こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
この記事を読んでいる現役MRの皆さんは、講演会をどのくらいの頻度で実施しているでしょうか?
開催の回数が多い人、少ない人、あるいはゼロの人。
きっと十人十色だと思います。
私はと言うと、年間で大体3回~4回くらいのペースで自分主幹の講演会を企画&実施しています。
多くもなく、少なくもない…と、自分では思っています!
さて、そんな講演会というMRの業務でございますが…
講演会そのものを嫌っているのか、意地でも講演会を開催しないスタイルを貫いているMRをチラホラ見かけます。
それはもう、講演会の実施数は年間で完全なるゼロ。
何と言うか、ここまで来ると清々しく見えてくるから不思議です。
そして、そんな講演会ゼロのMRたちを咎める上司(または本社)。
第三者の目線から見れば、講演会を行わないMRは“怠け者”に見えるのだとか。
製薬会社によりけりでしょうけど、自社医薬品の普及のために講演会をやるのは、この業界では当たり前のことです。
そんな風潮もありまして、弊社では講演会を企画&実施しているMRの方が多数派です。
だからこそ、上司や本社の視点からだと、講演会をやらないMRは“怠けている”ように感じられるのでしょう。
ただ、私個人としてはそうは思ってはいないんですよね。
実際に講演会ゼロのMRたちから話を聞いた限りでは、彼らには彼らなりの事情があることも窺えます。
果たして、講演会を主体的に行わないようなMRは怠け者なのか?
それとも、実は理に適った行動をしている賢い人間なのか?
その辺りの事情について、現役MRとしての視点から考えていきたいと思います。
何だかんだ言って講演会は大変である
現役MRであれば知っての通り、講演会って楽な仕事じゃないですよね。
特に主幹を務めるMRの場合は、講演会に関する仕事が山ほど発生します。
社内での稟議を通す作業。
演者・座長への折衝。
会場の手配。
案内状の作成。
集客のために、同僚MRを巻き込んで、あの手この手で宣伝したりとか。
自分が担当している施設の医師を演者として起用した場合には、講演用スライドをチェックする必要だってある。
そして何より、講演会当日の運営であったり、参加者(あるいは視聴者)へのフォローであったり。
これら1つ1つの仕事は、それほど大変ではないかもしれません。
ですが、普段のMR業務と並行して進めるのは結構大変です。
演者・座長が気難しいタイプの人だと、MRとしては余計に疲れるからなぁ…
今でこそMRが企画する講演会について一通りの仕事をこなせるようになった私ですが、MRとしての経験が浅い時期は、それはもう右往左往したものです。
自分が主幹MRとして初めて企画・開催した講演会なんかは、イレギュラー対応に追われて心身共に疲弊しましたし。(汗)
つまり、ここで言いたいのはですね…
MRにとって講演会は大変な仕事だということです!!
もちろん、MRの中では講演会を企画するのが大好きなタイプの人もいるでしょう。
あるいは、講演会を通じて医療従事者へと貢献することに喜びを見出しているタイプの人もいるでしょう。
その事実については否定しません。
しかし、MRの中には『講演会を行わずに薬が売れるのなら、講演会なんてやりたくない』と本音じゃ思っている人も多いのではないでしょうか?
