こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
医薬品に関する仕事をしている者同士、MRとMSは仲が良いに越したことはありません。
その一方で、MRとMSによる諍いも度々起きています。
お互いに共存共栄できれば、それが最も理想的ではある。
しかしながら、そう上手くはいかないのが実情なんですよね。
理由や原因はともかく、MRとMSが互いに罵り合うのこと自体は決して珍しくありません。
その中でも特に、今回は“MSを見下すMR”に焦点を当てて記事を書いてみました。
さて、インターネットの全盛期とも呼ばれている昨今、誰もが匿名で情報発信することが出来ます。
その影響なのか、Yahoo知恵袋や発現小町といったネット掲示板には、MRがMSをこき下ろすような書き込みが散見されるようにもなりました。
具体例としては、下記のような感じです。
今この文章を読んでいるのが現役のMSさんならば、おそらく不愉快極まりないといった心持ちでしょうか。
かくいう私自身も、元MSとしては釈然としません。
これが特定のMS個人への誹謗ならば、まだ理解できます。
しかし、これは日本全国にいる全てのMSを謗っているに等しい表現です。
これは酷い。
いくら何でも、酷い。
それ程までに、上記の投稿文にはMSに対する悪意が満ち溢れています。
誰がどう見ても、MSのことを見下しているのは明らかです!!
しかも、ただ単に上から目線なだけでなく、MSが行っている業務自体を蔑んでいるときた。
一体、何様のつもりなのでしょうか?
その中でも、とりわけ偏見も甚だしいと思ったのが、この箇所です。
“MSなんて”
この一言に、MSに対する“侮蔑の感情”が凝縮されているように思えてなりません。
…と言うか、MSという職業そのものを愚弄しているとさえ思えます。
ですが、ここまで考えて1つの疑問が湧きました。
一体なぜ、MSを見下すMRが存在するのだろうか?
このようなMRの価値観とは、どのようにして形成されたのか?
そこで、MSを見下すMRの心理・背景・価値観などについて、自分なりに分析&考察をしてみました。
この記事は、私自身のMR経験、さらにはMS時代の経験も踏まえて執筆しています。
もしご意見等々があれば、コメント欄に書き込んで頂けると幸いです!
MRがMSを見下す理由とは?
今まで私がMR&MSとして生きてきた経験上、MRがMSを見下すという現象は2パターンに大別されると思っています。
1つ目が、MRの人間性に問題がある場合。
2つ目が、MSの側に問題がある場合。
どちらかと言えば、前者タイプのMRが多い印象です。
そしてさらに、上記の2種類を細分化すると、以下の4パターンに分かれます。
その内訳がこちらです。
② 学歴を鼻にかけている
③ MSの業務を舐めている
④ MSに恨みを持っている
今この文章を読んでいるのが現役MSであれば、1つくらい心当たりはないでしょうか?
理由や状況を問わず、MRから蔑視された経験はないでしょうか?
かくいう私自身、元MSとして、そして現役MRとして、①~④を幾度となく見聞きしてきました。
それでは、これらについて1つずつ分析&考察していこうと思います。
もちろん、いつも通り私自身の実体験を含めてお伝えします!
① 年収を鼻にかけている
現役のMRやMSならば誰もが知っている通り、単純な年収だけを比較すればMRの方が高給取りです。
医薬品卸の中では相対的に年収が高い部類に入る4大卸ですら、年収という一点だけを見ればMRには及ばない。
それ自体は紛れもない事実です。
ですが、その事実を曲解してしまい、なぜかMSに対して謎の優越感に浸っているMRがいます。
自分(=MR)が高収入であることを鼻にかけて、相手(=MS)のことを見下しているワケです。
私にとっては全く理解できない価値観です…(汗)
年収の高低によって人間の価値が決まる?
いやいや、そんなことは決してありません。
年収なんてものは、労働における指標の1つに過ぎません。
この現代社会で生きている社会人であれば、大多数が知っていることです。
しかしながら、そうは思わない人間がいるのも事実です。
残念ながら、世の中にはこのように信じて疑わない人間もいます。
ハッキリ言って、これは勘違いも甚だしい考え方だと言わざるを得ません。
その反面、このような歪んだ価値観に囚われているMRが少数ながらも存在しているのです。
実際のところ、私自身もMRとして働いていると、こういったタイプの輩をチラホラ見かけます。
それも、社内・社外を問わずに…です!
