こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
『似て非なる職業』とも呼ばれているMRとMS。
こういったブログを運営している手前、私も就活中の学生さんから【問い合わせフォーム】を通じて両者の違いについて質問をもらうことがあります。
具体的には、給料・勤務地などについてですね。
そして、稀にですけどMR・MSの学歴について質問されることもあります。
実際のところ、MR・MSとして働いている人たちの学歴ってどうなんですか?
…みたいな感じで。
MR・MSは高学歴でないとなれない職業なのか?
MR・MSとでは、どちらの職業に高学歴な人が多いのか?
質問者の学生さんが知りたいのは、おそらくこういった内容かと思います。
私も就活中は気になって仕方ない部分でしたので、気持ちはよく分ります!
結論から言うと、MRもMSも高学歴化が進んでいます。
なおかつ、単純な学歴だけを比較した場合、MRはMSよりも高学歴です。
私の現職はMRですが、自分の周囲にいる年下のMRを見渡してみても、地頭が非常に良いと感じる場面が多々あります。
その一方で、高学歴であるにも関わらず仕事面で苦戦している人も多いです。
これはMR然り、MSも然りです。
もうこの際ですから、学歴云々について断言させてもらいます。
ここで私が声を大にして言いたいのは『高学歴だからといって営業として優秀とは限らない!』ということです。
要するに、学歴の有無や高低はそれほど重要ではないのです。
たとえ高学歴であったとしても、営業として成功する人もいれば、成功しない人もいますからね。
学生さんの目線だと不思議に思うかもしれませんが、これが業界内での現実です。
つまり、必ずしも『高学歴』=『優秀』という図式が成立するわけではないのです!
詳しくは後述しますが、勿論この意見には私なりの根拠があります。
そこで、今回はMR・MSに関する『学歴』というテーマで記事を書いてみました。
ネット上で学歴の話をすると荒れるのが通例ではありますけど、あくまでMR・MSの両方を経験した人間による個人的な見解として読んでいただければと思います。
MRは大卒以上が多い
結論から言うと、MRはMSよりも高学歴です。
これは間違いありません。
ご存知の通り、新卒で製薬会社に入社できるのは大卒以上の人だけです。
これはMRに限らず、研究職・開発職・技術職なども同様です。
…と言うよりも、高卒・専門卒は新卒では採用されないと言った方が適切でしょうか。
特に、令和以降はMRの高学歴化が顕著です!
ここ最近は、旧帝大・早慶といったレベルの大学を卒業してきたMRも珍しくありません。
その他にも、院卒あるいは薬学部卒のMRなどがゴロゴロいますからね。
なぜこのような現象が起こるのかと言うと、令和以降の製薬会社はMRとしての資質のうち、営業力よりも知識量を重視するようになってきているからです。
医師をはじめとする医療従事者と、常日頃から学術的なディスカッションが出来るかどうか。
自分の意見について、筋道を立てて論理的に伝えられるかどうか。
こういった部分に重きを置いていることから、地頭が良いとされている高学歴あるいは薬学部出身の新卒MRを採用する風潮が生まれたのです。
さらに、昨今はどこの製薬会社もMRの人数を減らしています。
国内では最大手とされている武田薬品工業やアステラス製薬ですら、大規模なリストラを行っていますからね。
(※余談ですが、MRが次々とリストラされた影響により転職市場は混乱しています。)
生き残りを賭けた椅子取りゲーム?転職市場に優秀なMRが溢れている現状について思うこと
製薬会社としてはMRの数を減らしたい考えている。
この方針により、実は新卒MRの採用数も減ってきています。
要するに、新卒でMRになれるチャンスが乏しくなってきているワケです。
よって、優秀な学生同士で新卒MRとしての採用枠を争うことになり、結果として高学歴の優秀な学生のみが内定をゲットする。
令和以降、このような現象が起こるようになったのです。
実はこれって、製薬会社には大変都合が良い展開なんですよね。
採用する側(製薬会社)からすれば、高学歴な学生であれば地頭も良いし、会社が求めるレベルの情報提供活動ができるという目論見があるのでしょう。
実際、私の同僚MRにも薬学部卒の人が複数いますが、医薬品に関する彼らの知識量は頭一つ抜けている印象があります。
付け加えると、ここ最近は『薬学部卒の人でなければ新卒MRとしての応募を受け付けません!』と表明する製薬会社まで出てきました。
以上のことから、MRの高学歴化は今後も加速していくと考えられます。
MSには高卒・専門学校卒の人間もいる
あくまでMRと比較した場合ですが、MSの学歴はそれほど高くありません。
医薬品卸も製薬会社と同じく、新卒での採用そのものは行っています。
その反面、40代~50代くらいの世代には高卒・専門学生卒のMSも多いです。
実際、私が新人MSとして配属された営業所では、先輩MSのうち半分ほどが高卒・専門学校卒の人たちでした。
これはなぜかと言うと、実は昔、高卒・専門学校卒の人がMSとして多く採用されていたからという背景があります。
具体的な時期としては、昭和終盤から平成前半の頃ですね。
あるいは配送や倉庫係として採用された高卒・専門学校卒の人たちが、異動によってMSの仕事をするようになった…というパターンも結構多かったと聞いています。
学歴とは関係なく、見所さえあれば配送・倉庫係の人でもMSとして抜擢されることがあるのです!
