こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
今回は厚労省によるMR監視事業についての記事を書いてみました。
さて、2019年に販売情報提供活動ガイドラインが誕生して以降、MRの活動規制が一気に進みましたよね。
当初はMRたちの間でも大分騒がれましたが、そんな規制の中でもMRは環境の変化に適応してきました。
その一方で、情報提供に関する“違反疑い”があるとして、厚労省に通報されてしまうMRも後を絶ちません。
通報されたMR自体は少数とはいえ、ガイドライン施行から何年経っても通報者がゼロとはならない辺り、闇が深いなぁと思う今日この頃です。
そんなMRによる“違反疑い”に関してですが、日刊薬業やミクスといった業界誌でも色々なことが書かれています。
実はですね、上記記事の情報ソースとなっている資料は誰でも閲覧可能なんですよね。
…というワケで、これも良い機会だと思いまして、私自身も厚労省が発している【医療用医薬品の販売情報提供活動監視事業 報告書(令和5年版)】というものを読んでみました。
(※興味がある人は上のリンク先を覗いてみて下さい!)
一読してみた感想としては“本当に色々な事例があるんだなぁ…”ということです。
明らかにMR側が悪いと思えるものもあれば、これでMRが悪者扱いされるのは疑問だと思えるものまで、多種多様な内容が載っています。
とりわけ問題だと思うのは後者の方でして、ハッキリ言って医療従事者による“MR苛め”ではないかと思えるような事例もゼロではありませんでした。
医療従事者が『このMRは黒だ!』と言えば、たとえ本当は“白”だとしても“黒”として扱われてしまうと言うか…。
些細なことで通報されているMRは意外と多いかも…?
私がMRという立場だから余計に思うのかもしれませんが、ぶっちゃけ読んでいて気分の良いものではありません。
そう思うくらいには、MRという職業の悩ましい部分も垣間見えるような内容でした。
そこで、この記事では現役MRの視点から感想を綴ってみました。
MRによる違反疑い事例
厚労省が公表しているMR監視事業報告書ですけど、その内容ときたら“監視”という文言は伊達じゃないって感じです。
何と言っても、目次の時点でイヤ~な感じが滲み出ていますからね。
適応外での使用促進だの、事実誤認だの、データ加工だの、信頼性に欠けるデータだの、誹謗中傷だの、それはもうネガティブな言葉ばかりが並んでいます。
まさにMR(製薬会社)による悪行の見本市って感じです(汗)
当然ながら、厚労省側の辛辣な意見も随所で述べられています。
これは完全にMRが悪いのか、厚労省側が悪意的な表現をしているのか、その辺りは定かではありませんが…
何れにせよ、報告書の内容全てをこの記事内で取り上げて紹介するのは不可能ですので、取りあえず筆者が特に気になったものを3点ピックアップしてみました。
② エビデンスの無い説明
③ 安全性に関する情報提供が不十分
詳しくは後述しますけど、意外と厄介だなと思ったのが③です。
①と②は論外としても、③なんかは善良なMRであっても意外と陥りやすい罠かもしれません。
例えばですが、時間的な制約によって安全性情報の詳細について触れられなかった際、それだけで違反扱いされたりとか。
重箱の隅をつつくようなタイプの医療従事者ほど、③みたいな内容で通報しかねません。
そういった意味では、MRにとって最も警戒すべき要素かもしれませんね。
それでは①~③まで、報告書の記載内容を引用しながら紹介します。
① 承認範囲外での使用を促すような説明
✓ 海外での効能効果を紹介する
例)「日本の効能効果は限定的だが、海外では**も効能効果として認められている」
✓将来的な適応範囲の拡大を示唆する
例)「今後は日本でも**が効能効果に認められるだろう」
✓ 適応追加を機に、承認外の使用を促すような説明を行う
例)「心不全患者は腎臓が悪いことも多いため、**患者に対しても慢性腎臓病の病名をつけて処方がしやすくなったと医師が言っている」
※引用:医療用医薬品の販売情報提供活動監視事業 報告書 令和5(2023)年3月
おいおい、こりゃ完全にアウトだろ…(汗)
…などと思うくらいには、厚労省の報告書に載っている内容について呆れてしまいました。
上記の内容について、通報されたMRがどのような意図で喋ったのか定かではありません。
売上を伸ばしたい一心で、熱心に営業トークを行ったのか?
それとも、単なる雑談の一環で話したのか?