いちいち年収マウントを取るようなMRは、マジで性根が腐っているなぁと心底思います。
確かに、MRは他業界の営業職と比較しても高収入な職業です。
大手の製薬会社であれば、平社員のMRであっても年収1,000万円を狙えますからね。
…が、その点こそが“勘違い系のMR”を生み出す温床になっているのでしょう。
ある意味、彼らは世間知らずなのだと思います。
なまじ高収入なだけに、目が曇ってしまうのかと。
一般的な営業職の年収を考えた場合、むしろMSの年収こそが平均水準に近いです。
その事実を知ってか知らずか、年収の高低によってMSを見下すMRたち。
確かに、MRとMSの年収には【埋めがたい差】が存在します。
しかし、それは個人の能力に起因するものではなく、あくまで業種の違いによるところが大きいです。
業種が違えば、利益構造も違ってくるし、給与レベルだって変わってくる。
まあ、そんなことは冷静に考えれば分かることなのですが…
年収云々によってMSを見下すようなMRは、端的に言うと“性格が悪い”ということです。
同じMRとして、このような同業者がいるのは恥ずかしい限りです。
② 学歴を鼻にかけている
MRという職業は原則、大卒以上でないと就けない職業です。
その一方で、MSは大卒でなくてもOKな職業です。
実際のところ、現在の40代~50代くらいのMSには、高卒・専門学校卒の人間も多いですからね。
令和以降はMSの高学歴化も進んでいますけど、全体的な学歴レベルに関しては、やっぱりMR側に軍配が上がります。
一言でまとめると【MSよりもMRの方が高学歴である】ということです。
…が、この点についても“勘違い”しているMRが存在します。
世の中にはマジでいるんですよ。
学歴を鼻にかけている人間って。
あれです、学歴厨ってヤツです。
社会人にもなって、何かにつけて“学歴ガー”“出身大学ガー”なんてことを平気で口に出す輩。
もうね、嫌味ったらしいこと、この上なしです。
私も製薬会社に転職して初めて知りましたけど、こういった人種はリアルの世界に実在しています。
もちろん、少数ながらMRの中にもこういったタイプの人間はいます。
もしかしたら、今この文章を読んでいるMSさんにとっても、心当たりがあるかもしれません。
先ほどお伝えした年収マウントを取るMRもタチが悪いですけど、学歴マウントを取るようなMRは尚更タチが悪い。
もはや“心の病気か?”って思えるくらい、醜悪な人間性をしています。
自分の学歴を誇示したいのか知りませんけど、大卒じゃない人間への当たりがキツいんですよね。
最終学歴が大卒以上の人間は偉い。
そうではない人間は終わっている。
圧倒的な少数派ではありますけど、そんなクソみたいな価値観に囚われているMRがいるワケです。
もしかして、変な学歴コンプレックスでも抱えているのだろうか…?
…で、こういったMRほど、なぜかMSのことを軽んじる傾向があります。
もしかしたら、そのようなMRは『MSなんて低学歴の人間がやる仕事だ』などと本気で思っている可能性すらあります。
たとえ口には出さずとも、内心ではMSのことを小馬鹿にしている。
そのような印象が拭えない…いった感じです。
全く、MSにとっては心外もいいところです。
どれだけ自分の学歴に自信があるのか分かりませんけど、だからと言ってMS相手に雑な対応をしても良いという理由にはなりません。
当然、見下しても良いという理由にもなりません。
ビジネスにおいて、相手の学歴に応じて態度を変えるのも、まぁおかしな話です。
こういった手合いは、仮に学歴は高くても、品性に関しては低いと言わざるを得ません。
③ MSの業務を舐めている
MSの業務とは多岐に渡ります。
売上を伸ばし、利益を稼ぎ、債権管理も行う。
会社からの指示で【詰め】だって行う。
製薬メーカーの都合による【出荷調整】が発生すれば、取引先への按分作業を行う。
集金だって発生するし、場合によっては支払いサイトの短縮交渉も行う。
今この場では語り尽くせない程に、MSは数多くの業務をこなしているのです。
実際のところ、MSが頑張っているからこそ“医薬品卸という業種がインフラとして機能している”という側面もありますからね。
医薬品卸がなくなると困る人間は大勢いるぞ!業界内における卸の必要性を再考する!
しかし、MRの中には上記の事実について、残念ながら理解が乏しい人もいます。
まあ、それは生粋のMRからすれば無理もない話なのですが…
私が問題だと思っているのは“MSの仕事そのものを見下しているMRがいる”という点です。
もちろん、そのようなMRは圧倒的な少数派です。
しかしながら、決して“セロ”ではありません。
先述した年収や学歴の件も相まって、MSの業務に社会的価値を見出していない輩がいるのです。
その実例として、過去に私自身が見聞きした某社のMRによるドン引き発言をご紹介します。
MSなんて、ただ薬を運んでいるだけでしょ?
