こんにちは、アラサーMRのヒサシです。
今日は色々な施設にて医薬品卸の配送さんが薬を配達・納品している場面に出くわしました。
配送職の人たちにとっては不幸なことに、天気も良くなかったです。
しかしながら、薬(商品)を雨で濡らすまいと頑張っている気概みたいなものが感じられました。
そんな彼らを見ていたら、配送職の人たちにはMS時代に散々お世話になったことを思い出しました。
MSにとって、同じエリアを走り回る配送職はパートナー的な存在です。
そんな配送職の人々ですが、彼らの待遇は決して良いものではありません。
少なくとも、給料に関してはMSよりも大きく劣ります。
それどころか、配送職は正社員ではないことも多々あります。
正社員ではないことから、賞与(ボーナス)が出ない人が大多数です。
そのため、私がMSだった頃、配送職のオジちゃん、オバちゃんから妬み嫉みの感情をぶつけられたこともあります。
そこで、本日は医薬品卸の配送職に対する私の本音を書いてみました。
医薬品卸の配送職は体力勝負である!
こちらの記事でも少し触れていますが、医薬品の配送は意外とハードです。
医薬品は小さな箱に入っている内服薬から、段ボール箱に入っている輸液まで、実にたくさんの種類があります。
特に、病院などで輸液などを何十箱も届けるときは大変です。
1箱で10kg、あるいはそれ以上に重い段ボール箱を車に積み込み、
取引先に着いたらそれらを荷降ろしして台車に乗せるのです。
もうこの時点で腰や膝の疲労がヤバいことになります。
実際のところMSも薬の配送は行うので、上記の業務は私自身も何度となく経験しました。
そんなMS時代を振り返ると、やっぱり薬の配送はキツかったなぁと感じます。
さらに、取引先が病院である場合、届けた医薬品の棚詰めを依頼されることもあります。
個人的には『棚詰めは労務提供なのでは?』と思うのですが、実際には労務提供まがいのことが黙認されています。
むしろ、棚詰めを断ったりしたら取引先からクレームをもらいかねません。
よって、MSはもちろんのこと、配送職の人たちも取引先には気を遣って接しているのです。
こんな具合に、配送職の人たちは日頃から体を張って医薬品卸を支えています。
極端な話、MS(営業)がいなくても取引先は大して困りません。
しかし、物理的に薬を届ける配送職がいなければ、取引先は間違いなく困ります。
…と、私個人は思っているのですが、医薬品卸(会社)による配送職の扱い方は案外良くありません。
MS時代に配送職の人たちから聞いたリアルな声
MSだった頃、私はまだ20代の若造でした。
そのせいか、一緒に仕事をしていた配送職の人たちは全員私よりも年上でした。
中には、私の親世代の人も結構いました。
配送職からすると私の方が年下であるせいか、良くも悪くも色々なことを言いやすかったようです。
では、実際に私が配送職の人たちから聞いたリアルな声をご紹介します。
ポジティブな意見
数は多くありませんが、医薬品卸の配送職という仕事についてプラスの見方をしている人たちもいました。
数ヶ月~数年間の期間限定で働きたい人、
ほどほどに働いて、それなりに稼ぎたい人、
時短勤務をしたい子育て中の主婦さんなど、
その人ならではの視点を持っている人たちです。
彼らのリアルな声を下記の通りまとめてみました。
『医薬品卸は安定しているから安心して働ける。』
『午前だけ・午後だけなどの半日勤務ができるから助かる。』
『食い繋ぐには丁度良い仕事だと思う。』
『正社員じゃなくてパートやアルバイト的な立場の方が気楽でいい。』
『運転中は1人だから気楽でいい。』
私が実際に聞いたポジティブ意見はこんな感じです。
ただ、個人的に気になったのは『生命関連商品(薬)を扱う仕事に誇りを持っています!』…という人が一切いなかった点です。
まあ、正社員ではない人がそこまで使命感を持って働くのは無理な話なのかも知れませんね…。
ネガティブな意見
私がMSとして働いたのは5年ほどです。
その5年間はほとんど毎日、配送さんのネガティブな意見(というか愚痴)を聞かされていたような気がします。
では、私が実際に言われた言葉を並べてみました。
『正社員は良いよなぁ。給料だって高いしさぁ。もうさぁ、やってやれないんだよね。』
『ボーナス出たんでしょ?たまには俺たち(私たち)にも何か奢ってよ。』
『配送職は昇給もないし、ボーナスも出ないし、マジで腹立つんだけど?』
『なんで俺(私)を正社員にしてくれないの?この会社おかしいんじゃないの?』
『MSはさぁ、腹の底では配送の俺たち(私たち)のことを下に見ているんでしょ?』
『MS(営業)は良いよなぁ。薬の配達もしないで楽な仕事をしているんでしょ?』
『力仕事ばかりで体がしんどい…。』
『薬を届けるだけの簡単な仕事って聞いていたのに、重い輸液がたくさんあるし、騙されたって気がする…。』
『医薬品卸の配送職は給料が安くて家族を養っていけない…。』
『体力的にも経済的にも、この仕事は何年も続けられない…。』
いかがでしたしょうか?
