こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
今日はある病院の説明会にて私の準備不足が招いたクレームの話です。
今回クレームをもらった病院は、これまで何度か記事にしたことがあるS病院です。
病院でのMR訪問規制は、実はMRの自業自得である!と思った話
さて、クレームの原因ですが、記事のタイトルにある通り、説明会の資材が足りなかったためです。
最終的に結果オーライでしたが、そのせいで総務課のオバチャンからクレームをもらいました。
とはいえ、とても軽いクレームです。
苦言とか小言という表現の方が合っている気がします。
しかし、私としてはメチャクチャ肝を冷やした事件だったため、自戒を込めて記事にしてみました。
なお、これ以降の文章では総務課のオバチャンのことをT氏と書かせて頂きます。
お局タイプというか、結構気が強いタイプのオバチャンでした。
説明会用の資材を75人分要求されたのだが…
クレームの内容は至ってシンプルです。
説明会の取りまとめ役であるT氏は、説明会当日に資材を75人分用意してほしいと依頼してきました。
これに対して、私は資材を65人分しか用意しませんでした。
これは、私なりの考えがあって意図的に65人分だけを用意しました。
過去にS病院にて全く同様の説明会を行った際、資材を75人分用意し、結局20人分ほど余ったからです。
『また75人分の資材を用意するのは面倒だな。』
『前の説明会では、余った資材を封筒やクリアファイルから出してバラすのも大変だったしな。』
『どうせ75人も来るわけないし、取りあえず65人分くらいを用意していけば十分でしょ!』
こんな具合に、私は前回の説明会経験を踏まえて、自己判断で65人分だけを用意することを決めました。
この油断が命取りになったのです。
さて、そんなこんなで説明会当日、事件は起こりました。
総務課の人々と一緒に説明会の準備をしている場面で、資材が足りなくなったのです。
土壇場での急展開で私もT氏も混乱しました。
そして、T氏からは至極真っ当なクレームを頂戴しました。
T氏『どうして資材が足りないわけ?』
ヒサシ『うっ、そ、それは…。』
T氏『私は75人分用意してくださいと言いましたよね?』
ヒサシ『は、はい。仰る通りです…。』
T氏『じゃあ、どうして資材が足りないわけ?』
ヒサシ『私の認識違いでした。申し訳ございません。』
T氏『はあ?あなた、どういうつもり?そんなことで説明会をさせてもらえると思ってんの?』
ヒサシ『す、すいません!車に予備の資材があるので、今すぐそれを取ってきます!』
こんな感じのやり取りです。
T氏の言い方はともかく、落ち度があるのは私の方です。
幸い、説明会開始まであと1時間ほど余裕があったので、急遽、車まで戻って予備の資材を引っ張り出してきたことで結果オーライとなりました。
(※急な資材請求に対応するために、私は常に車内にある程度の資材を積んでいます。)
とはいえ、もし車に予備の資材がなければ完全にアウトでした。
このときは本当に焦りました。
資材が75人分も必要なのは、全診療科の医師が対象だからである
S病院は毎月1回、昼の13:00頃に病院内の全ての医師が集まって医局会を開きます。
外来や手術で忙しい医師は来ないことがありますが、原則、全ての医師が参加する医局会です。
ちなみに、医師だけでなく事務方の人間も参加しますので、参加総数は60~70名ほどです。
病院の大きな会議室が殆ど満席になります。
この医局会とMRの仕事とで、どんな関係があるのか?
実は、この医局会では製薬会社が自社製品の製品説明を行うことが認められているのです。
簡単に言えば、規模が大きい説明会ですね。
ただし、繰り返しになりますが、毎月1回だけのイベントですので、1年で12回しかチャンスがありません。
しかも、院長、副院長、部長クラスの医者は高確率で参加する医局会なので、各製薬会社が血眼になって予約取り争いをしています。
こんな背景があり、大抵は大手の製薬会社が予定を抑えています。
しかし!
そんなハードルの高い医局会ですが、私は色々と知恵を絞って2018年の12月頃にこの説明会の予約に成功し、2019年4月に説明会を行いました。
資材不足のクレームを除けば、概ね成功の説明会でした。
この医局会での説明会をヒサシは一度経験していた
実は、私はこの医局会での説明会を2018年10月に1度経験しています。
その後、
2019年になったら、もう一度ここで説明会をしたいな~。
…と思い、薬剤部から総務課まで、各方面で根回しをして2019年4月の説明会予約をしたのです。
2018年10月の説明会でも、T氏に色々と教えてもらって実施しました。
例えば、説明会に必要な資料の数、弁当の数、入退室のタイミングなどです。
そして、そのときの説明会は何の問題もなく終了しました。
そのときの経験が、今回の油断を生みました。
余談:オーファンMRが全診療科対象の説明会を行う意味とは?
これまでブログ内で書いてある通り、私はオーファンMRです。
私はMRとして、基本的にオーファンドラッグは特定の診療科、または専門医のみに紹介することが多いです。
しかし、今回の医局会で話した薬剤は、診療科間の連携がカギになるタイプの薬剤でした。
こんな事情もあり、私は敢えて全科対象の説明会に踏み切ったのです。
他にも院長、副院長クラスの医師陣に伝えたいこともありました。
この薬(オーファンドラッグ)の存在を知ってほしい!
こんな病気が存在するということを知ってほしい!
希少疾病患者は見過ごされている可能性に気付いてほしい!
そんな気持ちを込めて、説明会の場でプレゼンしました。
希少疾病とは、診断が難しい病気です。
医者も万能ではありませんから、初診時に希少疾病の可能性に気付かないことは十分考えられます。
もし希少疾病の可能性が見過ごされてしまえば、他の診療科(専門医)に患者を紹介するような発想も生まれないでしょう。
そして何より、病気が見過ごされることで、患者は適切な治療を受ける機会を失います。
この機会損失は、患者にとって不幸なことです。
ですから、単なる薬剤の紹介だけでなく、疾患そのものを啓発するためにも、私は敢えて全診療科対象の説明会を行ったのです。
まとめ:面倒でも、説明会の資材は指定された数を用意しよう!
MRなら共感してもらえると思いますが、説明会の資材を用意するのは面倒です。
資材を1つ1つ選び、クリアファイルや封筒に入れる。
説明会後に資材が余ったら、それらをバラす作業もある。
余った資材を他の説明会時に使いまわすという手もありますが、それも限界があります。
とにかく、面倒くさい。
無駄な仕事をしたくない。
そんな怠慢が、今回のようなクレームに繋がりました。
総務課のT氏だけでなく、一歩間違えば院長クラスの人間からも反感を買うところでした。
おかげで嫌な汗をかきましたし、こんな体験は二度と御免です。
今後は面倒でも、指定された人数分の資材を用意しようと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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