こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
ここ最近、久光製薬のモーラステープを貼る機会がありました。
モーラステープとは経皮吸収型の鎮痛消炎剤であり、久光製薬が誇るロングセラー商品でもあります。
スポーツ経験者であれば、怪我をした部位に貼った経験がある人も多いのではないでしょうか?
ちなみに、見た目はこんな感じの薬です。
医薬品業界で働いている人なら知っての通り、久光製薬は貼付剤の先発品メーカーです。
私が医薬品卸のMSとして働いていた頃、久光製薬とは【施策】などを通じて何度も関わりました。
個人的には、かなり体育会系な社風のイメージがある製薬会社です!
そんな久光製薬の代表的な製品がモーラステープです。
MS時代に幾度となく【詰め】を行ったモーラステープ。
そんなモーラステープのお世話になるのは、学生時代に膝や肘を痛めたとき以来のことです。
ところで、なぜヒサシは今回モーラステープを貼ることになったのか?
実はですね、普段通りに外勤している最中、車から降りた瞬間に“謎の腰痛”に襲われたからです。(汗)
今までの人生で経験したことがないタイプの痛みでして、お辞儀のために腰を曲げるのも一苦労なくらいでした。
もしかして、これが“ギックリ腰”というヤツなのか…!?
…などと思いつつ、あまりの痛みに耐えかねて、近所の整形外科へと駆け込んだヒサシ。
しかしながら、ギックリ腰なのかどうかはイマイチ判然としないという結果に。(汗)
(※レントゲン撮影もしましたが、骨に異常などはありませんでした。)
結局のところ、痛みの原因はさて置き、取りあえず対症療法として痛みを緩和しようという話になりました。
そこでまず処方されたのが、ケトプロフェンテープという貼付剤です。
ケトプロフェンテープとは、モーラステープの後発品であり、見た目はこんな感じです。
ただ、このケトプロフェンテープを腰に貼ったら、その箇所がメチャクチャ痒くなったんですよ。
それはもう、とんでもない痒さでした。
…で、そのことを整形外科の先生に話したら、今度は先発品であるモーラステープを処方されまして。
そしたら不思議なことに、モーラステープなら特に痒さを感じることもなく、腰も順調に回復していきました。
この一連の出来事を通じて、私は久光製薬の企業努力について実感したんですよね。
それもMRとしてではなく、患者という立場で…です!
そこでこの記事では、第三者かつ患者の視点から、久光製薬について色々と語っていこうと思います。
私は別に久光製薬の社員でも何でもありませんが、久光製薬について興味がある人はご一読いただければと思います。
ケトプロフェンテープ(後発品)での痒み
人生初のギックリ腰(多分)のため、近所の整形外科を受診したヒサシ。
レントゲンを撮っても特に異常は見当たらず、取りあえず貼り薬を処方されることに。
その際、整形の先生から『貼り薬について何か希望はある?後発品が良い?』などと訊かれ、その流れで何となく後発品のテープ剤を要望。
そして、受付で発行された処方箋には『ケトプロフェンテープ』の文字が。
へぇー
確かこれって、モーラステープの後発品だったよな…
MS時代に幾度となくモーラステープの【詰め】を行い、なおかつモーラステープからケトプロフェンテープへの切替営業などもしていたヒサシ。
そんな経緯もありまして、ケトプロフェンテープの存在自体は知っていました。
その後、門前の調剤薬局でケトプロフェンテープを受け取り、帰宅後に早速、腰に貼りつけてみました。
ここまでは良かったんですよ。
ここまでは。
その後、ケトプロフェンテープを腰に貼ってから半日ほどが経過した頃、私は異変に気付きました。
痒い。
それはもう、猛烈に痒い。
ケトプロフェンテープを貼っている腰の部分が、痒くて痒くて仕方がない。
人生で初めての、何とも言えない掻痒感。
しかも、単純に掻き毟りたくなるような感じでもない。
そもそも、これは『痒さ』なのか?