少なくとも、私なんかはそうです。
自社の医薬品を売る(=普及)させるために有効な手段だからこそ、講演会を企画しているだけに過ぎません。
あとは、会社から『もっと講演会を開催しろ!』という圧力があることも影響していますかね。(汗)
でも実際のところ、もし講演会を行わずとも薬が万遍なく売れるなら、私だったら講演会を企画したりはしません。(多分)
なぜかと言うと、繰り返しになりますがMRにとって講演会は大変な仕事だと考えているからです。
講演会に付随する様々な仕事が面倒くさい。
付け加えると、会社から集客人数をトレースされるのも嫌です。(汗)
もし集客が少なければ、まずは真っ先に主幹MRの責任が問われますからね。
WEB講演会とかで視聴者ゼロという結末になると、社内でメチャクチャ責められるからなぁ…
しかしながら、MRもサラリーマンです。
会社や上司からの指示であれば、サラリーマンとして遂行しなければなりません。
これも仕事だからと、割り切って行う。
MRの義務だからと、気乗りがしないながらも行う。
やりがい&面白味を感じながら講演会の仕事をする場面もゼロではありませんが、総じて辛いことの方が多い。
それが私にとっての講演会という業務なのです。(汗)
講演会を企画しないMRたちの言い分
先述した通り、私なんかは渋々ながらも講演会を企画・遂行するタイプのMRです。
そして、どうせ講演会をやるのなら、クオリティの高いものにしたいとも思うタイプです。
こういった考え方の良し悪しはともかく、これが私の偽らざる本音です。
その一方で、私の周囲には講演会を全く企画しない同僚MRもいます。
そして、彼らは社内にて“怠け者”などと酷評されることもあります。
それは今現在だけでなく、過去においても講演会を企画しないことで、上司から叱責されているMRたちを数多く見てきました。
MRとして講演会を企画しないことの善悪について、正直言って私には分かりません。
講演会を開催したところで、売上が伸びないなんてことはザラにありますからね。
WEB講演会を医師に視聴してもらっても売上が伸びている手応えがないぞッ…!!
要するに、費用対効果の検証が難しいワケです。
しかしながら、自社・他社を問わずですけど、どうも製薬会社は『講演会を数多く開催することが正義』と捉えている節があります。
講演会を開催すること自体が目的化していると言うか。
少なくとも、これまでに私自身が関わったMRたちから話を聞いた限りではそうです。
この辺りは、製薬会社の方針によって多少は異なるのかもしれません。
でも、大抵の製薬会社は講演会を開催することについて、MR(現場)に圧力を掛けている場合が多いのではないかと思うのです。
場合によっては、KPIの項目として講演会の企画数(または実施数)が設定されていることもあります。
このことから言えるのは、大多数の製薬会社はMRに対して、講演会を企画・実施することを望んでいるということです。
講演会を行ったからと言って、売上が伸びる保証はない。
しかし、講演会を行わないと売上が伸びる余地も見えてこない。
だからこそ、製薬会社は講演会に対して拘っているのでしょう。
そして、そんな製薬会社の方針を“冷ややかな目”で見ているMRがいるのも事実です。
講演会を敢えて行わないスタイルを貫いているMRは、まさにその最先鋒といった感じです。
このような意見について、私個人としては一理あると思っています。
特に2020年のコロナ禍以降は、オンラインによる講演会が一気に加速しましたよね。
その影響により、それこそ毎日のように各社が何かしらの講演会を開催するような事態となりました。
あまりにも開催数が多過ぎるものだから、講演会の本来の目的である“自社医薬品の普及”は、半ば形骸化してしまっているようにも思えます。
よって、実質的には演者・座長に謝金を支払うだけのイベントと化しているのも事実です。
講演会に付随する“負の側面”というワケだ…
だから、私には講演会を企画しないMRの気持ちも分かるのです。
タチの悪いMRによっては、ただ怠けるための言い訳として上記のようなことを吹聴しているような気もしますが…
少なくとも、費用対効果の検証が難しい講演会という業務に対して、本社または上司が意固地になってまで開催を強要することに関しては、些か違和感があります。
講演会という手段が適していないエリアもある
講演会を開催してみたものの、当日の参加者(あるいは視聴者)がゼロだった。
講演会を企画してみたところ、そのエリアの重鎮医師から賛同を得られずに頓挫してしまった。
これらは地域差が激しい部分ではありますけど、講演会を行う上では少なからず起こり得ることです。
ぶっちゃけた話、演者・座長が誰であろうと、講演会に来ない(視聴しない)先生っているじゃないですか。
あるいは、担当エリア内の医師同士が不仲で、講演会の開催自体が困難だったりとか。
要するに、講演会を開催しても集客困難なエリア。
言い換えるならば“講演会という手段が適していないエリア”ですね。
さて、このようなエリアを担当しているMRはどうすれば良いのでしょうか?
