こんにちは、元MRのヒサシです。
先日、オーファンMRとしては珍しく医薬品卸に行く機会がありました。
その際、倉庫の方で作業している方々が不潔というか、社会人としてあまりにみすぼらしい恰好で仕事していたので、悪い意味で衝撃でした。
髭が伸び放題で、寝癖だらけで、手も汚い。
こんな人間が生命関連商品である医薬品を触るのって、果たしてどうなんだ?
…と、思ってしまいました。
もちろん、医薬品卸の倉庫で働いている人間全てが不潔だなんて思っていません。
しかし、内勤者ゆえの油断なのか、社会人としての身だしなみはイマイチな人が多いように思えます。
そんな光景を見て、今でも連絡を取り合っているMS時代の先輩が『医薬品卸の倉庫はMSの墓場だ』と言っていたことを思い出しました。
MSの墓場。
何とも強烈な言葉ですが、具体的にはどういった意味なのか?
これはつまり”MSとして使い物にならなかった人間”が倉庫での作業人員になる…という考え方です。
本日はこの意見について掘り下げてみたいと思います。
倉庫はMSの左遷先か?
まず、私のMS時代の経験からお伝えします。
新卒入社からMSを辞めるまでの約5年間で、私と面識のあるMSが3人ほど倉庫に異動しました。
その内訳はこんな感じです。
ご覧の通り、少なくとも栄転ではありません。
以前、女性MSのキャリアについて書いた記事でも触れましたが、一般的に倉庫勤務はMSの出世コースではありません。
では、医薬品卸の倉庫にはどんな人間が働いているのか?
個人的な意見ですが、倉庫では『コイツはMSとして不適格だ』と会社から認識された人間が占める割合が大きい気がします。
先ほど挙げた倉庫への異動者は、人間的には良い人です。
たまにですが、今でも私と連絡を取り合うこともあります。
ですが、残念ながら会社からは”MSには向いていない”と認識された…ということです。
会社からすれば、MSとして頻繁に休職されたり交通事故を起こされたりしたら困るのです。
あるいは、顧客対応の度にメンタルを病んでしまい、売上・利益をダウンさせても困る。
だったら、MSではなく倉庫勤務(内勤)で頑張ってもらおう…という理屈ですね。
こんな具合に、MSに向いていない人間は自然と倉庫に移っていくものです。
MSとして淘汰される、という言い方の方が正しいかも(汗)
つまり、医薬品卸の倉庫はMSにとって左遷先であることは否めません。
そう考えると『倉庫はMSの墓場である』という表現は的を射ているのではないでしょうか?
私は、自分がMSに向いていないと思ったからこそMSを辞めました。
ですが、もし医薬品卸に残っていたとしたら、今頃はMSとしての仕事に疲れ、倉庫勤務へと配置換えなっていたかもしれませんね。
倉庫が墓場たる理由
これも私の経験談ですが、私がMSとして勤めていた営業所の倉庫では、常に険悪な雰囲気が漂っていました。
まず、その倉庫の管理者がとにかく気難しいオジサンだったんですよ。
一言でまとめると『性格が悪い』ということです。
何と言うか、常に誰かの粗探しをするタイプの人間だったんですよね。
倉庫勤務の部下社員だけでなく、MSにもいちいち突っ掛ってくるような人でした。
そして、その部下社員の人たちも気難しいというか、捻くれているというか、常に誰かの陰口を言うタイプの人々でした。
主な陰口の対象は先ほど述べた管理職のオジサン(倉庫社員の上司)でしたが、場合によってはMSの陰口も言っていましたので。(汗)
実は私が医薬品卸に入社して間もない頃、現場実習ということで数週間ほど倉庫勤務をした経験があります。
しかし、先述した倉庫勤務者と一緒に仕事するのは凄まじい苦痛でした。
とにかく、悪い意味で人間的に癖がある。
相手の良い部分ではなく、悪い部分にばかり注目する。
口を開けばネガティブは発言ばかり。
ちょっとした雑談ですらままならない。
結局、そんな彼らのことを私は好きになれませんでした。
ちなみに倉庫の管理職、部下社員、共に元MSです!(汗)
今思い返してみると、あまりにも陰湿な人々だったので、MS(営業)として外されたのも納得です。
こんな具合に、私がいた営業所の倉庫は人間的に歪んでいる人たちの巣窟だったんですよね。
他の営業所の倉庫でも多かれ少なかれ、同期MSからの話を聞いた限りでは、かなり癖のある人間がいたようです。
そもそも、MSとして上手くいかないということにはそれ相応の理由があります。
とてつもなく性格が悪い。
コミュニケーション能力が欠如している。
仕事における忍耐力や共感能力や足りない。
こんな人々が顧客から信頼されるワケがないのです。
その結果、倉庫へと左遷され、より一層、悪い意味で癖が強くなっていく。
そんなタイプの人間が1人2人と増え続け、倉庫内の雰囲気をより悪くしていく。
そして、倉庫内が劣悪な労働環境となっていく。
つまり『墓場』と化すのです。
医薬品卸の倉庫業務は簡単なのか?