“MSなんて”
“ただ薬を運んでいるだけ”
これは私が新人MRだった頃、当時コ・プロモーションしていた某内資系メーカーのMRが実際に言った内容です。
さすがに一字一句この通りではありませんでしたし、この場ではかなり要約して記載しているのですが、大体こんなニュアンスのことを私に向かって言い放ったのです。
そのMRの言葉を聞いて、元MSである私はこう思いました。
テメーなんかが、偉そうにMSの仕事を語るんじゃねぇ!!
…とね。
これがMS経験者による発言であれば、まだ何とか理解できます。
MSを経験した上で、それでもなおMSの業務には大した価値が無いと主張するのなら、それはそれで1つの意見だと思います。
しかし、当の発言者は当時40代のMRであり、なおかつMR以外の職業経験など全く無いような人物でした。
悪く言うならば、MRという狭い枠の中で生きてきた人間だという事です。
付け加えると、この記事の冒頭で紹介した“自称MR歴20年の人間”も類友だと思われます。
この文章を投稿した人物は、MSのことを完全に舐めています。
当然ながら、こんなことを平気で主張する人間が、MSの業務内容を万遍なく理解しているとは到底思えません。
これまた私見ではありますけど…
“世間知らずなMR”ほど、なぜかMSの業務内容を小馬鹿にする傾向があります。
今までMRとして働いてきた経験上、私にはそのように思えてなりません。
…と言うか、大学を卒業してからMR一筋で生きてきた人間は、債権に関する仕事をした経験など無いはずです。
極端な話、MRは売上目標さえ達成できれば評価される職業です。
一般的な営業職とは異なり、MRは利益や回収については関与しませんからね。
それどころか、医薬品の現物を取引先へと納品することすら無い。
このような職業特性が、もしかしたら世間知らずなMRを生み出す温床になっているのかもしれません。
下手したら、売掛金とか、支払いサイトとか、これらの概念について知らない可能性だってあります。
…で、MSの業務そのものを蔑むMRとは、大体こういった輩であると相場が決まっています。
MRとMSの業務難易度について、一概に比較することは出来ませんが…
少なくとも、MRよりもMSの方が“楽”ということは絶対にありません。
昔はMSとして働いていた身として、自信を持ってそのように断言できます。
急配にせよ、返品にせよ、1つ1つの業務は大して難しくないです。
しかし、如何せん“量”が多過ぎるのです。
1つの仕事をやっている間に、別の仕事が2つ~3つ発生する…
そんな事はMSにとって日常茶飯事なのです!(汗)
よって、MSには効率よく業務を捌く能力が求められます。
それはMRに求められる能力とは毛色が違うものであり、だからこそMRはMSの業務内容について安易に軽んじるべきではない。
私なんかはそう思うのですが、残念ながらMSの業務に理解を示さないMRも一定数いるワケです。
④ MSに恨みを持っている
今まではMRの人格面に問題がある部分についてお伝えしてきました。
しかし、MRがMSを見下してしまう原因とは、実はMS側に非がある場合も少なくありません。
ザックリ言うと“MRから見下されても仕方がないMSもいる”ということです。
いやいや、そんな馬鹿な!!
…と思うMSさんもいるかもしれませんが、これもまた確かな事実です。
では、もう少し詳しく解説しましょう。
過去に何らかのトラブルがあり、それが原因でMSに対して嫌悪感を持ってしまったMR。
実は、そのようなMRは業界内に大勢います。
このブログ内でも幾度となく記事化してきましたが、MRに嫌われるような行為を厭わないMSは一定数います。
例えば、説明会などの場面で【いちいち弁当を要求するMS】とか。
他には、メーカーによる朝礼で【失礼な行為を連発するMS】とか。
こういった悪例を数多く経験したMRは、当然ながらMSに対して不信感を抱きます。
そして、その“不信”は“嫌悪”へと徐々に変わっていきます。
最終的に“嫌悪”は“恨み”という感情へと変化し、MSという職業そのものに否定的な性格へと成り果ててしまいます。
実際のところ、私の同僚MRにもこういったタイプの人間はいます。
その同僚MRに詳しく話を聞いてみたところ、新人MRの頃から現在に至るまで、MSから煮え湯を飲まされたこと多数だとか。
本人ですら数えきれない程に、MSによって痛い目に遭わされた経験を持つMR。
そのようなMRからすれば、MSへの恨みが膨れ上がるのは当たり前のことです。
MRとは聖人君子ではなく、ただの会社員ですからね…
“恨み”という感情は、本当に厄介なものです。
何と言っても、そう簡単には心の中から消えてくれませんからね。
それどころか、消化されずに積み重なっていくパターンが殆どです。
そして“恨み”が限界値を超えると、いよいよ自分自身にも感情のコントロールができない領域へと突入します。
MSに対する負の感情がこのレベルにまで到達してしまうと、もはや手の施しようがありません。
理性よりも感情が先行してしまい、自分(=MR)にとって“MSという存在自体が害悪である”と認識してしまうのです。
その結果として、MSを見下すという心理状態へと至ってしまうのでしょう。
まさに“恨み骨髄に徹す”というヤツです…
当然ながら、このような境地に達してしまったMRにとって、MSの立場や業務を理解するなんてことは土台無理な話です。
MSがMRを蔑ろにし続けてきた結果として、今度はMRがMSを蔑ろにするようになる。
実際問題として、業界内ではこのようなパターンも実在するワケです。
MRの精神を歪めてしまった原因とは、元を辿ればMSの側にある。
そういった意味では、何とも言えない業の深さが感じられます。
まとめ:最終的には人間性の問題である!
