こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
今回はMRとMSの関係性を語る上で、特に大切だと思う要素について記事を書いてみました。
この記事のテーマとは、ずばり“利害”です!!
この“利害”が一致するからこそ、MRとMSが協力関係を結ぶことが出来るのです。
言い換えれば、“利害”が一致しなければMRとMSが手を組むことはあり得ません。
この“利害”という言葉に対して、もしかしたら汚いイメージを持っている読者さんもいるかもしれません。
しかし、綺麗か汚いかを問わず、この“利害”という言葉を軽視してはいけません。
なぜなら、ビジネスとは基本的に“利害ありき”で話が進んでいくものだからです!!
それはMRとMSの仕事においても例外ではありませんし、むしろメチャクチャ重要な要素だと言えます。
そもそも“利害”とは何でしょうか?
…ということで辞書を引いて確認してみましょう。
つまり、簡単に言うならば“損”と“得”ですね。
自分にとっての損得と、相手にとっての損得。
これらが一致するかどうかで、相手との関係性は大きく変わります。
一致するならば、手を組んで仕事をすることが出来る。
一致しないならば、お互いに協力し合う理由はどこにも無い。
この場合、特に厄介なのは後者です。
片方の立場では利益になるけど、もう片方の立場では不利益になる。
こんな具合に互いの利害が対立すれば、当然ながら関係悪化は避けられません。
事と次第によっては、自分の主張を通すために相手と争わなければならない場合もあります。
どんなに善良なMRであっても、どんなに温厚なMSであっても、この“利害の呪縛”からは逃げられません。
お互いに利用し、そして利用される。
それはMRとMSにおける一般的な姿ですけど、その関係性が利害に基づいている以上、両者が常に仲良くするのは難しいものです。
その辺りのリアルな事情について、私自身の実体験を交えながら紹介させて頂ければと思います。
私見ですけど、MRとMSは“信頼関係”よりも“利害関係”を大切にするべきだと思っています!
大前提:MRとMSは“敵”にも“味方”にもなり得る
例えばですが、あるクリニックで新製品を売りたいMRがいたとします。
そして、そのクリニックにてシェアが高い卸Aと、シェアが低い卸Bがいたとします。
前者はクリニックの院長との付き合いが長く、その分だけ院長からの信頼も厚い。
後者はクリニックとの取引を始めてから日が浅く、まだまだ新参者扱いされている。
この場合、MRにとっては“良い味方”となり得るのは、卸Aと卸Bのどちらでしょうか?
当然ながら、正解は卸Aです。
卸AのMSを頼れば、面会アポイントの取得なり、説明会の開催なり、MRとしての業務がスムーズに進む可能性が高いからです。
もし私自身がこの状況に置かれたら、よほど特別な理由が無い限り、卸AのMSと手を組むでしょう。
しかしながら、MRと手を組んでもらえなかった卸BのMSとしてはどうでしょうか?
MSの仕事とは、メチャクチャ簡単に言うと『製薬会社の薬を自社から納入すること』です。
この“自社から”というのが大変な曲者でして、極端なことを言えば自社に非協力的なMRなんて“敵”でしかないのです。
卸Bにとって、卸Aは同業者であり、互いに鎬を削り合う“敵”です。
そして、そんな卸Aに肩入れするMRもまた、卸Bにとっては“敵”なのです。
要するに“敵の味方”は“敵”なんですよね。
それは即ち、利害が対立している状態であるとも言えます。
利害が一致しないからこそ、このような不和が生まれるのです!
MRが卸Aと組んでいる以上、卸BとしてはMRの協力は望めない。
では、この状況で卸BのMSには何が出来るでしょうか?
卸Bとして最優先で行うべき仕事とは、果たして何でしょうか?