灼けつくような、チクチクするような、どちらかと言うと『痒い』よりも『痛い』に近い感覚。
何れにせよ、とんでもなく不快であることに変わりはない。
あの感覚を言葉で表現するのは難しいのですが、マジで耐え難いレベルの掻痒感だったんですよ。
冗談などではなく、あの時は『こんなに痒い思いをするのなら、何も貼らずに腰が痛いままの方がマシだ』とまで思いましたので。
それでもギックリ腰治療のためと思い、3日は頑張ってケトプロフェンテープを腰に貼り続けました。
…が、依然として痒さは治まらない。
それどころか、どんどん酷くなってくるではないか。
一体、これはどーいう事だ?
もしかして、光線過敏症ってヤツか?
いやいや、テープを貼っている腰部分が直射日光に当たったワケでもないし、多分それはないだろう。
だったら、自分の肌とケトプロフェンテープの相性が悪いということか?
人によってはテープ剤やパップ剤を貼ると痒さを感じると言うが、もしかしてコレがそうなのか?
いわゆる“接触皮膚炎”というヤツなのか?
結局、痒さが半端じゃなかったので、ケトプロフェンテープを貼るのは3日でギブアップしました。
あの痒さは、実際に体験した人でないと理解してもらえないと思う…(汗)
モーラステープ(先発品)では痒みなし
ケトプロフェンテープでの痒みに耐えかねた私は、すぐに近所の整形外科を再受診しました。
ケトプロフェンテープを貼った箇所が痒くて仕方ないことを伝え、別の貼り薬を処方してくれと医者に訴えるヒサシ。
いい歳した30代のオッサンがヒィヒィ言っている姿は、傍目から見たらさぞかし滑稽だったことでしょう。(汗)
そんなヒサシのことを見ながら、妙に神妙な顔をしている先生。
先生の話を聞く限りだと、私のようにテープ剤を処方した後で痒みを訴えてくる患者は珍しくないのだとか。
うーん…
後発品(ケトプロフェンテープ)だと“貼り心地”がイマイチだって言う人もいるからねぇ…
はあ、そうなんですか…
じゃあ、今度は先発品(モーラステープ)を処方しようか?
はい、それでお願いします
そんなこんなで、今度は先発品(モーラステープ)を貼ってみることになったんですよ。
門前薬局でモーラステープを受け取り、帰宅してすぐ、腰の辺りに貼ってみたところ…
痒くない。
いや、実際にはケトプロフェンテープでのダメージが残っているというか、腰周辺の肌がちょっと荒れ気味だったんですよ。
だからその箇所にモーラステープを貼る以上、多少なりとも違和感はあったのですが…
痒くない。
少なくとも、ケトプロフェンテープを貼ったとき程の掻痒感はない。
何だこりゃ!?
モーラステープって凄ェェェ!!
…などと、その貼り心地に感激すらしました。
腰痛の改善云々よりも、痒みがなく腰にテープを貼れているという事実がまず嬉しい。
有効成分であるケトプロフェンは共通しているはずなのに、後発品(ケトプロフェンテープ)とは、貼り心地がまるで違う。
その後、モーラステープを貼り続けること1週間ほど。
腰痛は殆どなくなり、普通の日常生活が出来るくらいには回復しました。
後発品と先発品。
ケトプロフェンテープとモーラステープ。
両者との間で、なぜこれ程までに掻痒感が異なるのかは分かりません。
これはおそらく、個人差が大きい部分であり、そもそも“痒さ”というのは主観的な感覚です。
よって、数値化するなどして客観視することは難しい。
だから一概にモーラステープ(先発品)が優れているとは言い難いところではありますが…
結果だけを見れば、モーラステープによって私の腰が救われたのは紛れもない事実です。
この経験を通じて、私は患者という立場で“貼り心地”の重要性について痛感しました。
貼付剤については先発品が好まれる理由
テープ剤にせよ、パップ剤にせよ、一体何のために貼るのか?
それは言うまでもなく、痛みを緩和するためです。
その際に発生する、患部に“貼る”という行程。
コレを実行しない限り、貼付剤がその効果を発揮することはない。
よって、まずは“貼った状態”を維持することが不可欠です。
逆の見方をするなら、“貼った状態”を維持できなければ話になりません。
以上のことから、もし貼付剤が効く前に痒くなったりしたら、そしてその痒さが患者にとって耐え難いレベルだったとしたら、高確率で剥がすことになります。
それでは貼付剤として、本末転倒だと言えます。
よって、貼付剤においては有効性・安全性だけではなく“貼り心地”も非常に大切です。
…と、言葉にするのは簡単です。
ですが、この一連の流れに関して、身を以て知っている人間が、世の中にどのくらいいるでしょうか?