ご覧のように、鬱屈とした感情を抱え込んでいる配送さんが大多数だったように思います。
そのせいか、配送職の人は入れ替わりが激しかったです。
(※たまたま私が所属していた営業所の環境が悪かっただけかも知れませんが…。)
ただ、彼らがMS(正社員)に突っかかってくる気持ちも理解できます。
医薬品卸の配送職の待遇は決して良いものではありません。
手取り金額についても、ほとんどの配送さんから10万円台だと聞いたことがあります。
手取りが10万円台で満足できる人間が果たして何人いるでしょうか?
仕事内容がハードな割に給料も安い。
その反動でMS(正社員)に嫉妬してしまうのでしょう。
なぜ配送職の待遇は改善されないのか?
待遇面に不満があるからこそ、配送職は会社に対して不満を持ちます。
その不満が限界に達したとき、彼らは会社を辞めていきます。
…ということは、もっと配送職の待遇(特に給料)が良くなれば不満の感情も和らぎます。
もしそうなれば、離職率もきっと減ることでしょう。
でも、そんなことは会社も分かっています。
分かっている上で、会社は配送職の待遇改善を行わずにいるのです。
それはなぜなのか?
医薬品卸(会社)そのものが儲かっていないからです。
国策による後発医薬品の使用促進により、1品目当たりの単価は安くなり、それに伴って得られる利益額も現在進行形で減り続けています。
さらに、製薬会社からのリベートやアローアンスも減っています。
つまり、医薬品卸の利益状況が厳しいことから、配送職の待遇を改善するだけの余裕がないのです。
それどころか、業界内ではMSを含めた正社員の給与・賞与のカットを進めているという話もチラホラ聞きます。
このような状況で、会社が従業員の待遇改善に乗り出すはずがありません。
よって、配送職の待遇が今以上に改善されることは考えにくいのです。
まとめ:個人的には配送職の待遇が改善されてほしい!
今の私はMRという立場ですが、自社の薬を届けてくれている配送職の皆さんにはとても感謝しています。
正直な話、MSよりも配送職の方が社会に貢献しているのでは?
…と思うことも増えてきました。
毎日毎日、明けても暮れても医薬品配送を行う配送職は、間違いなく社会に必要な存在です。
一般人だって、クロネコヤマトや佐川急便のような配送業者がいなくなったら困りますよね?
同じように医療機関にとって、医薬品を届けてくれる配送職はありがたい存在なのです。
物理的に薬を届けてくれる人間がいなければ、医者も患者も困るのです。
医薬品卸は配送職だけで成り立っているわけではありません。
ですが、配送職がいければ医薬品卸は間違いなく崩壊します。
そのくらい重要度が高い仕事なのだから、いくら利益状況が厳しいとはいえ、医薬品卸にはもっと配送職の待遇改善を考えてあげてほしいものです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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