒサシ

法律の仕組みを正しく理解しておかないと、いざという時に自分の身を守れない…!!

訪問規制を行っている病院側がその気になれば、MRなんていくらでも警察に突き出せる。

そうなってしまったら最後、もしMRに悪意が無かったとしても逃れるすべはない。

そのことが骨身に染みるほど理解できました。

とはいえ、流石に『MRが病院への建造物侵入罪で逮捕された』なんて事例は今まで聞いたことがないです。

(※私が知らないだけで、世の中には建造物侵入罪で捕まったMRもいるかもしれませんが…)

しかしながら、MRを警察送りにするかどうかの決定権は病院側が持っているのも事実です。

実際に病院側が警察に通報し、MRが逮捕されてしまう可能性が1%なのか2%なのかは知りませんが、少なくとも0%ではない。

法律に則って考えてみると、MRが圧倒的に弱い立場にある。

…という前提で考えてみると、訪問規制先であってもガンガン直接訪問しているMRがいるとしたら、そのMRは大変危ない橋を渡っているということになります。

こういった営業活動とは、文字通り『自己責任』ということですね。

有事の際に、上司や会社はMRのことを助けてはくれないでしょうし…。

何だかんだ言って、自分の身は自分で守るしかありません。

訪問規制先への営業活動について、慎重に行うに越したことはないと改めて感じました。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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