事情は様々ですが、MSとして営業畑を歩んできたのが現在の40代~50代の人たち。
彼らの中に高卒・専門学校卒の人が多いのは、こういった事情があるからなんです。
ちなみにですが、医薬品卸が大卒の人間が積極的に募集するようになったのは、平成の中盤くらいからだそうです。
(※MS時代の上司からそのように教わった記憶があります。)
その影響によって、業界内にてMSは徐々に高学歴化してきたというワケです。
よって、平成後半~令和以降は大卒以上のMSの割合が高くなってきました。
余談ですが、私が医薬品卸に入社したときの同期には早稲田大学卒の人もいましたよ!
注意:『高学歴』=『優秀』とは限らない!
MRとMSに限らずですが、学歴の話になると結構荒れることが多いですよね。
高学歴なら優秀に決まっているとか。
低学歴だと無能に違いないとか。
この記事を読んでくれている読者さんにとっても意見は様々かと思いますが、まずは自分の意見を述べようと思います。
私自身は『高学歴だからといって営業として優秀だとは限らない』と考えています。
これはMRも然り、MSも然りです。
まあ、何を以って優秀と定義するかは難しいのですが…
MRもMSも営業職ですので、この場では営業として分かりやすい指標である『売上』に基づいて考えてみます。
MRまたはMSとしての売上(=営業成績)が学歴に比例するかと言うと、決してそんなことはありません。
少なくとも、私はMR・MSとして過ごした時間を振り返ってみて、そのように思えてなりません。
凄まじく高学歴なMRであっても、なぜか毎年のように売上を伸ばせずに苦しんでいる人はいます。
大卒のMSよりも、高卒のMSの方が売上目標を達成して高評価を得ていることもあります。
当然ながら、営業として評価されている人ほど管理職に昇進するのも早いです!
この『出世』という観点から見ても、学歴はあまり関係ないような気がします。
これらの事例について、私は今まで数えきれないほど見てきました。
もちろん、こういった現象については外的要因も大きく関わってきます。
担当しているエリア独自の事情。
上司を含む周囲との人間関係。
会社として実行できることの限界。
これらの要素によって、MR・MSの売上はいくらでも変わってきます。
しかし、高学歴な人間全員が真に優秀であるならば、これらの障害を乗り越えて結果を出していると思うのです。
外的要因を売上未達の言い訳にせず、その優秀な頭脳で対策を講じ、そして実行に移す。
そのような行為を繰り返すことで、たとえ時間は掛かったとしても最終的には売上目標を達成する。
しかしながら、現実は案外そうでもない。
これはつまり、営業としての能力は学歴に比例しないという証左ではないかと思うのです。
この持論の根拠として、私が普段お世話になっているMSの話をしましょう。
下の記事で紹介している“スーパーMS”のYさんは専門学校卒です。
これが医薬品卸のスーパーMSなのか?大学病院の担当MSが優秀すぎる!
“スーパーMS”とは私が勝手にそう呼んでいるだけですが、実際にYさんは大卒MSを押しのけて大学病院を担当しています。
現役MSであれば知っての通り、優秀ではないMSは大学病院(=エリア内での重要施設)なんて担当させてもらえません。
このことからも、営業としての実力と学歴は必ずしも比例しないことが読み取れます。
元MSの私から見ても、Yさんは本当に凄いMSだなぁといつも思っています!
