医薬品卸のMS時代に最も大変だった休日当番エピソードを紹介します!

MSの仕事

こんにちは、元MSのヒサシです。

年末年始・GW・お盆などの連休期間、読者の皆さんはどのようにお過ごしでしょうか?

このブログ内で何度も記事化してきましたが、MRとMSの休暇事情は大きく異なります。

 

MRとMSとの違い②【休みやすさ編】

MRの待遇面における最大の魅力!?大型連休を満喫できるのはデカい!

 

こういったタイミングになると、私はしばしばMS時代の休日当番のことを思い出します。

GWの殆どが休日当番で潰れたり。

お盆の当番中に暑すぎて脱水症状気味になったり。

大晦日の夕方に病院から呼び出されたり。

それはもう、MS時代は色々なことがありましたので。

ヒサシ
ヒサシ

多分、一生忘れることはないと思う(汗)

何かにつけて大型連休では苦労してきた私ですが、その中でも最も苦しかったと思っているエピソードを紹介しようと思います。

配送業務からクレーム対応まで、MSとしての辛さが凝縮された1日に興味がある人はご一読ください!

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GW中の地獄の1日

これは私がMSとして働き出して2年目の出来事です。

GW中の5月3日…

つまり、憲法記念日ですね。

この日は朝6:00に家を出て、帰宅したのは21:00頃でした。

ヒサシ
ヒサシ

長時間労働そのものよりも、イレギュラー的に発生する注文の方がしんどい1日でしたね(汗)

この日、なし崩し的に営業所の休日当番を引き受けた(押し付けられた)私は、2年目のMSとして最大のピンチを迎えていました。

当時、私がいた営業所では休日の配送当番は1人で回すというルールがありました。

そのため、電話受注・薬の出庫・梱包・伝票作成・車の運転(移動)・取引先での納品など、全てを1人で行う必要があったのです。

この日はまず、営業所内で注文分の医薬品を梱包し、続いてクロネコヤマトに寄って他エリアから取り寄せた医薬品を受け取り、それから病院を順々に回りました。

…と、ここまでは良かったのですが、昼くらいから病院からの注文電話が激化してきたのです。

(※営業所外で配送中は休日当番用の携帯電話に注文の電話が転送される仕組みでした。)

営業所管轄の各病院からクレーム混じりの注文が入る入る。

それはもう、新人MSが1人では捌けないほどのペースで。


大至急、注射剤の○○を持ってきてくれ!
今から1時間以内に内服薬の△△を届けてくれ!
何で早く電話に出ないんだよ!こっちは急いでいるんだ!

そう言われても、こちらの身体は1つだけです。

一度に行える仕事には限界があります。

おかげ様で、こちとらキャパオーバー気味で徐々にイライラしてくるときた。

ヒサシ
ヒサシ

随分と偉そうに注文してくる薬剤師ばかりだなぁ…

…などと、このときは心の底から思ったものです。

(※病院での薬剤発注は基本的に薬剤師が行っているのです!)

患者ありきで仕事得をしている医療従事者だって大変なのは分かります。

でも、そんな注文の仕方はちょっと人間どうなの?

医薬品卸のことを無茶振りすれば何でもしてくれると思っているのか?

もうちょっと言い方というモノがあるのでは?

そんなことを考えながら、時間を惜しんで車を運転しながら注文電話に対応し、しかもハンドルを握りつつ注文内容を紙にメモするという荒業を行っていました。

ヒサシ
ヒサシ

今思えば、あのときは交通事故にならずに良かったと心底思います(汗)

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営業所に在庫が無くてクレーム激化

この日はとにかく、営業所と病院を行ったり来たりする1日だったんですよね。

帰社⇒出庫⇒梱包⇒伝票作成⇒移動⇒納品⇒帰社(以下、繰り返し)

…という流れをひたすら繰り返していました。

さらに、その合間に電話注文を受けて対応する…といった感じですね。

ヒサシ
ヒサシ

あれはマジで辛かったなぁ…

さて、私が所属していた営業所管轄の病院では、薬剤部が妙に高圧的な先が多かったんですよね。

先ほども書いた通り、それはまあ偉そうに電話発注してくる人が大多数でした。

そのため、午後になる頃には結構疲れてきていました。

体力的にはまだ余裕があったのですが、如何せん精神的な疲労がヤバかったです。

そんな中、ある病院(以下、A病院)から注文された薬剤(以下、注射A)の在庫が無いことが判明。

その旨をA病院に折り返し連絡したところ、先方の薬剤師(男性)が激怒。

そして、ここから怒涛のクレーム対応が始まったのでした。(汗)


何で注射Aを在庫してないの!?
お宅と契約になっている薬剤でしょうが!
何としても今すぐ注射Aを持ってきてくれ!

