こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
講演会の中止・延期が止まりませんね。
3月の時点では5月予定の講演会などは十分開催できると思っていましたが、全くそんなことはありませんでした。
むしろ、6月以降も講演会開催の目途は立ちそうにありません。
これは弊社だけでなく、各社同じような状況だと思います。
…にも関わらず、自粛期間中に会社から内勤の一環として、講演会の企画提出を求められたMRも多いのではないでしょうか?
3月に中止になった講演会を6月に開催できないか?だとか、4月に中止になった講演会をいつ開催するつもりなのか?だとか。
私もそんなMRの中の1人です。
当然のことながら、『超』が付くほど辟易しています。
そもそも学会などの集まりだって中止・延期されているのに、製薬会社が主催の講演会なんかを本気で開催できると思っているのか?
講演会云々の指示が出る度に思うのですが、現実味がまるで無い。
無責任に医者を一か所に集め、それが発端となってクラスター発生…なんて事態にでもなったら目も当てられません。
緊急事態宣言か解除されたからと言って、決して油断はできない。
ましてや、医薬品の講演会は『3密』の最たる例ですから、しばらくは行わないに越したことはない。
最近は業界誌などで『2020年は講演会をしない!』などと表明する製薬会社も出てきましたから、早く業界内で意思統一されてほしいと思う今日この頃です。
そこで、今日は『コロナ禍と講演会』というテーマで自分の意見を書いてみました。
コロナ禍の状況で医者が講演会に来るはずがない!
講演会とはMRの企画力や集客力が問われる仕事ですが、いくら優秀なMRだろうと、コロナ禍の最中なのに何十人もの医者を一か所の集めるのは無理じゃないでしょうか?
医者からすれば、わざわざ感染リスクが高い場所に行こうとしないでしょうし、そもそも病院として講演会(3密)への参加を禁止している先だってあります。
そんな感染リスクを負ってまで聴講したい講演会って中々ないと思います。
じゃあ、5人~10人くらいの小規模の講演会なら来てくれるか?
…と考えると、これまた難しい気がします。
先日、WEB面談をしたある医者(以下、A先生)がこんなことを言っていました。
『まともな医者なら講演会(3密)に行こうとは思わないはず。』
『こんな時期に講演会を企画する製薬会社もおかしい。』
…といった本音(?)を語ってくれました。
なるほど、確かに正論です。
講演会(3密)に赴くだけでなく、講演会を企画すること自体を『悪』と捉えている医者は案外多いのかも知れません。
MRとてサラリーマンですから、会社の意向に従う義務があります。
しかし、その一方で講演会そのものに難色を示している医者もいることを忘れてはいけないのだと思います。
製薬会社(MR)側の都合をゴリ押しすれば、今まで築いてきた医者との信頼関係が壊れてしまします。
それだけは何としても避けなければなりません。
WEB講演会なら視聴してくれるのか?
ご存知の通り、WEBでの講演会ならコロナ禍の問題は回避できます。
むしろ、タクシー券は配らなくて済むし、当日の会場準備も楽だし、開催する製薬会社(MR)側としては助かる要素が数多くあります。
演者と視聴者における双方向のコミュニケーションが難しいという側面もありますが、開催する価値はありそうです。
むしろ、コロナ禍の影響を考えれば妥当な手段とも言えます。
それなら、WEB講演会を上手く活用して自社医薬品の売上アップに繋げれば良い!
…などと製薬会社の本部、あるいは上司からプレッシャーを掛けられているMRは多いのではないでしょうか?
私個人としては、WEB講演会の有用性は理解できるのですが、実際に開催するとしたらハードルは沢山あると思うんですよね。
そもそも、座長・演者をお願いしたい候補ドクターへの打診・相談はどうするのか?
施設側の事情で直接訪問がNGな先はまだまだたくさんあります。
では、流行りのWEB面談で打診するのか?
確かに、一部の医者は応じてくれると思います。
しかし、各製薬会社のMRが血眼になってWEB面談合戦を繰り広げているこの状況で、例え講演会の座長・演者の打診だとしてもWEB面談に応えてくれるものだろうか?