その辺りの事情について、当事者ではない私には皆目わかりません。
ですが、ひとつだけ言えることは“危ない橋を渡っている”ということです。
現役MRであればご存知の通り、医療用医薬品の適応外使用を促すような提案はNGです。
少なくとも、製薬会社のMRが積極的に勧めても良いようなことではありません。
コンプライアンスに厳しい今のご時世、どこの製薬会社でもMRに対してそのような指導を行っているはずです。
…にも関わらず、未だにこのような違反事例が出てくることに驚きを隠せません。
わざわざリスクを負ってまで伝えるような情報でもないでしょうに、一体何が違反MRたちを駆り立てたのでしょうか?
危ない橋を渡るのは個人の自由です。
ですが、その橋から落ちて大怪我するリスクについては考えなかったのでしょうか?
怪我(=厳重注意)で済めば良いですけど、最悪の場合、死んでしまう(=退職勧奨される)リスクについては考えなかったのでしょうか?
まあ、さすがに厚労省への通報1回でMRがクビを切られるとは考えにくいですが…
もしリストラを積極的に行っているような製薬会社でしたら、最優先でリストラ対象者としてロックオンされる気がします。
後々のことを考えれば、MRに災いをもたらす種になり得る行為なんですよね。
そのような危険を冒すことも辞さないとは、私にはちょっと理解できないです。
② エビデンスの無い説明
✓ 他の医療機関の評判や製造販売元の考え、個人の意見等を、科学的根拠を示さずに伝聞調で紹介する
例)「他院では**と評判である」、「製造販売元では**と言われている」、「味が良い、使いやすい」、「他の医療機関では添付文書の用法用量よりも少ない投与量で使用している」、「〇〇教授も『十分な効果が期待できる』と言っている」
✓ エビデンスないまま、安全性を軽視した説明を行う
例)「現時点でリスクが明確になっていないことを理由に、『死亡リスクが増加することはない』と MR が説明」
※引用:医療用医薬品の販売情報提供活動監視事業 報告書 令和5(2023)年3月
口頭での説明なら“証拠”が残らない?
いやいや、今はそんなに甘い時代ではないぞ!
今だから正直に言いますけど、私はMRになりたての頃、当時の上司から『証拠を残さなければグレーな情報提供もOKである』と指導された経験があります。
もちろん、それは販売情報提供活動ガイドラインが厚労省から発出される前の頃です。
ちなみにですが、ここでの“証拠”とは、具体的には紙媒体の資料や、電子メールなどの記録を指します。
早い話、証拠さえ残さなければ責任追及を回避できるという考え方ですね。
よって、グレーな内容の情報提供は口頭で行うのが常套手段とされていた時代があったワケです。
例えばですが、他施設の医師の意見を伝聞口調で話したりとか。
他には、巧みな話術によって印象操作しようと試みたりとか。
まさに、今回の報告書に載っている内容そのままです。
今となっては時代錯誤な方法ですし、当然ながら誉められたモノではありません。
むしろ、このような滅茶苦茶な情報提供が横行していたからこそ、MRの活動を取り締まるために販売情報提供活動ガイドラインが制定されたという経緯があります。
もはや反論の余地もないレベルで、上記の行為はご法度になってしまったのです。
…が、平成の頃ならいざ知らず、令和の時代になっても現在においても、このような情報提供を行っているMRがいるとは驚きです。
百歩譲って、相手側から他施設の状況を訊かれた場合のみ、口頭で答えるのならば理解できます。
むしろ、答えないと会話のテンポが損なわれるからなぁ…
しかし、MR側から積極的に『他の施設では好評ですよ!』などと言って処方誘引を行うのは危険と言わざるを得ません。
前時代的なやり方に囚われているMRがいるのか、それとも管理職による誤った指導の産物なのか、それは定かではありません。
しかし、もはや駄目なものは駄目なんですよ。
いつどこに監視モニターの医療従事者が潜んでいるのか分からない以上、根拠を示せない説明なんて悪手でしかない。
…などと私なんかは思っているのですが、世の中にはリスクを負ってでもグレーゾーンを突き進みたいMRが存在するということなのでしょうか?
その勇気は素晴らしいと思いますけど、その一方でリスク管理の視点を養った方が良いとも思いました。
“勇敢”と“無謀”は紙一重なのです!