ガチャッ

ツーツーツー…

ヒサシ
ヒサシ

おいおい、ガチャ切りするなって!

在庫が無いものは無いんだよ!

俺にどうしろってんだ!?

私は途方に暮れました。

その薬剤が在庫切れだったの偶然なのか、それとも担当のMR(私の先輩)が在庫申請を忘れていたのか、それは定かではありません。

しかし、現実問題として在庫は無いワケだし、自分としては手の打ちようがない。

…で、改めてA病院に電話して謝罪したら余計に怒られました。


だったら他所よその病院から注射Aを借りて持ってくれば良いだろう!
そんなことも分からないのか!
いいから、早く薬を持ってきてくれ!

ガチャッ

ツーツーツー…

まさかのガチャ切り2連発。

そして、こちら側に有無を言わさぬ物言い。

あまりに凄い剣幕だったので、私はしばらく絶句状態になりました。

かなり切羽詰まっていたみたいだし、相当ヤバい状況なのか?

そもそも、他所よその病院から注射Aを持って来いってどういう意味?

無い知恵を絞って考えてみたものの、当時2年目でペーペーのMSに最適解など見付けられるはずもなく、その場に立ち尽くすヒサシ。

大体にして、5月3日は祝日なので社内システムは殆どストップしている状態でした。

よって、他の営業所の在庫を見れるような状況ではなかったんですよね。

ヒサシ
ヒサシ

これはもう、自分1人で対応できるような状況ではないな…

そう思った私は、やむを得ず上司の携帯電話をコールしました。

上司から責任追及を受けるハメに

正直、GWなのに上司の携帯電話をコールするのは気が引けました。

当時の上司は単身赴任者であり、GW中は帰省して家族と一緒に過ごすと聞いていたからです。

ヒサシ
ヒサシ

これ、絶対に面倒くさがられるだろうな…

そう思いつつ上司の携帯電話にコールするヒサシ。

そしたら案の定というか、面倒くさそうな口調で上司が電話に出ました。

早速と言うべきか、上司からの状況ヒアリングがスタート。

そして、ここで私にとって心外な出来事が。


病院側が怒っているのは君の対応が悪いからじゃないの?
今すぐ持ってこいって、それ本当なの?
納品を遅らせてもらえるような交渉はした?
こうなったのは君の責任ではないのか?

要するに、上司としてはヒサシの対応に問題があると判断したようです。

確かに、当時の自分はA病院からの要求に対して右往左往するだけした。

よって、適切な対処ができていたとはお世辞にも言えません。

そうは思いつつも、上司から責任追及されるのは、やっぱり良い気分ではありませんでしたね。

ヒサシ
ヒサシ

すいませんが、欲しいのは説教じゃなくてアドバイスなんですけど!

そもそも、悪いのは注射Aを在庫してなかった先輩MSや倉庫係なのでは?

…と言いたいのは山々でしたが、何とかそういった言葉を呑み込みました。

今思い返してみると、自分でもよく我慢したなぁと思います。(汗)

その後、上司のアドバイスによって『別の病院から注射Aを一時的に借りて納品する』という対応をすることに決定。

先方に時間的余裕が無さそうだったので、上司経由で他の営業所に掛け合っていたら間に合わないのでは?という風に考えての判断でした。

(※上司の本音としては、他の営業所に掛け合うこと自体が面倒だっただけかも知れませんが…。)

不本意ですが、クレームを入れてきた薬剤部の提言に従う形になったというワケです。

ちなみに、私はこのとき初めて『一時的にとはいえ、別の病院から薬を借りることができる』ということを知りました。

A病院に関する仕事を終えて…

早速、A病院と同系列のB病院に連絡を入れ、注射Aの在庫を確認。

すると、注射Aの在庫は十分にあるので、A病院への貸し出しはOKとのこと。

このときはマジでB病院がほとけに思えました。

【補足】

ちなみに、今回のような『病院間での薬の貸し借り』は、業界内ではよくあることです。

この貸し借りに関して、MS(卸)が仲介役として連絡を繋いだり、実際に薬を運んだりする役目を担うワケです。

今回の流れだと、こんな感じです。

①:B病院がA病院へと注射Aを貸し出す。

②:A病院は注射Aを使用する。

③:数日遅れて、A病院に注射Aが納品される。

④:A病院は納品された注射Aの中から、使用した分の注射AをB病院に返す。

私はすぐにB病院へと向かいました。
そして、注射Aの現物を受け取り、それをすぐに病院Aに届けたのです。
ただ、ここでも少しばかり一悶着があったんですよね。
病院Aに届けた際、電話でクレームを入れてきた中年くらいの薬剤師(男性)と初めて対面したのですが、ここでもクレームをもらいました。