先ほどのA先生も言っていたのですが、WEB面談するとなると医局のPCを使う必要があることから、周囲の医者に相当気を遣う必要があるそうです。
医局内でもWEB面談OK派の医者とNG派の医者に分かれつつある状況らしいので、医局内でNG派の発言力が強いような先だと、WEB面談自体が困難を極めそうです。
そして仮にWEB面談を開催可能になったとして、どうやって医師陣に案内するのか?
現実的な手段としてはメールや郵送でWEB面談の要綱を伝えることですが、そういった製薬会社(MR)のことを医者はどう思っているのか?
これまたA先生から聞いた話ですが、最近は製薬会社(MR)からのメールや郵便物の数が凄いことになっているそうです。
(※よくそんな状況にも関わらずヒサシとWEB面談してくれたなぁ…と思います。A先生にはマジで感謝です。)
製薬会社(MR)の数だけメール・郵便物が届くわけですから、医者側も相当混乱してそうですね。
では、そういった数々のはハードルを乗り越えてWEB講演会当日を迎えたとして、果たして何人の医者が視聴してくれるのか?
再三のA先生からの話で恐縮ですが、こんなことをハッキリと言われました。
『製薬会社(MR)が院内の会議室などで弁当付きでWEB講演会(上映)をしてくれるなら他の先生方も視聴する気になるだろう。』
『しかし、弁当が出ないWEB講演会を視聴する医者は少ないのではないか?』
『最近は医者の働き方改革も進んでいるし、プライベート優先でさっさと帰宅する医者も多いよ。』
『自分にとって余程興味のある講演テーマだったら、医局や自宅での視聴も多少は考えるかな?』
やっぱり弁当って大切なんですね、A先生…。(汗)
中々手厳しい指摘でしたが、A先生なりの本音が垣間見えた瞬間でした。
何と言っても、興味がある講演テーマでようやく『視聴することを多少は考える』ですからね。(汗)
全ての医者がA先生のような考え方をしているとは思いませんが、WEB講演会ってヤツは製薬会社(MR)が考えているほど、現場の医者からは求められていないことを実感しました。
まとめ:コロナ禍が終息してないのに講演会を仕掛けるのは無謀だ!
私自身だけでなく、私の同僚MR、そして他社の知り合いMRも口を揃えて『この時期に講演会を行うのは無謀すぎる!』と言っています。
では、オフラインでの講演会は論外でとして、オンラインでのWEB講演会ならどうか?
これもこれで開催のハードル、案内のハードル、視聴のハードルが高い。
そして何より、医者側からのニーズが乏しい。
貴重な時間を費やしてまで積極的に視聴したいと思えるようなWEB講演会は多くない。
WEB講演会の視聴に時間を使うくらいなら、家族・趣味・休息のために時間を使いたいという気持ちも、まあ理解できます。
極端なことを言えば、講演会って製薬会社(MR)のエゴみたいな側面がありますからね。(汗)
そんなエゴ要素がある講演会なんかに構ってられないのでしょう。
しかし、会社からの指示でそういったエゴを通すことが仕事となっているMRも多いと思います。
私もそんなエゴMRの1人ですし、それ自体は仕方がないとは思いつつ、やっぱり釈然としない気持ちはあります。
多くの製薬会社(MR)がこういったエゴを前面に押し出した活動を続けた結果、コロナ禍が終息した後、MRという存在そのものが医者から見限られる予感がしてなりません。
所詮、MRなんて薬を売りたいだけだろ?
そのためなら、こちらの都合なんて知ったことじゃないんだろ?
…などという認識を持つ医者が増えそうな気がします。
今までだってMRに否定的な医者は一定数いたと思いますが、このコロナ禍の一件でさらにMR否定派の医者が増えそうです。
自粛明けのWEB面談もそうですが、それ以上に今このタイミングで講演会を仕掛けるのは無謀としか思えません。
当分の間、本社から来る講演会関係の指示については、現場の裁量で上手くやり過ごすしかなさそうですね。(汗)
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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