③ 安全性に関する情報提供が不十分
⑤-3 安全性に関する情報提供が不十分だった事例
◆医薬品の種類
先天性代謝異常症治療薬
◆問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による説明(直接対面)
◆ポイント
安全性の観点から周辺情報も併せて提供しないと誤解を与えかねない情報提供であり、不適切といえる。
◆内容
使用上の注意改訂について企業担当者から対面で病院薬剤部に説明があった。
その際、投与速度について今までは「ただし、投与速度は 0.5mg/分を超えないこと」という記載があったが、「この部分が削除され、投与速度の上限がなくなった」と説明を行った。
(中略)
単に「投与速度の上限がなくなった」という説明だけでは誤解を与えかねない情報提供であったため、この注意点も合わせて情報提供を行うべきである。
(中略)
第二に、不適切な販売情報提供活動は減少しているものの、対面・オンラインなどの形式を問わず、依然として、「エビデンスのない説明を行った」、「有効性のみを強調した(安全性を軽視した情報提供活動も含む)」といった不適切な販売情報提供活動事例がみられた。
※引用:医療用医薬品の販売情報提供活動監視事業 報告書 令和5(2023)年3月
これはまだ情状酌量の余地がある…かも?
MRの顧客である医療従事者(特に医師)は忙しい人たちです。
いざ面会できたとしても、相手の都合により5分くらいで情報提供することを余儀なくされることは多々あります。
いや、5分も時間を割いてもらえるなら、まだ上々かもしれません。
場合によっては1分で話すことを求められるパターンもあります。
さらに酷い場合だと、10秒で話せと言われたりとか。(汗)
要するに、MRとの面会のために誰も彼もが10分も20分も時間を割いてくれるワケではないのです。
そういった事情がある以上、MRとしては相手に伝えるべき情報を取捨選択する必要があります。
この取捨選択の結果として、安全性データの紹介については乏しい情報提供になってしまったとしても、それはそれで致し方ないと思うのです。
時間的な制約により、今回の面会で有効性と安全性を万遍なく伝えることは難しい。
それであれば、今回は有効性データを中心に伝えて、安全性データの詳細については後日の面会時に伝えるようにする。
多分、MRであれば誰もが経験したことがあると事例だと思います。
そんなこんなでMRなりに腐心して行動した結果、いちいち厚労省へと通報されたら堪ったもんじゃありません。
…とはいえ、現実問題として通報されてしまっているワケですから、MRの立場ではお手上げです。
この違反事例において、MR当人が安全性に関する情報提供を本当に軽視していたのかどうか、それは定かではありません。
しかし私が思うにですが、この事例で通報されてしまったMRとしては、安全性データの要点だけを端的に述べたつもりだったのではないでしょうか?
MRの実務に落とし込んで考える際、簡潔明瞭な情報提供を心掛けること自体は理に適っています。
そんなMRなりの判断が、残念ながら裏目に出てしまった形なのかもしれません。
安全性に関する情報提供について、MRとしては“これで十分だ”と思った一方で、医療従事者(今回は薬剤師)としては“これでは不十分だ”と思ったということです。
そして、最終的には“安全性を軽視した情報提供”という評価に落ち着いたのかと。
要するに、医療従事者側の捉え方ひとつでMRは通報されてしまう可能性があるワケです。
こんなもん、一体どうやって防ぐんだって話です!
少なくとも、MR側に通報されるほどの重大な過失があったとは思えません。
しかし、いざ通報されてしまったら最後、そのMRに嫌疑をかけられるのは避けられないのも事実。
そう考えてみると、本当に恐ろしい話です。
私自身も、今後は注意してMRとしての活動に励みたいと思います。
違反したMRを会社は守ってくれない?
厚労省の報告書に載っている内容に関して、現役MRの目で見ても8割~9割はヤバい事例だと感じました。
どのような意図でMRが喋ったのかはともかく、少なくとも第三者の視点で見た時に擁護はできないと言いますか、とにかく言い逃れは難しそうな印象を受けます。
ただ、残りの1割~2割くらいは『おいおい、それで違反扱いするのは酷くないか?』と思えるものもありました。
医療従事者側の悪意が見え隠れすると言うか、あまりにも穿った見方をしているように思えなくもない。
そういった意味では、どれだけ善良なMRであっても違反者として通報されてしまう可能性があると言えます。
では、確信犯的なMRにせよ、意図せず通報されたMRにせよ、そのようなMRは会社内でどういった扱いを受けるでしょうか?
結論として、会社側が違反MRを積極的に庇ってくれる可能性は低いと考えています。
厚労省へと通報されてしまった時点で、通報対象のMRにとってはマイナスにしかなりません。
まずは社内で詳細なヒアリングを受け、通報へと至った経緯について徹底的に調べられることでしょう。
いつ、どこで、誰に、どのような資料を用いて、どのような説明を行ったのか?
それは、MRの独断で行ったのか?
それとも、上司からの指示で行ったのか?