これに関しては『卸AとMRの仕事を妨害すること』という一言に尽きます。
…といった具合に、卸Bとしては商売敵である同業者の成功なんて、ウザくてウザくて仕方ないワケですよ。
だからこそ、卸Aと手を組んでいるMRも“敵”と見做して、あの手この手で潰しにかかるのです。
利害が一致していない手前、こういった状況下では卸Bが過激な手段に走ることも少なくないですし。
このように、MRとMSの関係性は意外と複雑なんですよね。
状況が違えば、立場も違ってくる。
利害が一致するかどうかで、お互いに“敵”にも“味方”にもなり得る。
それこそがMRとMSの真理であり、今日も今日とて、利害を巡って全国各地にてシビアな営業合戦が繰り広げられているのです。
ビジネスは“利害”の一致こそが重要
今でこそ、こんな記事をブログで書いている私ですが…
実を言うと、新人MSだった頃は利害云々を重視して活動することについて忌避感を抱いていました。
何と言うか、損得感情で動くことに関して釈然としなかったのです。
むしろ、利害の一致・不一致によって手を組む相手を変えるということ自体、汚い大人がやる事ではないかとさえ思いました。
こんな思考のループに嵌ってしまい、MSとして1年目~2年目くらいの時期は悶々としていました。
しかし、今にして思うのは“当時の自分は馬鹿だった”ということです。
仕事に“綺麗”も“汚い”もありません。
大切なのは“成果”を叩き出すことであり、美しい理想を掲げることではない。
学生気分が抜け切らず、ただただ“MRと仲良くなること”に固執していた当時の自分は、ビジネスに即した考え方ができない馬鹿野郎そのものでした。
こんな甘っちょろい考えで仕事を回せるほど、この業界は優しくありませんからね!(汗)
先述した通り、MRとMSは利害が一致するからこそ行動を共にします。
その一方で、利害の不一致によって対立も生じます。
でも、ある意味それは自然なことなんですよね。
その現実が、当時の私にはまるで分かっちゃいなかったのです。
そもそもな話、MRとMSとは別々の会社に所属しているサラリーマンです。
それぞれの会社ごとに方針というものがあり、そこで働く社員は社命に従う義務があります。
つまり、医薬品卸からの指示に従うMRなんていませんし、製薬会社からの指示に従うMSもいないワケです。
MRも、MSも、あくまで自社の利益のために動いている。
その過程で、他社の人間と手を組めるのなら、それも良し。
逆に、他社の人間が妨害してくるのなら、毅然として態度で対抗する。
ハッキリ言って、ただそれだけの話なんですよね。
そして、その際に判断材料として重要になってくるのが“利害”なんですよね。
お互いの業務遂行を考えた際に利害が一致するからこそ、異なる会社の人間同士が手を組み、同盟が成立するということです。
そして、その同盟とは“共通の敵”がいる時にこそ最大の効果を発揮します。
ドラゴンボールで例えるなら、悟空とピッコロが“共通の敵”であるラディッツを倒すために手を組むようなものです!
実際のところ、MRとMSは“共通の敵”がいるからこそ仲良くなるというのも事実です。
“敵”の動きを妨害し、牽制し、封じ込める。
そして、“自分たち”の利益を最大化するために作戦を練る。
MRにとっても、MSにとっても、こんなことは日常茶飯事です。
…と言うか、両者ともに営業職なのですから、お互いに数字に追われる中で最善の策を模索するのは当然のことです。
結論として、利害関係に基づいて手を組む相手を選ぶことは、何もおかしくはないのです。
恥ずべきこと、疚しいことなどでは決してない。
それどころか、MR・MSにとっては仕事を円滑に進めるために必須の考え方だと言えます。
最初から相手に“信頼”を求めてはいけない
ここまで幾度となく利害利害と言ってきた私ですが、こう見えて“信頼”も大切だと思っています。
ただ単に“利害”だけの関係だと、土壇場で相手に裏切られることもありますからね。
相手にとっての利益なんてどこ吹く風で、とにかく自分の利益だけを追求し、最終的にはちゃっかりとタダ乗りする。
要領の良い人間ほど、そんなことを目論んでいるものです。
まあ、こういった“要領の良さ”に長けている人間ほど出世するんですけどね…(汗)
では、そのような利己的な人間を避けるためにはどうすれば良いのでしょうか?