(薬を)持ってくるのが遅いんだよ。
お宅の会社、病院のことを何だと思っているわけ?
契約になっている薬くらい常に在庫しておいてよ。

こんな具合に、ネチネチと、グチグチと詰られました。

卸側(突き詰めると先輩MSか?)に責任があるとしても、私が薬を頑張って手配して届けたことは事実。

その点に関して、労いの言葉は一切なし。

別に労ってほしいとは思いませんでしたが、この言いようは如何いかがなものか。

ヒサシ
ヒサシ

好き放題言いやがって…!!

薬剤師様ってのは、そんなに偉いのか!?

ハッキリ言って、このときはメチャクチャ胸糞悪かったです。

このタイミングで既に、夕方の17:00か18:00くらいになっていました。

その後も、他の病院の注文に随時対応し、最終的に帰宅できたのは21:00過ぎ。

本当に、本っっっ当に、この日は心身共に疲れた1日でした。

時給換算で700円以下という衝撃

記事の序盤で、5月3日は朝6:00に家を出て21:00に帰宅したと書きました。

つまり、この日に仕事のため家の外で過ごした時間は15時間ほどです。

ヒサシ
ヒサシ

15時間も働いたのなら、この日の日給は2万円くらいかな?

いやいや、もしかしたら3万円くらい行くかも?

私は学生時代に時給1,000円以上のアルバイトをいくつも経験しました。

そのため、社会人として休日に働いた場合の給料は、さぞかし高額なのだろうという先入観を持っていたんですよ。

そんな淡い幻想を抱いていた私ですが、それは見事に打ち砕かれます。

5月分の給与明細を見たとき、5月3日に働いた際の給料は1万円ほどだったのです。

当時、私は社内における賃金計算の方法などについて、何も知りませんでした。

こういった休日当番をこなせば、割増賃金が支払われるのが普通のはずですが…

このときは休憩時間やら移動時間やらの関係で実際に働いた時間が少なめになっていたのです。(汗)

加えて、私が働いていた医薬品卸の場合、休日当番の賃金は基本給をベースにして計算されます。

詳しい計算式は忘れましたが、私の場合は入社して間もないこともあり、基本給が安かったんですよ。

そのことが相まって、休日賃金が1万円ほどになってしまった…というワケです。

つまり『私の中で働いたつりでいた15時間』を時給換算すると『700円以下』です。

これなら学生時代のアルバイトの方が遥かに時給が良かったです。

この事実を知ったときはかなりショックでした。

まとめ:MSの休日当番は大変だ!

MS時代は休日当番を何十回、いや、何百回と行ってきた私ですが…

その中でも、この記事で紹介した5月3日の当番が最も大変でした。

特に、A病院からのクレームはキツかったですね。

休日当番で最もメンタルが削られたのは、間違いなくこの1日です。

この1日に比べたら、お盆の当番時に脱水症状気味になったこと、大晦日の夕方6時に薬の注文を受けたことなんて、正直言って大したことないレベルです。

当時20代前半だった私にとっては、悪い意味で衝撃的な1日であり、同時に社会の厳しさというモノを痛感した1日でもあります。

当時はメチャクチャ腹が立ったものですが…

今振り返ってみると、社会人になって間もなかった私にとっては良い薬だったのかもしれません。

ヒサシ
ヒサシ

ある意味、この業界での“洗礼”だったようにも思える(汗)

GWなどの大型連休の度に、全国のどこかでMS(卸の人間)が休日当番を頑張っていることと思います。

なぜかと言うと、それが医薬品卸の責務だからです。

実際、医薬品卸がいるからこそ、大型連休であっても医療機関が機能しているという側面もありますからね。

 

医薬品卸がなくなると困る人間は大勢いるぞ!業界内における卸の必要性を再考する!

 

この記事で紹介したように、いけ好かない病院・薬剤部(薬剤師)がいるのは事実です。

ですが、そんな人たちには負けずに現役MSには頑張っていただきたいです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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