その辺りの事情について、あらゆる角度から追及されること間違いなしです。
もうこの時点で、当事者であるMRにとっては針の筵だと思います。
メンタル的にもかなりキツいと思いますし、ぶっちゃけ良いことなんて1つもありません!
そこに加えて、もしMRの上司も違反行為に一枚噛んでいたと発覚した場合、もしかしたら会社を揺るがす一大事にまで発展するかもしれません。
そして最終的には、コンプライアンス違反と見做され、何らかの形でペナルティを科される可能性が高いのかと。
良くて厳重注意。
場合によっては、減給あるいは降格。
悪質だと判断された際には、退職勧奨(=論旨解雇)もあり得る。
処罰の重さはともかくとして、会社が違反MRに対して、完全にお咎めなしという姿勢を取るとは考えにくいです。
なぜかと言うと、もし違反MRを罰することなく野放しにしていたら、今度は会社としての指導不足を厚労省から疑われるからです。
実際に報告書内でも言及されていますが、厚労省側としては製薬会社が組織的に違反行為を働いていると捉えている節があります。
近年、特に競合が激しい医薬品について不適切事例が複数の医療機関から報告されており、MR 個人の資質の問題ばかりではなく、営業組織による意図的な取組を疑う事案もみられた。
※引用:医療用医薬品の販売情報提供活動監視事業 報告書 令和5(2023)年3月
製薬会社としては、違反云々で厚労省から睨まれたくないワケです。
そういった事情もあり、違反者と見做されたMRに対して、会社側は厳しく接するのが通例なのかと。
それは社内での再発防止を狙った、いわゆる“見せしめ”としての意味合いも含んでいると思います。
何れにしても、違反者として厚労省へと通報されてしまった以上、そのMRは社内で冷や飯を食わされる可能性大です。
下手をしたら、弁解の機会すら与えられないかもしれません。
こういった展開を避けるためには、やはり医療従事者から誤解されそうな情報提供は厳に慎むしかなさそうです。
まとめ:MRとして働き続けたいのなら正しい情報提供を心掛けよう!
人間、誰しも『自分だけは大丈夫だ!』などと思いがちです。
いわゆる楽観性バイアスというヤツですね。
自分の身に起こり得る不運な出来事を過小評価し、リスクを軽視してしまう。
周囲の人間が大変な目に遭っていても、それを他人事として捉えてしまう。
人間である以上、こういった認知の偏りは逃げられません。
だからこそ、そこに大きな落とし穴が潜んでいると思うのです。
違反云々で通報されたMRたちにしても、まさか自分が通報されるなんて夢にも思わなかったでしょう。
いや、むしろ『自分だけは大丈夫だ!』と思い込んでいたからこそ、通報という憂き目に遭ってしまったとも考えられます。
こういった思考に陥っているMRほど、違反疑いで通報されてしまう可能性が高いのではないでしょうか?
では、こういった可能性を潰すためにMRはどうすれば良いのでしょうか?
私見ですけど、最善策としてはMR側が白に徹することだと思います。
黒ではなく、グレーでもなく、とにかく白を貫く。
通報のリスクがありそうな情報提供は、一切行わないことを徹底する。
もうそれくらいしか通報を回避する術は思い浮かびません。
この通報云々で厄介なのは、厚労省の監視モニターがどこに潜んでいるか分からないという点です。
そして、それ以上に恐ろしいのは、医療従事者の言い分次第でMRが悪者扱いされる点にあります。
あるMRが、ある医療従事者に対して、ある情報提供を行ったとします。
そして、その内容が限りになく白に近いグレーだったとします。
こういった場合、もし仮に医療従事者側が『コイツは黒だ!』と言ったら、たとえMRが白であっても最終的には黒として扱われます。
通報された時点で、濡れ衣を着せられてしまう。
実際には無実であっても、無罪とはならない。
簡単に言えば、冤罪のような理屈です。
“疑わしきは罰せよ”というトンデモ理論です(汗)
我々MRにとっては御免被りたい話ですが、こういった展開が現実のものになってしまう可能性は十分に考えられます。
だったらどうすれば良いのかと言うと、先ほど述べた通り白に徹するしかないと思います。
承認範囲外での使用を促すような説明は行わない。
エビデンスの無い説明は行わない。
安全性を軽視した情報提供は行わない。
つまり、医療従事者から通報される可能性があることに関して、MRの側からは一切行わないということです。
違反疑いで通報されるリスクを負ってまでグレーな情報提供を行ったとしても、その代償として得られるものなんて、ハッキリ言ってたかが知れています。
仮に売上が一気に伸びたとしても、次も同じように成功するとは限りません。