玉砕覚悟で講演会を企画・開催すれば良いのでしょうか?
それとも、講演会以外の手段で頑張るべきか?
この2択であれば、私は後者を選ぶのも1つの手ではないかと思うのです。
企画の段階から上手くいかないであろう可能性が圧倒的に高いのだとしたら、講演会という手段は敢えて封印して、他の手段(例えば説明会など)にリソースを全振りする。
このようなやり方もアリではないのと思えるのです。
講演会とは、あくまで“手段”であって“目的”ではないですからね!
もし集客云々が難しいエリアなのであれば、MRが気合と根性で何としろという意見もあるかもですが…
ハッキリ言って、そのような根性論で何とかなるなら、そのMRは既に講演会を開催しているのではないでしょうか?
ある程度経験を積んだMRであれば、講演会を実施することの意義は十分に理解しているはずです。
自社医薬品を普及させるのは勿論のこと、上司または本社から詰らないためにも、講演会を開催しないワケにはいかない。
そういった理屈を知っていながらも、講演会を敢えて行わないのだとしたら、それは即ち100%に近い確率で“負け戦”となることを予見しているからではないでしょうか?
もし仮に講演会を開催したとして、それなりの効果が見込めるかどうか。
その辺りの温度感については、やはりそのエリアを担当しているMRが最も知っているはずです。
上司や本社からの視点でだと、こればかりはどうしても見えてこない要素ですからね。
よって、もし本当に講演会という手段が適していないエリアであれば、講演会を敢えて行わずとも良いのではないかと思えるのです。
ただし、上司・本社の目線では『講演会をサボっている』『こいつは怠け者だ』という風に見てしまうのでしょうけど。(汗)
最後に:大切なのは講演会云々ではなく売上目標を達成したかどうか
講演会を開催する・しないに関わらず、MRの評価は売上によって決まります。
会社から課せられた売上目標を達成できたかどうか。
これが社内におけるMRの立ち位置を左右する、最も重要なポイントです。
KPIとして講演会に関する何らかの設定がされていたとしても、やはり最終的に問われるのは担当エリアにおける売上です。
極端な話、売上目標を達成していれば、もし講演会を一切行っていなくても大して叱責されないと思うんですよ。
その一方で、もし売上が未達ならばどうなるでしょうか?
十中八九、上司(会社)からの追及が受けることでしょう。
売上目標を達成できなかった要因は何なのか?
MRとして、打てる手は全て打ったのか?
担当エリアにて有用な講演会を実施したのか?
実施しなかったのなら、なぜ実施しなかったのか?
実施しなかった理由は、単なる担当者として怠慢が原因なのではないか?
講演会なんて開催してみなければ上手くいくかどうかも分からないのに、なぜ最初から諦めているのか?
講演会が実施困難なことに関して、しっかりと上司に相談したのか?
このような感じで、上司から厳しく詰られるパターンが多いのではないかと思うのです。
今日に至るまでの間に、私はそのようなMRを何人も見てきました(汗)
ここで『講演会という手段は理に適っていないなど』と主張しようものなら、すぐに上司から咎められることでしょう。
下手をしたら、その場で“怠け者”というレッテルを貼られかねない。
要するに、MRにとって真に重要なのは、売上目標を達成度合いなんですよね。
売上は結果であり、講演会は過程でしかない。
売上が良ければ、講演会を開催しなかったことも不問に付される。
売上が悪ければ、講演会を開催しなかった事実を非難される。
詰まるところ、そういうことなのでしょう。
売上が未達であるにも関わらず、もし講演会を行っていないとしたら、それはMRとして努力放棄したと見做されても仕方がないのかもしれません。
MRは営業職であり、結果(数字)が全て。
過程も大切ですけど、何だかんだ言って、結果(数字)が全て。
これがMRという職業の現実なのかなぁと思う、今日この頃です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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