次にMRの事例について見ていこうと思います。
ここでも1つ、具体的な事例を用意してみました。
下の記事で紹介しているAさんはとても高学歴なMRです。
真のプロフェッショナル?それとも意識高い系?勉強熱心なMRについて思うこと
しかしながら、なぜか営業としての成績(売上)はイマイチなのです。
では、売上についてはさて置き、今度はAさんの人間性について考えてみます。
ぶっちゃけた話、Aさんは自分が優秀だと思っているタイプです。
それだけではなく、妙に“意識が高い”ので周囲から疎まれている節すらあります。
優秀な頭脳の持ち主であることは間違いないのですが、見方を変えてみると、その頭脳がMRとしての営業成績には反映されていないタイプとも言えます。
もしかしたらAさんは人間関係の構築が苦手なタイプなのかもしれない…
ここで挙げたYさん・Aさんの事例は、あくまでMS・MR全体のうちの一部に過ぎません。
ですが、私の今までの経験上、高学歴だからといって優秀だとは限らないパターンを数多く見てきました。
高学歴であっても、優秀とは言えない人がいる。
高学歴でなくても、優秀と呼ばれている人がいる。
MRにせよMSにせよ、これが現実ではないかと思うのです。
以上のことから、『高学歴』=『優秀』という図式は“暴論”と言わざるを得ません。
学歴を鼻にかけている人間は嫌われる
先ほどのAさんの部分でも少し触れましたが、高学歴である人は“意識が高い”というパターンも多いです。
この点については、MRに転職して以降に実感することが増えました。
単純な学歴のみを比較した場合、MRはMSよりも高学歴なワケですからね。
よって、これはある意味では当然の現象だと思っています。
さて、そんな高学歴な人たちの“意識”についてですが…
高学歴であるということは、厳しい受験戦争を勝ち抜いてきたことを意味しています。
そんな競争の渦中にあっても努力を惜しまず、向上心や忍耐力を培ってきたのだとすれば、良くも悪くもプライドが高くなってしまうのでしょう。
むしろ、ある意味では人間として当然の帰結だと思います。
…が、そこに“落とし穴”が潜んでいるとも思うのです。
高学歴の人たちの中には、あくまで一部ではありますけど、高学歴であることを鼻にかけているタイプが存在します。
これまで社会人として生きてきた中で、私はそのようなタイプの人を複数知っています。
そして、その誰もが周囲の人たちから嫌われていたように思えてなりません。
何と言うか、彼らの言動・行動・表情の端々から『自分は高学歴だからお前たちよりも優秀な人間なんだぜ』みたいなオーラを感じるのです。
この場合だと、選民意識とか、優越思想とか、まあそんな感じの言葉で言い換えても良さそうです。
…と言っても、これはあくまで私の主観ですけどね!
私は世間で言われているような有名大学を出ているワケではありません。
そのせいなのか、いや、だからこそ高学歴な人たちが放つ異様な雰囲気に敏感なのかもしれませんね。
さらに言えば、私はそのように学歴を鼻にかけているタイプの人たちについて、昔からどうしても好きになれません。
MRやMSとしての能力云々の前に、まず人間として嫌悪感を拭えないというか。
先ほど、Aさんに関しては“周囲から煙たがられている節がある”と書きました。
少なくとも、Aさんが社内で好かれていないのは間違いなさそうです。
いや、もしかしたら好かれていないという状態を通り越して、敵が多いというレベルにまで達しているかもしれません。
それはつまり、いざ困ったときに周囲の人たちから手を差し伸べてもらえない可能性が高いとも言えます。
それが一度や二度ならいざ知らず、もし何年間も続くとすればどうでしょうか?
それはやはり、営業職(…と言うか会社員)としては大きなマイナス要因となり得るのではないでしょうか?
そして、社内でそのような状況ならば、社外でも似たような状況になっている可能性はあります。
“社内で出来ないこと”を社外で実践するのは至難の業ですからね…
もしかしたら、Aさんは普段の営業活動の中でも“鼻につくオーラ”を出しているのではないか?
それが巡り巡って、顧客を遠ざける(=相手から好かれない)という結果を招いているのではないか?
そのことが最終的にMRとしての成績不振に繋がっているのではないか?