そしていつの日か、違反疑いで通報されたことが発端となり、社内にて厳重注意・減給・降格・退職勧奨といった処分を食らったりしたら、それこそ笑い話にもなりません。
もし大事になってしまった場合、失うものが多過ぎるのです。
売上アップあるいは査定アップといった要素と天秤にかけた際、釣り合いが取れるとは到底思えません。
MRとして働き続けたいのなら、こういった現実を踏まえて行動する必要があります。
こういった文章を書いていて、実は自分でも『本当に息苦しい世の中だよなぁー』などと思っています。
何もかもが規制だらけで、腹立たしいですし、面白くないですし、現状に嫌気が差しているというのが本音です。
しかし、だからといってリスクを軽視しても良いという理由にはなりません。
“自分の身は自分の身で守る”という意識を持って、MRとして正しい情報提供活動を心掛けていきましょう!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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ヒサシ 様
今日も楽しく拝見させて頂きました。元MSのたぬきちです。
私は現役時代そのガイドラインの頃3年目で、MSにも波及がありました。
私は頭がよくないので、事実とは反するかもしれませんが、当時担当医師に、
「MRは添付文書以外のことは言ってはならない」
と言われていたのを聞いて←愛がないわけではないです。面白おかしくです。
横で聞いてる私は「へえー。厳しくなったんだな」ぐらいにしか思ってませんでした。
ですが、ヒサシ様の仰る通りガイドラインはMSにもきます。
※ちょっと待ちなさいと。MSにも適応なら全て終わりやん。、、、、
ちょっと記事とは逸れるかもしれませんが現在ではガイドラインどころか違法です。
←薬局社長の敷地の草刈り
←犬の散歩
←選挙運動(これは二重にアウト)
←チケット抑え(旅行やコンサート)
まあこの辺にします。あと100個ぐらい書けますが。
エピソードとしては、
A医師「お!〇〇製薬さんだな!今度のお弁当5000円ぐらいのがいいな!その時は私はいないから自宅まで届けてくれ。薬剤は採用するから!」
MR「はい!その通りにやります。うなぎとかで如何ですか???」
A医師「はい。ガイドライン違反ね。あとで通報しとくわ。笑」
みたいなことを横で見てました。もちろん愛のあるコミュニケーションなのでその医師は通報などしませんが。
医師も詳しいのです。興味ある人は。
違うお話になります。
ずっと通って新規開拓をした医師です。
どうしても採用していただきたい薬がありました。(2剤)
詳しくは言えないので端的に言います、
タヌキチ「先生。これを処方してください。こういった方に~ああだこうだ~」
医師「で、効くのか????」
はい。ここで「効きますと」言ってはいけません。ガイドライン上なのか法律上なのかわかりませんが。
みんな言いたくなりますよね。卸の私でさえ言いたいのに、自社のMRさんならなおさら。
医師「俺は効くんか効かないのか聞いてるんじゃー」←この業界入るとこういう医者いますよ(稀に)
たぬきち「いま、先生もご存じのように効くとか言ってはいけないんですよ。。。首切られます。」
「と、いうことはですよ。と、いうことはですよ。先生!」
医師「ああー。そうかー。」「わかったー!買うよ。3例ぐらいいるから」
この場合の買うよは、処方元なので採用する。(新規薬を)という意味です。
ヒサシ様の仰られてるMR活動において密告(申告なのかは不明)は、相当嫌われている人だと思います。
前の記事でもありました通り、距離感がない人(MRも医師も)ではないでしょうか。
そう考えると全て繋がる気がします。
たぬきち。
たぬきちさん
コメントありがとうございます!
仰る通り、昨今のガイドラインを舐めていると痛い目に遭います。
販売情報提供活動ガイドラインだけではなく、公競規も軽視できない時代ですからね。
場合によってはMR生命が絶たれる可能性も十分に考えられますので、一介のMRとしては戦々恐々といったところです。
ただ、そのお陰なのか過剰サービスや労務提供まがいの行為が規制され、業界全体がクリーンな方向に向かっているとも感じています。
5,000円のウナギ弁当なんて論外ですし、たとえ冗談でもそのようなことを言う医師も格段に減りました。
余談ですが、たぬきちさんのコメントを読んでMS時代の労務提供は本当に凄まじかったことを思い出しました…(汗)
医師宅のゴミ捨て、薬局での棚卸の手伝い、その他諸々、たぬきちさんには及びませんが私も色々と経験しています。
もしブログ内で「MS時代の労務提供」というテーマで記事を書く日が来たら、そのときは是非コメントをお願いします!