その答えの1つが“相手が信頼するに足る人物かどうか”を見極めることだと思います。
しかし、この見極めというのは容易ではありません。
私が新人MSだった頃は社会人経験の浅さが仇となり、MRに都合よく利用されてしまったことが何度もありました。
その教訓から【人を見る目について鍛えられた】という側面もあるのですが、過去の経験を振り返ってみて思うのは、他社の人間を心の底から信頼するのは本当に難しいということです。
大体にして、MRにとっても、MSにとっても、会ったばかりの相手を簡単に信頼できるようなら苦労しません。
信頼関係なんてものは、一朝一夕に築けるものではないのです。
長い時間をかけて、徐々に形成されていくものです。
約束を守る。
義務を果たす。
報連相を欠かさない。
このような小さな行為の積み重ねによって“信頼”とは築かれていきます。
これはMRとMSの関係性に限らず、プライベートでの人間関係にも当てはまる理屈です。
ましてや、MRとMSなんて基本的には“利害”に基づいて行動する職業です。
このような下地があるにも関わらず、無条件で“信頼”してもらおうなんて考え方は、ハッキリ言って烏滸がましいだけなんですよね。
だから、私はこう思うのです。
会ったばかりの相手に対して、最初から“信頼”を求めてはいけない…と。
相手から信頼してのほしいなら、まずは自分が信頼を得るための努力をする必要があります。
自分の一挙手一投足に注意を払い、徐々に、そして確実に“信頼”を積み上げていく。
そのようにして築いた“信頼”が十分なものとなった時、場合によっては“利害”を超えて協力してくれる人間も現れます。
つまり、単純な順番で言うならば“利害”の前に“信頼”を求めるのはナンセンスなのです。
最後に:“利害”こそがMRとMSを結び付ける
ここまでお伝えしてきた通り、新人MSだった頃は“利害”を見誤って幾度となく失敗しました。
誰が“味方”なのか?
誰が“敵”なのか?
それさえも分からないまま外勤へと出掛け、その度に不毛な努力をしていたと思います。
他卸の帳合先で製品コールを繰り返しては、その内容をMRに電話で連絡したりとか。(汗)
自分の売上に直接的な影響は無くても、そのような行為がMRと仲良くなるためには必須だと信じて疑わなかったんですよ。
しかし、あれは本っっ当に無駄な努力だったと今では思います。
当時、私は上司や先輩MSから『仕事を回すためにMRと仲良くなれ』と言われたことを鮮明に覚えています。
しかし、その指示の本質が『お互いの利害を考えた上で行動しろ』という点にあることにまでは考えが及んでいませんでした。
自分がまず行うべきだったのは、自分と相手の利害をハッキリさせて“敵”と“味方”を区別することだったのです。
敵・味方の区別もつかないまま戦場へと赴き、そして遊兵になるだけの日々でした…(汗)
MRならば、皆が無条件で自分(MS)に協力してくれるものだと思っていました。
しかし、MRたちは他卸のMSと一緒に行動するばかりで、自分には冷淡な対応しかしてくれない。
では、なぜMRたちは私に対して非協力的だったのか?
それは私自身が“利害”を正しく認識していなかったからに他なりません。
だから、今では考え方を改めました。
MRとMSと関係性を考える上で、お互いの“利害”は非常に大切な要素であると断言します!!
お友達ごっこで、売上は伸びない。
当然ながら、利益も稼げない。
ビジネスである以上、他社の人間に対しては毅然とした態度で接する必要がある。
変な仏心を出して、相手を甘やかすなんて論外である。
要領の良い人間に付け込まれ、都合よく利用されてはいけない。
このような“利害”に基づいたシビアな思考が身に付くまでに時間は掛かったものの、そのお陰でMSとして3年目~4年目くらいの時期には仕事を円滑に回せるようにはなりました。
そして、MSを辞めてMRに転職した後も、この思考法がMSとの関係構築に役立っています。
MRも、MSも、別の会社に所属している人間です。
当然ながら、立場も状況も異なる人間です。
その事実を忘れてはいけません。
A社が目指すものとB社が目指すものが異なる以上、両者が仲良くするのは容易なことではないのです。
これが、新人MSの頃から現在に至るまでに得た、私なりの教訓です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
コメント投稿はこちら