かくいう私自身も、ケトプロフェンテープでの痒さを体験するまでは、ハッキリ言って他人事のように思っていました。
MRとして、貼付剤を扱った経験がない事も影響しているかも…
私の場合、自分が患者の立場になって初めて、貼り心地の重要性を理解しました。
テープ剤を後発品→先発品へと変更することで、耐え難いレベルの痒さを解決することが出来た。
これは紛れもない事実です。
おそらく先発品・後発品とで添加物(例えば粘着に関わる成分など?)が異なるため、このようなことが起きたのだと推測していますが…
この背景を読み解いていくと、先発品(モーラステープ)を製造している久光製薬の企業努力が、大きく関わっているのではないかと思うのです。
ご存知の通り、久光製薬は貼付剤に特化している製薬メーカーです。
テープ剤と言えば、久光製薬。
パップ剤と言えば、久光製薬。
業界内でそんなイメージが浮かぶほど、久光製薬は貼付剤の領域で名を馳せています。
そんな久光製薬ですから、貼付剤に関しては膨大な量のノウハウを持っているはず。
単純な有効性・安全性だけではなく、先述した“貼り心地”についても、患者の肌に負担を掛けないような製品設計を追求してきたことでしょう。
その過程で会社として得てきた知識・技術などが、モーラステープといった製品に集約されているかもしれません。
『貼付剤について、患者によっては先発品を好む』という話を聞いたことがありましたけど、その理由がまさにコレなのでしょうね。
貼った箇所が痒い。
それは患者にとって、QOLに直結する要素です。
その事実を知り抜いているからこそ、久光製薬は貼付剤の“貼り心地”を研究することについて余念がない。
詰まるところ、そういうことなのでしょう。
従いまして、貼付剤については何でもかんでも後発品を使えば良いという話でもないのかもしれません。
最後に:久光製薬の企業努力は凄い!そして尊い!
モーラステープの後発品が発売されてから、既に10年以上が経っています。
…にも関わらず、モーラステープに関しては先発品を好む患者がいる。
多少高額であろうと、後発品ではなく、先発品を使いたがる患者がいる。
だからこそ、モーラステープは久光製薬のロングセラー商品として、現在も市場に残り続けている。
この状況の根底には、久光製薬の企業努力があると思うワケです。
大体にして、後発品が出てくれば、先発品メーカーとしては採算が合わなくなるのは当たり前です。
そうなった時点で、製造中止を決めたり、他社に販売権を譲ったりする製薬会社も珍しくないですよね。
要するに、長期収載品のビジネスから撤退するということです。
自分が現役MRだから余計にそう思うのかもしれませんが、お金にならないビジネスに見切りを付けるのは、営利企業としては当然の判断だと思います。
不採算事業が切り捨てられるのは、世の常ですからね…
だからこそ、久光製薬の姿勢が際立つというか。
このような環境下で、10年以上も先発品(長期収載品)を使う顧客層をキープしているのって、実は凄いことではないでしょうか?
久光製薬の内部事情については分かりませんが、後発品の発売以降も、自社医薬品のクオリティ向上に努めてきたことは間違いないでしょう。
実際、私はモーラステープ(先発品)のお陰で救われたワケですし。
念のため補足しますが、私は後発品(今回はケトプロフェンテープ)がダメだと言いたいのではありません。
後発品には、後発品の良いところがある。
それは認めます。
私は痒さによってギブアップしましたが、ケトプロフェンテープを貼っても何ら問題がない患者も、世の中に大勢いることでしょう。
その一方で、私のように“貼り心地”が不満でギブアップした患者はどうなるか?
その場合は、やはり先発品であるモーラステープに出番が回ってくるのではないでしょうか?
要するに、後発品でダメだった患者たちの受け皿として、先発品が機能しているという側面があるワケです。
こういった事実があるからこそ、久光製薬はモーラステープを含め、長期収載品であっても品質向上に努めているのかもしれませんね。
MRとしてではなく、患者という立場で、久光製薬という企業の存在意義を実感した一幕でした。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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