MRがMSを見下すのは、そのMRの人間性に問題がある場合が殆どです。
まあ、これはMRに限った話ではありませんが…
どんな場所にも、相手に対してマウントを取らないと気が済まないような人種っているじゃないですか。
要するに、相手を“自分よりも格下の存在”と位置付けることで、何とかして自分のプライドを守ろうするような輩です。
読者の皆さんも、過去の経験を振り返ってみてください。
中学や高校の部活で、やけに態度がデカい奴はいませんでしたか?
大学時代のゼミや研究室で、やたらと自慢話をするような奴はいませんでしたか?
MSを見下すMRというのは、基本的にはそういったタイプの人間と同類だと思っています。
悪い意味で、優劣に拘るタイプと言い換えても良いかもしれません。
自分よりも格上の人間に挑むならともかく、わざわざ格下の人間を探し出して、自分と比較することで自尊心を保とうとしているワケですから。
早い話、ドラえもんに出てくるスネ夫みたいなものか…
いや、スネ夫は小学生だから少しは情状酌量の余地があるか…
いい歳した大人が行うにしては、あまりにも馬鹿馬鹿しい他者との比較行為。
それを意識的に行っているのか、それとも無意識に行っているのか、その辺りは定かではありませんが…
とにかく、自分より格下だと思える人間がいないと、心情的に落ち着かないのでしょうね。
だからこそ、年収や学歴を引き合いに出して、優越感に浸ろうとするのかもしれません。
MSの悪行によって恨みを募らせた場合は別として、こればかりは生来の人間性に問題があると言わざるを得ません。
自分の能力やキャリアについて自信を持つことと、自分よりも劣っている相手を見つけて悦に入ることは、全くの別物です。
もし仮にMRとして凄まじく優秀であったとしても、MSを侮蔑しても良いという理由にはなりません。
そんな道理は、そもそも最初から存在していないからです。
大多数のMRはこの事実を理解していますが、悲しいかな、そうではないMRもいます。
MS視点で見ると、何かにつけて鼻持ちならないタイプのMR。
平たく言うと、そのようなMRは性格が悪いということです。
では、性格が悪いMRと遭遇してしまったら、MSはどうすれば良いでしょうか?
私個人としては、とにかく距離を置くことをお勧めします。
ハッキリ言って、性根が腐っているMRと関わっても、MSとしては心身共に消耗するだけです。
まさに、百害あって一利なし。
時間の無駄どころか、人生の無駄遣いです。
よって、もし仕事で関わらざるを得ないとしても、出来るだけ接点を減らすように努力して下さい。
とにかく離れて、避けて、最終的には疎遠になる。
それが最も無難で、なおかつ角が立たない対応策です。
徐々に、そして確実に、関係の自然消滅を狙いましょう!!
付け加えるとしたら、MSに対して好意的なMRを味方に付ける努力をすると良いでしょう。
MRにせよ、MSにせよ、類は友を呼ぶものです。
どうせなら、お互いにリスペクトを欠かさない相手と一緒に仕事をしたいものですね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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MSさんのことを見下しているのは大抵仕事出来ないMRですよ。MRもMSも半数以上自販力のない営業マンです。情報流されるのは協業に値しないから他社に流されるのです。20年以上MRやってて卸さんをバカにするのは余程一人でバンバン売ってるかコミュニケーション能力低いかのどちらかでしょう。自販力つけるためMS数年やって給与アップのためMRになるってのが私の理想系です。
自営太郎さん
コメントありがとうございます!
自分の経験を振り返ってみても、仰っている内容には概ね同意です。
MSを敵に回しても得るものは何も無いので、それなりに賢いMRは意味もなくMSを見下すことはしないと思います。