あくまで私の勝手な仮説ですけど、そのような可能性は低くないような気がします。
繰り返しになりますが、Aさんのようなタイプは、私が知っている高学歴な人たちの中では一部に過ぎません。
高学歴であり、なおかつ人間性にも素晴らしい人たちは世の中に沢山います。
実際、私の周囲にも学歴・人格の両方に秀でている人たちがいますからね。
だからこそ、Aさんのようなタイプは悪い意味で目立ちやすのかもしれません。
従いまして、『高学歴』+『学歴を鼻にかけているオーラ』という組み合わせは、周囲の不興を買うには十分すぎるほどの威力があると断言できます。
まとめ:MRもMSも仕事において学歴は大して関係ない!
MRとMSの学歴を比較した場合、MRの方が高学歴であるのは間違いないです。
とりわけ、MRに関しては令和以降に高学歴化が加速しています。
ただし、あくまで私の経験上ですが、MR・MSの学歴って仕事内容にはあまり影響していない気がします。
少なくとも、高学歴であるほど営業成績が良いということはないです。
付け加えると、社内での学閥も無いような気がしますし。
(※私が知らないだけで、本社などでは学閥が存在するかもしれませんが…)
結論として、学歴で人間の価値は測れないということです。
私は学生だった頃、この社会では高学歴の人ほど評価され、仕事面でも成功し、人生を謳歌しているものだと思い込んでいました。
しかし、いざ就職して社会に出てみたら、意外とそんなことはなかったんですよね。
もちろん、高学歴の人ほど優秀な頭脳を持っており、仕事において有利な部分は多いかと思います。
この事実を否定するつもりは毛頭ありません。
…とはいえ、学歴は必ずしも仕事の成果に直結するわけではない。
それどころか、一部とはいえ高学歴の人であっても営業成績が振るわずに苦しんでいることすらある。
ここが学歴と仕事の関係性について、何とも不思議なところだなぁと思っています。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
コメント投稿はこちら
ヒサシさんこんにちは。ご無沙汰してます。この業界における学歴の話、とても楽しく読ませていただきました(^^) 『高学歴だからといって営業として優秀だとは限らない』というヒサシさんのお考え私も100%同感です!現代ではPC等を扱えないとMRもMSも仕事が始まらないという時代になりましたのでその様な物に触れる機会が多いであろう大卒の方が有利であるのは間違いないと思いますが、私の入社した平成前半はインターネットなんて無く、手書きなんて普通だよという時代でしたので尚更学歴がモノを言う時代ではなかったと思っています。そして本社ではなく営業所の所員に至っては高卒の方が多い印象さえありました。しかし時は変わるもので今や高卒・専門卒のMSはひと握りしかいませんよね。ですが私が退職する前、最後に優秀だと思ったMSはまだ40代前半の高卒男性でした。彼もやはり機関病院や売上シェアが高い薬局又チェーン店との窓口などをしていましたね。ですので毎日忙しいであろうがいつもクールで落ち着いた立ち居振る舞いに言動。どの上司も転勤させたくない様なMSでしたね。昭和生まれの支店長が段々と定年になっていますのでその空いた席に座るのも時間の問題でしょう。ほんと学歴は入社してしまったら後はもう関係ないものですよね。
ただ旧帝大卒や薬剤師の資格保持者の方々は営業職がうまくいかなくてもすぐに見切りをつけて?つけられて?学術関係や内勤部門で本社勤務にという道もあろうかと思いますのでやはり高学歴は有利ですよね。でもソレは何処の業界にもほぼ当てはまるのではないでしょうか。因みに私がMS時代一緒に働いていた先輩MSに日本で最難関と言われる大学の卒業生の方がいらっしゃいました(本人から聞いたわけではない)。その方は知識豊富でバリバリに頭が良かったですが自身から学歴の話は一切しない人でした。
長文失礼しました。また懲りずに興味ある記事にはコメントしようと思います。コロナ禍で世界的に厳しいですが今年もよろしくお願いします
ホルモンさん
コメントありがとうございます!
貴重な平成前半の頃のMS事情について教えていただき、とても参考になりました。
日本で最難関の大学を出た先輩MSとも一緒に働いた経験があるということで、個人的にはとても興味深いです!
(具体的には東京大学・京都大学などを卒業したMSさんでしょうか?)
MSに限ったことではありませんが、高学歴かつ「優秀」と周囲から呼ばれる社会人は不思議なくらい学歴の話をしませんよね。
もしかしたら、学歴の話をすると「自慢している」と曲解されかねないことを熟知しているが故の行動なのかもしれませんね。
学歴の有無や高低に関わらず、そのような謙虚な姿勢を常に見習いたいものです。
是非また気軽にコメントしてください!