さて、倉庫勤務の人間はどんな仕事をしているのでしょうか?
一言でまとめると『在庫の管理』が彼らの仕事です。
製薬メーカーから出荷されてきた医薬品について、自分のところの倉庫に入庫したり。
取引先の注文に応じて、医薬品を出庫したり。
必要に応じて、製薬メーカーに出荷依頼を出したり。
製薬メーカーの都合で自主回収になった医薬品について、伝票処理をしたり。
こんな風に、倉庫の業務には色々なものがあります。
…で、私自身が新入社員の実習で倉庫勤務したときは、上記の業務を一通り経験させてもらいました。
今振り返ると、倉庫の仕事は『超』が付くほど簡単で単純な作業でした。
何しろ、新入社員だった私ですら、すぐに1人で仕事を回すことが出来たくらいです。
これはつまり、新入社員でもすぐ慣れるほど単純な仕事である…という見方もできます。
もちろん、私だって倉庫業務の全てを経験し、全てを完璧にマスターしたとは思っていません。
それでもなお、私の人生経験上、医薬品卸の倉庫業務は非常に簡単な部類の仕事だったと感じています。
少なくとも、MSの業務と比べれば大した難易度ではないと思います!
倉庫業務の難点を挙げるとすれば、単純作業過ぎて刺激がないことでしょうか。
特に、医薬品の入庫&出庫は本当に退屈な作業でした。
全国の医薬品卸では、倉庫勤務に誇りを持っている人もいるとは思います。
しかし、残念ながら私には倉庫勤務の醍醐味は理解出来そうにありません。
悪い言い方をするなら、医薬品卸の倉庫業務は“誰にでも出来る仕事”なのです。
だからこそ、MSの左遷先として倉庫への異動が多いのかもしれませんね。
まとめ:少なくともMSにとって倉庫は『墓場』である
ここまで医薬品卸の倉庫について、何かとネガティブな書き方をしてきました。
先輩MSが私に言った『医薬品卸の倉庫はMSの墓場だ』という言葉。
この言い分を検証すればするほど“なるほど確かにその通りだ”と納得している自分がいます。
身体やメンタルを病んでしまい、営業現場を離れざるを得なくなったMS。
取引先から酷評されてしまい、営業として不適格と見做されたMS。
重大な事故やコンプライアンス違反をやらかしたMS。
医薬品卸の倉庫はこういった、MS達の受け皿として機能しています。
これはある意味、セーフティネット的なポジションが保障されているとの見方もできます。
そういう意味では、MSにとって倉庫は『墓場』であり、その一方で『駆け込み寺』のような存在でもあります。
MSとして限界を感じたら、自分から倉庫への異動を申し出るのも1つの処世術かもしれませんね。
実際、倉庫に異動したことでMSのストレスから解放され、気楽に働いている人たちもいますからね。
MS(営業)としての仕事に疲れて倉庫へと異動したがる人間は意外と多い!?
そう考えてみると、人によっては倉庫で働くことが必ずしも悪い選択肢だとは限らないのでしょう。
ですがもし、MSも嫌、倉庫も嫌、ということであれば、私のように医薬品卸自体を辞めるしかない。
詰まるところ、そういうことですね。
何れにせよ、自分にとって無理なく働ける環境を見付けることが大切なのかなぁと思います。
最期まで読んで頂き、ありがとうございました!
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